父は若い頃は 毎夜夜なべをしたらしい 各農家競争で むしろぶちをした むしろぶち機に わらを入れて ゴザの大きいようなものを作っていた 夜なので 随分冷えたそうだ そのうち 腰が痛くなり お医者さんのところへ行くと 坐骨神経痛 と診断され 注射を打たれたそうだ それで痛みがなくなったので また仕事に精を出した なんだか 数年おきに注射を打っているような話だ
こういう風に 一時的に 痛みをなくすと 骨がすり減っていくのがわからないん だろうな 要するに 現場で大変な事態になっていて 中央司令室では 警報が鳴りぱなしなのに その信号を センサーごとこわして 警報鳴り止んだので 一安心と言っているのと同じ 今や現場は 壊滅状態 本人は 注射を打ってもらいたがっている やはり 最初の経験が 忘れられないのだ でもここで注射を打ったら どうなるか 誰でもわかる
あったかくして ゆるめるしかない とりあえず物理的に でも父は 寝てなんかいない 昨夜は暖かく寝られたと言いながら こたつで 座椅子に座ってる 座るというのは 腰に良くないんじゃないかな 寝てろといっても 座っている この辺になると ちょっと 何を考えているのか 分からない