今回も歴史学者で高知大学名誉教授、新しい歴史教科書をつくる会の副会長であります
福地惇先生の2010(平成22)年春に書かれた小論文をご紹介いたします。
虚偽の歴史観信奉が日本を滅ぼす
高知大学名誉教授 福地 惇
1.日本民族を衰亡させる手段としての虚偽の歴史観
周知のように極東国際軍事裁判(東京裁判)は、「満州事変から大東亜戦争に到るいわゆる十五年戦争」は世界の平和と安定を撹乱したと決めつけた。
それは、東アジアの諸国に甚大な被害を与えた「邪悪な侵略戦争」、従って日本帝国は戦争犯罪国家だと断言した。
だが、日本民族が昭和前期に戦ったシナや米・英等『連合国』との戦争を冷静に回顧する時、上の見解は歴史の明らかな偽造であり「虚偽の歴史観」だと私は断言せざるを得ない。
通説とは逆の「自衛戦争」だったと、言わざるを得ないのである。
例えばGHQが推進した「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」を検証すれば、大東亜戦争の真実を彼らがいかに必死になって隠蔽し、自分たちを正義の勢力だと詐称、偽装、捏造する政治あるいは宣伝工作を展開したのは明らかだ。
白を黒と、黒を白と「順逆反転された歴史像」で日本人を洗脳しようと工作したのである。その目的は、深い「贖罪意識」「自己嫌悪感」を植え付けて、毅然とした民族・国家として立ち直れないよう、自尊心が持てない腰抜けの日本人を創り出すことであった。
2.昭和の戦争の本質
では、その戦争の本質は何であったのか。
端的に言えば、我が国は米・英とソ連という表面上は国家体制もイデオロギーも異質の勢力の挟み撃ちに遭ったのである。日本挟み撃ちの囮がシナの蒋介石軍閥だ。米・英もソ連も蒋介石も将棋の駒であり、その駒を使嗾して日本を破壊した勢力、世界の平和と民主主義を標榜する国際主義勢力が存在したのである。今も益々強力になって存在している。
この勢力は、日本を満州・朝鮮、シナ大陸から追い出して、狭い日本列島に追い込む戦略を展開したのである。 それは、日本民族は能力・資質が高く、国際主義勢力の橋頭保 米・英を窮迫する成長力をもつ民族だと察知したためである。東アジアの同胞と信じようとしたシナ民族は、蒋介石が米・英の駆役者となり、毛沢東がソ連=コミンテルンの駆役者となり、いわゆる「抗日戦争」の大義名分を立てて、日本を追い落とし戦争の尖兵を担当させられたのである。
我が国はこれに対して必死の自存自衛の努力をしたのだが、衆寡敵せず、悲劇的に国家を破壊させられたのである。
昭和時代の戦争の本質を解明するには、いくつものポイントがあるが、
①「影の世界政府司令部」の世界戦略、
②モスクワ(ソ連政府とコミンテルン)の世界共産革命戦略、
③米・英主導のワシントン体制という日本封じ込め戦略、
④日本潰しの駒として使嗾された蒋介石国民党とシナ共産党が推進した「抗日戦争」
これらの本質を大局的に国際政治・軍事情勢の推移の中に解明しなくてはならないのである。
④については、盧溝橋事件の前年1936年(昭和11)年12月の「西安事件」が重要だ。
「西安事件」以後、蒋介石は、シナ共産党と提携して「抗日戦争」を戦い抜かざるをえぬ羽目に陥り、モスクワとロンドンとワシントンを経由して伝えられる彼の勢力の指令に唯々諾々と服従したのである。 しかるに、日本が米国に打ちのめされた途端に、蒋介石は毛沢東の共産党軍にシナ大陸を奪われた。それは、米・ソの、実は背後の「世界政府司令部」の東アジア戦略のシナリオに沿って推進されたと見なくてはならない。 「世界政府司令部」は、ソ連のスターリン、コミンテルン、米国のルーズベルト、英国のチャーチルを巧みに使って、結局はどのような大戦後の世界を構想していたか。 国際連合による国際社会の制御が先ず第一。第二にソ連、東欧、共産シナ、北朝鮮のような共産党一党独裁の奴隷国家が別の標本である。これを我々は冷徹に認識しなくてはならない。
3.愛国心を嫌悪する国際主義工作員
ところで、1932(昭和7)年満州事変前後から我が国の各界上層部にモスクワやワシントンやロンドン筋から「日本を敗戦に導く工作員」が明らかに入っていたという事実の解明も絶対に必要だ。
敗北の衝撃が余りにも甚大だったために、マトモな日本人は自分たちが歩んだ苛酷な道程の本質を明察する知的能力も精神的余裕も無いまま、軍隊解散、戦争放棄の平和主義と民主主義の国家という新たな世界に入らせて頂いたのだと思い込まされた。
GHQが敷いた日本改造路線を日本人側から推進したのが、戦前の「日本を敗戦に導く工作員」たちだ。
公職追放を免れたこの工作員たちは大きな面をして戦後指導相、各界上層部に入ってきた。
それ故に、敗戦後半世紀、特に昭和の末年以降の歴代政府は、東京裁判の判決を、心底容認して今日に至っている。「戦争犯罪国家」という虚偽の歴史観が民族を衰亡させることに思い至らない迂闊な政治家が多すぎるのも教育の成果だ。余りにも愚劣なことだが、政府見解として「戦争犯罪国家」間を盤石に定着させてしまった。
明治維新以降現在に至るまで「欧米は文明」「進歩の模範は欧米文明」だと信じることが、日本知識人の資格だったのだから、当然のようにこうなった訳である。更に悲しいことは、祖国の悲劇を理解できずに、敵が日本民族を押さえつける手段として想像した「虚偽の歴史観」を信奉してしまった。
そうさせる役割を担った者たちが、進歩的大学人・言論人(進歩的文化人)、「日教組」の革命運動教師たちだ。戦後世代は洗脳されてむごい姿に変質してしまった。
祖国の歴史と伝統と文化に嫌悪感を持たされた多くの善良な日本人により、日本人自身が自己嫌悪、自己劣化の再生産に尽力して今日に至っているのである。
「影の世界政府」勢力のエイジェントと思しき北京政府要人李鵬が、95(平成7)年に「日本はあと20年で消滅」すると平然と言い放って我々をびっくりさせたが、それは彼の思い付き的な予言ではない。
豊かな歴史と文化と皇室を柱に団結力ある日本民族をこの地球上から消滅させようと企む彼の勢力の世界改造計画の一端を図らずも公然と吐露してしまった事件ではなかったか。
現今、米・中の世界戦略論争を見るに、そのようなタイム・スケジュールが組まれていると察知せざるを得ないのである。
この愚劣、迂闊をこれ以上続ければ、栄えある歴史、伝統、文化を有する我が日本民族は、国籍不明の単なる「衆愚の群れ」に堕落し、21世紀中葉には本当に滅亡するだろう。
彼の勢力はそれを目指して日々種々様々の日本覆滅工作の展開に余念がない。
民主党政権の登場で日本民族滅亡の危機は深まった感が強い。
この甚大な危機を深刻に受け止めて一刻も早く自存自衛の対策を講ぜずしては、世界文化遺産に算定される運命はおそらく避けられないであろう。
覚醒せよ、祖国日本を愛する我が同胞たちよ!
(日本戦略研究フォーラム季報掲載より)
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福地先生の論文の中で、
「背後の『世界政府司令部』の東アジア戦略のシナリオに沿って推進されたと見なくてはならない」
「日本を敗戦に導く工作員」
という部分は非常に重要な部分であると言えます。
大東亜戦争の日本敗戦というのははじめから仕組まれたものであり、
敗戦に向けて日本は突き進まされていったといえるでしょう。
日本が支那と本格的に戦うのは1937年の支那事変からですが、
そのかなり前の1918年にモスクワでのユダヤとボルシェビキの日支闘争計画で
日本と支那は戦うことになっていたのです。
そして、その戦いに米・ソをも干渉させる戦争に発展させ、日本を倒すこととされていました。
この原理を実施するために1926年に日本に太平洋問題調査会(IPR)を設置、
これはロックフェラー一世とソ連指令課にあった秘密工作機関でありました。
今、日本の昭和の歴史ではコミンテルンやGRUゾルゲなどのスパイ、それを支援した日本人や軍部がいたことは知られていますが、それは米国からも、支那共産党からも仕組まれていました。
そして、何よりもその後ろにある「勢力」を理解することが大事であると福地先生は指摘されています。
李鵬が1995年に「日本はあと20年で消滅」と言ったことは、
豊かな歴史と文化と皇室を柱に団結力ある日本民族をこの地球上から消滅させようと企む
彼の精力の世界改造計画の一端を図らずも公然と吐露してしまった事件
と福地先生は鋭く見抜いております。
1972年のシナ共産党の秘密文書「日本解体第二工作要綱文書」。
この日本工作の基本戦略は、「日本が現在保有している国力の全てを中国共産党の支配下に置き、中国共産党の世界解放戦に奉仕させることにある」として日本のマスコミ、政治家への指令が書いてあります。
第一期工作は日中国交正常化、
第二期工作は議員訪中団を招聘して民主連合政府を樹立させる、
第三期工作は日本人民民主主義共和国を樹立して天皇を戦犯首謀者として処刑すること・・・
まさに、日本覆滅工作の展開に余念がない、といえます。
戦後日本人には先生ご指摘のように、
深い「贖罪意識」「自己嫌悪感」を植え付けて、
毅然とした民族・国家として立ち直れないよう、
自尊心が持てない腰抜けの日本人を創り出すことであった。
戦後世代は洗脳されてむごい姿に変質してしまった。
そうさせる役割を担った者たちが、進歩的大学人・言論人(進歩的文化人)、
「日教組」の革命運動教師たちだ。・・・・
そして、その結果が民主党政権の誕生であります。
覚醒せよ、祖国日本を愛する我が同胞たちよ!