一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

NHKスペシャル「人事も経理も中国に」

2007-09-04 | あきなひ
NHKスペシャル「人事も経理も中国に」を見ました。


ひとつは日本IBMが中国に自社のスタッフ部門の業務をアウトソーシングしながら、中国のアウトソーシング拠点を日本でのビジネスにつなげようという話。

そもそもIBMはパソコン事業において中国を出口にしたわけで、特に違和感はありません。
日本企業が中国は好景気で人件費が高くなったので今度はインドだベトナムだ、と言っているのと同じノリで、アメリカの会社にとっては日本人はコスト高になりつつあるのでしょう。


メインは通販会社のニッセンの事例。
この会社もスタッフ部門をアウトソーシングしようとする中で、総務20数年の課長さん(だったと思います)を中心にアウトソースされる部署の葛藤を描いてます。

番組では、中国から研修に来た若い女性の真剣な姿勢に、日本人の若い社員よりまじめだと課長さんが感心する場面があります。
その中国人の女性は大連から4時間という僻地の出身で、両親が苦労して大学に行かせてくれたということで非常に向学心に燃えています(戸籍の農民・都市市民の区別ってまだあったと思いますし、渡航許可を受けるのも難しい中で研修にきただけでも相当優秀な人なのではないかと思います)。

最後は、コストセンターとしての仕事はだんだん国際競争力にさらされる、というようなことを示唆して終わりました(このあたり話をしながら見ていたのでうろ覚えです)。


ただ、方針転換をする企業側にもそれこそアウトソーシングできない部分の人事的な能力・センスが問われると思います。

この会社はアウトソーシングを理由にリストラは行わない、という方針のもと、スタッフ部門の従業員に別の仕事についてもらおうとしてます。
そこまではいいのですが、そのやり方が「別の部署で給料分は働け」というものなのがどうかな、と感じました。

「事業責任者」だかの肩書きの久保利英明弁護士の外見から品性を2ランクくらい落とした感じの役職者が「仕事は与えられるものと思ってちゃだめなんだよ」「で、あなたは何をして会社に貢献するの」などと課長さんを詰問をするシーンがあります。

これも「キャリアビジョンを持ってもらう」とか言うのでしょうが、リストラよりひどいイジメの世界のように見えます。

「リストラをしない」というのは聞こえはいいですが、上のようなプレッシャーをかけて人を効率化したり減らすそうとすると、結果的に優秀な人が流出して「どうせクビにはならない」と開き直って仕事もしない人が残ることにならないでしょうか。
それなら退職金の割増を含んだきちんとした早期退職制度を作ったほうが会社にとっても従業員にとってもよい結果をもたらすように思います。

アウトソースしたはいいが会社の求心力がなくなってしまったというのでは、アウトソースすべきは実は経営幹部だった、というような悪い冗談になりかねません。


個人的には最後にこの課長さんが中国のアウトソーシング会社に行って従業員を指導する立場で一旗あげようとする、というような展開があればかっこよかったのにな、と思ったのですが・・・

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遠山→葛西→遠山

2007-09-04 | まつりごと

遠藤農水相が辞任 後任に若林前環境相 補助金行政「農林行政傷つけた」
(2007年9月3日(月)16:57 産経新聞)

若林氏は、8月1日に事務所費問題で赤城徳彦農水相が辞任した後、同月27日の安倍改造内閣発足まで農水相を兼務していた。

タイトルでピンと来た方には言わずもがなですが、野村監督時代の阪神タイガースで、相手打者の左右に応じリリーフピッチャー<遠山(左)→葛西(右)→遠山>とぶつけるために、一度登板した遠山投手をベンチに下げずに一塁を守らせたことを思い出しました。
(試合の詳細はこちら参照)


野球では一度ベンチに下がった投手の再登板はできないのですが、若林氏を野球選手にたとえれば、球威はさておきコントロールはいいのでワイルドピッチや四球、危険球退場というような自滅はしないというタイプの中継ぎ投手でしょうか。
 

コメント (2)
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