ひさびさにアメリカ映画 “レインマン” を見ました。
この作品は1988年公開の アカデミー賞受賞作品で “ドライビングミスデイジー” と同じく好きな作品です。
主演は ダスティン・ホフマンとトム・クルーズで レイモンドとチャーリーという兄弟の心の物語です。
始まりは 高級中古車ディーラーを営む 弟チャーリーのもとへ 憎み合った父親の死亡通知が届きます。
何年もの間 没交渉であった父親の葬儀に 商売が思うようにいかず どうしても父の遺産が欲しい弟は 恋人と出向きます。
そこで父親の遺言が 自分にはボロ車1台と 庭の枯れたバラだけで 幼い頃おぼろげに覚えている兄には
300万ドルの信託財産が残されることを知り ショックを受け その兄が重い自閉症で 施設に預けられていることを知り
なんとかそれを横取りして 商売の資金にする為 兄の施設へ行きます。
そして兄を連れ出し 自分が後見人になるべく 管財人のいる ロスへ急ぎます。
その道中がこの映画の大筋を占めており 知的障害者の兄レイモンドを演じる 名優ダスティン・ホフマンの演技が
随所に光ります。この役作りのため 彼は自閉症の人と暮らし 発音 歩き方 身のこなし等を勉強したとか。
このレイモンドのモデルは実在の人物で 桁外れの記憶力を持ち 本を何千冊も暗記したり 誕生日を聞けば
それが何年前のものであっても 即座に曜日を答える など並外れた頭脳の持ち主で 映画の中でも
床にばらまかれた楊枝の数を一瞬で答えたり ラスベガスのカジノで おびただしいカードの組み合わせを暗記し
大儲けしたりと 驚異の記憶力を見せます。目に入ったものを 瞬時に脳裏に焼き付けるとは あの山下清が
そうだったのではないか 一瞬のうちに脳裏に記憶し あの見事な長岡の花火を制作したのではないかと ふと思います。
この旅の道中で 強欲な弟は自分が生まれた時 おさなごにケガをさせてはいけない との理由で兄が
施設に入れられたことを知り 幼いころの “レインマン” と呼んだ懐かしい名前は 自分のために
犠牲になった 兄であったことを知ります。
だんだん 人間の心を取り戻していく弟を これもトム・クルーズが好演しています。
結局兄の後見人とは認められず 最後は切ない別れで 幕はおります。
日本では 橋爪功 椎名桔平の配役で 舞台を重ね 好評を博しているとか。
アメリカディゴ もう真夏の花が咲いていました。