枇杷の葉なし

枇杷の生育や、葉・花芽・種のことを日々の生活のなかで書いていく。

うさぎのダンス・38

2023年03月22日 | Weblog
 ふみこは畑で鍬を振るう祖母に「ばあちゃん、そばってうどんに色がついたのか?」祖母はやおら腰を伸ばせ「うどんは小麦粉じゃで、そばは蕎麦粉じゃ」先日、祖母はうどんを打って食べさせてくれた。その美味しかったことは例えようもない「蕎麦か…そうよの、今年は作ってみるか」ふみこは飛び上がった。

 ところが待てど暮しても、蕎麦は出て来ないのに堪りかね「何時になったらできるん?」「おまえは、蒔いた種が生えてきて実らにゃ採れんのぞ」祖母は可笑しそうにふみこの顔を見て言う。農協に行くのも、種が入ってでないと買えないそうだ。ふみこは直ぐに食べれると思うのが、半年先にと気長な話になる。

 辺鄙な村の店屋には、缶詰はあるものの肉はなく魚は自転車で売りに来る。魚屋さんは早朝に港のある場所に行き仕入れて、そこから氷漬けにして持って来る。ふみこの家では、買って貰えるのが鰯や鯖と決まっており偶に鯨肉になる。七輪を持ち出して火を熾し、その間に母が出刃包丁で捌き井戸水で洗い焼く。

 猫の三毛が良く知っていて、何処にいるのかすっ飛んで来て騒ぎ回る。内臓の類は地面に置いておくと、鴉や鳶が狙う。羽音が、バサッとした途端に足爪に掴んで飛んで行く。ふみこは、地面に置いてあるのを手にした。それを見た祖母から、野生の物へ人間が携わることはならぬときつく言われたのが胸に沈む。

 鴉も鳶も頭が良く賢く一度味を占めたものか、ふみこを見つけると上空で旋回を始める始末だ。祖母は「爪に細菌もあるからな、あれに引っかかれると厄介じゃ」鴉にしてみれば餌が目の前にぶら下がってのこと、ふみこを見て揶揄ってもいた。後に図書室が出来てのこと、シートン動物記に‟銀の星”を読み納得。

 暦 閏如月・朔・大潮 朝から一大事が起き、PCが作動しなくて助っ人探しに漸く復帰となる。○○イケメンのお兄さん、ありがとうです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする