日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

西村チーフの ご好意

2008-01-04 18:08:37 | Weblog

新発売の うどんが入荷された

こしがあって、なかなか美味しいと、梅子さんと末永さんは言う。

そんな二人の意見を聞いていた西村チーフは、私に 食べたことがあるか?と聞いた。

いいえ、ありません、と答えると、

「そうだ!鈴木さん、賞味期限が今日までのが2つあるから、持って帰って食べてみますか?

「えっ?でも、いいんですか?

「お客さんに尋ねられても、食べてみないことには、分からないですからね。ここの冷蔵庫に入れておきますから、帰りに持って帰って下さい」

そして、帰りのバスの中・・・。

私は、たいてい、一日をバスの中で、振り返る。

「あ~しまった!うどんを持って帰るの、忘れてたあ~

この日も、思い出したのは、バスの中だった・・・。

そして、翌日。

西村チーフの顔を見るなり、私は昨日のことを誤った。

「昨日は、うどんを持って帰るの、すっかり忘れてて、ごめんなさい。せっかくのご好意を・・・。うどんは、廃棄に・・・?」

そんなに心配しなくても・・・という風に、西村チーフは、さわやかに言った。

「いや、俺の腹の中に、おさまりました。

チーフの腹の中・・・? 

「それは、良かった

ほっと しつつ、思わずつぶやいた。

無駄にしなくて。(うどんも、西村チーフのご好意も)

「それじゃ、今日、持って帰りますか?

と、チーフ。

「いいんですか?それじゃ・・・。私、すぐ、忘れるから、帰りに言って下さい

そして、帰り・・・。

今日は、矢木さんと同じシフトで仕事だった。

「西村チーフが帰りに うどんをくれるって言ってたから、チーフを探してきますね~

私はルンルン気分でバックから売り場へ行った。

チーフは売り場の ほぼ中央で、補充をしている最中だった。 「お疲れ様でしたあ~

と、私。

「はい、お疲れ様

と、チーフ。

西村チーフが うどんの事を忘れている筈がない、と思い込んでいた私は、何も言 わずに、チーフの目の前に、右手を差し出した。

お頂戴、うどんのつもりである。

ところが、チーフの反応は、

「ええっ

と、目いっぱい驚いた様子で、 そのまま卒倒し、積み上げかけたお菓子と共に崩れそうになったのだ。

今度は、こちらが驚いた。

「あの・・・。催促して悪いんですけど、うどん、もらえますか?

 「あっ、ああ。 うどん・・・ですね」

西村チーフは やっと正気に戻り、売り場から、うどん2つを私に手渡した。

「この内、一つを矢木さんに あげてもいいですよね

「ああ、そうか。俺、矢木さんに あげてなかったな。でも、一つでいいんですか?

「は~い!いいです!

矢木さんと二人、仲良く うどんを一つずつ持って、休憩室へ上がった。

「なんか、店から盗んだみたいね~」

と、笑いながら・・・。

休憩室では、私の面接をした人事課の 課長がタバコを吸っていた。

「鈴木さん、こんにちは。もう、慣れましたか?」

と、笑顔である。

「はい、いい人ばかりで。それが、一番です

そう言いながらも私は、自分の手に持っていた、うどんが気になって仕方なかったのだけれど・・・。(苦笑)

矢木さんは、

「いい人ばかり・・・って言ってくれて おばちゃん達に、鍛え上げられてますって、言わなかったんだ」

といい、笑っていた。

 

そして今日。

矢木さんは、私に早速うどんの感想を述べた。

「鈴木さん、昨日もらった うどん、食べてみた?こしがあって、おいしかったねえ。私、こしがあるほうが、好きなんよ。これ、店頭販売とかで宣伝したら、売れると思うよ

はい、同感。ホント、おいしかったです。

それにしても、チーフの昨日の あの反応、何だったんだろう。

今にして思うと・・・。

私が黙って手を差し出したから、

「手を握って!」

と、言う意味だとでも勘違いしたとか。

まさかね~

いくらなんでも、店の ど真ん中で、10歳くらい年下のチーフを軟派するようなマネ、わたくし、しませんことよ~。

何はともあれ、うどん、美味しかったです。

また、くださいっ

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