ある日、納豆の補充をしていると、5歳くらいの女の子が話しかけてきた。
「何してるの?」
「納豆を並べてるのよ」
「ふう~ん」
女の子は、しばらく物珍しそうに眺めていたが、 納豆を手に取り、手伝ってくれたのである!
なんと、まあ、感心な。
「ありがとう、上手ね!」
すると、女の子の表情がパッと明るくなり、 更にスピードアップして、納豆を並べるじゃない!
何処からか、3歳くらいの妹さんもやってきて、お姉ちゃんと同じように、 納豆を並べ始めたのであった。
私は、しばらく手を休め、かわいい姉妹を眺めていた。
積み木みたいで、面白かったのか、褒められて嬉しかったのか・・・。
肉売り場から彼女達の母親の
「邪魔しちゃ駄目よお~」
という声が店内に響くまで、子供達は納豆並べを続行。
かわいいお手伝いに心の芯まで ほんわか。
ほんとに、微笑ましい時間をありがとうって言いたい。
母親に止められた後、女の子達は母親の元へ走って行ったものの、 まだ、納豆並べに興奮冷めやまぬ様子で、こちらを見ている。
母親と目が合った私は、思わず一礼した。
あちらも軽く会釈した。
すくすくと優しい女の子達に育ってますね、お母さん!
また、ある日・・・。 入荷商品を積んだ台車を売り場へ引っ張って行く途中、70歳くらいのおじさまに、声を掛けられた。
「ありゃー。 女の子が一人で大変だねえ。なんなら、わしが手伝ってあげようか」
一瞬、目が点になったが、冗談を言っている風でもなく、 お客さまの目は結構、真剣だったのである!
「いえ、これは仕事ですから・・・」
お客様も優しい とある街の とあるスーパーです。