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宇宙飛行の微小重力での骨吸収はメラトニンによって抑制される

2019-07-29 | 健康・病気
 金沢大学環日本海域環境研究センターの鈴木信雄教授、東京医科歯科大学教養部の服部淳彦教授、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の池亀美華准教授、富山大学研究推進機構の田渕圭章教授らの共同研究グループは、宇宙空間で引き起こされる骨吸収がメラトニンにより抑制されることを明らかにした。本研究成果は、2019年7月19日(米国東海岸標準時間)に国際科学雑誌「Journal of Pineal Research」に掲載。
 鈴木信雄教授と服部淳彦教授はこれまでに、骨のモデルとしてキンギョのウロコを用いて、概日リズムを調節するホルモンであるメラトニンが破骨細胞(骨を溶かす細胞)の活性を抑制することを見いだしている。これより、宇宙飛行士に引き起こされる破骨細胞の活性化による骨量の低下に対し、メラトニンが効くと考えられることから、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟において宇宙実験を行うことにした。
 本研究では、骨芽細胞(骨をつくる細胞)と破骨細胞(骨を溶かす細胞)が共存し、哺乳類の骨と同様のホルモン応答を示すキンギョのウロコを骨モデルとして用いた宇宙実験を実施した。ウロコの骨芽細胞でメラトニンが作られるとともに、宇宙空間ではメラトニンの合成が低下することを明らかにした。そこで、メラトニンを添加した培地と無添加の培地でウロコを培養して比較したところ、メラトニン無添加の培地では、わずか3日間の培養でいくつもの破骨細胞が融合して多核化の活性型の破骨細胞になり、その破骨細胞がウロコにある骨質層の溝の幅を広げ、ウロコの骨吸収を促進していることが分かった。さらに、骨吸収を促進する因子であるRanklの遺伝子発現が上昇し、骨吸収を抑制するホルモンであるカルシトニンの遺伝子発現を抑制することも分かった。他方、メラトニンを添加した培地で培養すると、Rankl の発現が抑制され,カルシトニンの発現が正常に戻ることが明らかになった。
 これらの知見から将来、メラトニンが宇宙飛行士の骨量低下の予防・治療薬に活用されることが期待される。
 ◆用語解説
 〇メラトニン
 メラトニン(N-acetyl-5-methoxytryptamine)は夜間に分泌されるアミンに属するホルモンであり、トリプトファンからセロトニンを経て合成される。合成に関わる重要な酵素として、アリルアルキルアミンN-アセチルトラスフェラーゼ(AANAT)とアセチルセロトニン-O-メチルトランスフェラーゼ(ASMT)が挙げられる。主に松果体から分泌されるが、他の組織においても産生されることが知られており,脊椎動物・無脊椎動物・植物さらにはシアノバクテリアにも存在する、種を越えて保存されたホルモンである。
 〇Rankl
 Receptor activator of nuclear factor kappa-Β ligandの省略形。骨芽細胞で合成され、破骨細胞で発現しているRANK(Receptor activator of nuclear factor kappa-Β)と結合することにより破骨細胞を活性化させ、骨吸収を促進する。本研究では、Ranklの遺伝子発現を解析した。
 〇カルシトニン
 哺乳類では甲状腺の傍濾胞細胞、哺乳類以外では鰓後腺から分泌される32アミノ酸残基を有するペプチドホルモンである。主な作用は、破骨細胞の活性を抑制して、骨吸収を抑制する。その結果として、血液中のカルシウム濃度が低下する。

 今日も天気は、朝は曇り、次第に晴れて、昼頃には強い日差しが。
 散歩で、道路側の空地状の植栽地に”ワルナスビ”の花を見つけた。花は茄子の花に似て可愛いし、実(トマト似)も可愛い。でも茎・葉に鋭い硬い刺(とげ)が多い・・触らない・触れない。昨年も一昨年も同じ場所で育っている。
 ”ワルナスビ(悪茄子)”は名の如く始末に負えない嫌われ者の雑草だ。繁殖力が強く、除草剤も効き難くなかなか駆除できない。根絶できないのは地下茎で繁殖するからだ。実だけでなく、全草が有毒(ソラニンを含む)で、家畜が食べると場合によっては中毒死することがあると言う。英語でも”Apple of Sodom"(ソドムのリンゴ)””Devil's tomato(悪魔のトマト)”と呼ばれるとか。
 ワルナスビ(悪茄子)
 別名:鬼茄子(おになすび)、荒地茄子(あれちなすび)
 ナス科ナス属
 多年草(長い根茎をもつ)
 北アメリカの原産、明治時代に牧草に混り非意図的に導入された
 世界的な帰化植物で、日本では外来生物法により要注意外来生物に指定されている
 全草がソラニン(主にナス科の植物に含まれる神経毒)などを含む有毒植物である
 開花時期は6月~8月
 花はナスやジャガイモに似た白~淡青紫色、花径は径2.5cm
 果実は球形(径1.5cm位)、熟すと橙黄色となる