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ウイルス防御の新たな遺伝子を発見

2018-10-16 | 科学・技術
 フランス国立医学衛生研究所後藤彰主任研究員は帯広畜産大学岡戸清特任研究員と共同で、ウイルス防御に関わる新たな遺伝子を見つけた。成果は米科学誌イミュニティー(電子版)に掲載された(8月15日)。
 昆虫や哺乳類などに広く備わる免疫関連たんぱく質「STING」の作用に注目した。ウイルス感染を察知すると働き、人ではインターフェロンという物質ができ、最終的に免疫細胞がウイルスを取り除くことが知られている。
 研究チームはもともとインターフェロンが働かないショウジョウバエで実験。RNAウイルスと呼ぶ種類を感染させると免疫関連遺伝子が複数働いた。このうちウイルス抑制効果が強かった未知の遺伝子を「Nazo(謎)」と名付けた。これらの遺伝子が作る物質が人のウイルス感染症に応用できる可能性がある。今後、機能を詳しく調べて感染症の新たな治療法開発につなげたい考え。
 ◆ウイルス
 ウイルス(ラテン語: virus)は、他の生物の細胞を利用して、自己を複製させることのできる微小な構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。
 ウイルスは細胞を構成単位としないが、生物の特徴を持ち、遺伝子を有し、他の生物の細胞を利用して増殖できる。現在でも自然科学は生物・生命の定義を行うことができておらず、便宜的に、細胞を構成単位とし、代謝・増殖できるものを生物と呼び、細胞をもたないウイルスは、非細胞性生物として位置づけている。あるいは、生物というよりむしろ"生物学的存在"といわれる。しかし、遺伝物質を持ち、生物の代謝系を利用して増殖するウイルスは生物と関連がある。感染することで宿主の恒常性に影響を及ぼし、病原体としてふるまうことがある。
 ◆STING
 論文(2013年4月12日)
 著者:阿部隆之・Glen N. Barber
 STINGによる自己および非自己に由来するDNA成分の認識と自然免疫応答の制御
 要約
 小胞体に局在する膜タンパク質として同定されたSTINGは、さまざまなRNAウイルスおよびDNAウイルスの感染に対する生体防御機構において重要な役割をはたす。また、STINGはウイルスおよび細菌に由来するDNA成分に対する自然免疫応答の誘導に重要な役割を示すことが報告されているが、その分子機序は明らかにされていなかった。
 この論文において、筆者らは、STINGはウイルスに由来するゲノムDNAのみならず、ISDとよばれる45~90塩基対の合成2本鎖DNA、さらに、アポトーシス細胞に由来する自己のDNA成分と複合体を形成しうることを明らかにした。in vitroにおけるDNA相互作用領域の解析より、STINGのC末端側の領域が重要であることが示された。STINGによるさまざまなDNA成分の認識はSTINGの核膜の周辺領域へのダイナミックな局在の変化を誘発し,TBK1の活性化を介しインターフェロンの産生を誘導することが示された。さらに、STINGは微生物に由来する非自己のDNA成分のみならず、自己のDNA成分の認識を介した慢性的な炎症性の応答の制御にも関与している可能性が示唆された。

 今日は晴れていい天気。気温は平年並み、との事。今まで少し暑かったから、平年並みの気温でも、涼しい、と感じる。
 近所の公園、”イチョウ”が黄葉し始め、実(銀杏:ギンナン)がたわわに付いている。樹の周辺にはまだ黄葉が散らばらず、実も落ちていない。・・イチョウは雌雄異株、実は雌株にのみになる。
 因みに、「生きている化石」植物の一つである。イチョウ類は、約3億年前(古生代後期)に出現し、中生代に最も繁栄した。
 イチョウ(銀杏、公孫樹、鴨脚樹)
 イチョウ科イチョウ属
  裸子植物門イチョウ綱の中で唯一の現存している種
 落葉高木
  広葉樹にも針葉樹にも属さない
 雌雄異株 実は雌株にのみになる
 中国原産、鎌倉時代の渡来説が有力



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