沖縄科学技術大学ウォルフ・マティアス准教授と大阪大学杉田征彦特任研究員らは東京大学などと共同で、エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスの基本的な構造について、世界で初めて原子レベルで明らかにしたと発表した(10月18日)。
エボラウイルスによるエボラ出血熱は確立された治療法がなく、致死率は90%に達する。2013年から2016年にかけて西アフリカを中心に1万1000人を超える死者を出し、欧米にも感染が広がった。
エボラウイルスは感染すると細胞内で増殖し、細胞を破って外に出て広がる。ウイルスの核となる部分は、タンパク質がらせん状につながった構造と、遺伝情報を伝えるリボ核酸(RNA)でできている。
研究グループは、極低温でたんぱく質などを観察する「クライオ(極低温)電子顕微鏡」を使って核となる部分を解析した。らせん状に連なったタンパク質の外側に溝のような構造があり、RNAがその溝に巻き付いていた。たんぱく質同士やたんぱく質とRNAとの結合の方法、らせんの大きさなども分かった。実際のウイルスは今回の核となる構造に、脂質の膜が付いている。今までは核となる部分がらせん状の構造であることは知られていたが、解像度が低く詳細な構造は分かっていなかった。タンパク質同士やRNAとの結合を阻害し、ウイルスの増殖を防げるとみられる。
今後はウイルス全体の構造を解析することで、さらに治療薬の標的となる部分を探索する。また構造データはインターネット上で公開し、治療薬の開発につなげる。
◆クライオ(極低温)電子顕微鏡
低温電子顕微鏡法(Cryo-electron microscopy (cryo-EM)、クライオ電子顕微鏡法)は透過型電子顕微鏡法の一種で、試料を低温(多くの場合液体窒素の温度)において解析する手法である。構造生物学や細胞生物学の分野において用いられる。
生物学におけるクライオ電子顕微鏡法では、試料を染色せず、凍結することで「固定」して試料を観察する。このため、通常の染色や化学固定をして試料を作製する電子顕微鏡法と比べると、より生体内に近い試料の構造を観察出来ると考えられる。
電子顕微鏡のデータ収集や解析の方法により大きく、
(1)単粒子解析法 (single particle analysis)
(2) トモグラフィー
(3) 二次元結晶
(4) 三次元微小結晶 (micro electron diffraction)
に分けることが出来る。特に(1)単粒子解析法は結晶化の困難なタンパク質についても近原子分解能での解析が可能となっており、ウイルス、リボソーム、ミトコンドリア、イオンチャネル、酵素複合体などの構造が得られている。また、3 A以上の解像度を持つ解析も行われており、クライオ電子顕微鏡は従来のX線結晶構造解析法と同様の、あるいはそれを上回る性能を持つまでに至っている。
因みに、開発者は2017年にノーベル化学賞を受賞している。
「溶液中で生体分子を高分解能構造測定するための低温電子顕微鏡法の開発」、ジャック・ドゥボシェ、ヨアヒム・フランク、リチャード・ヘンダーソンの三名がノーベル化学賞を受賞した。
◆エボラウイルス、エボラウイルス病
エボラウイルス病は、ウイルス解析によりザイールエボラウイルスによることが確認された。エボラウイルスはこれまで1976年に初めてその存在が確認されて以来、中央アフリカで流行してきたウイルスである。
エボラウイルスは、マイナス1本鎖RNAをウイルス遺伝子として持ち、フィロウイルス科エボラウイルス属に分類される。フィロウイルス科には他にマールブルグウイルス属があり、マールブルグウイルスの1種だけが知られているが、エボラウイルス属の場合、これまで5種類の存在が知られている。
ザイールエボラウイルス(Zaire ebolavirus)、スーダンエボラウイルス(Sudan ebolavirus)、ブンディブギョエボラウイルス(Bundibugyo ebolavirus)によるエボラウイルス病はアフリカ中央部で流行してきたが、主にザイールエボラウイルスとスーダンエボラウイルスが流行の原因ウイルスとなっている。ブンディブギョエボラウイルスは2007年にウガンダでの流行時に初めて新規エボラウイルスとして確認された。ザイール、スーダン、ブンディブギョエボラウイルスによる流行では、致命率がそれぞれ80~90%、約50%、約30%である。
今日も朝から秋晴れ。気温は、最高気温21℃とか。晴れたので、放射冷却で最低気温が10℃以下・・寒くなって来る。
塀から枝を出し、赤い小さな実が見える。”ウメモドキ”の実だ。葉はまだ落ちていない。これから、鳥に食べられる。
”ウメモドキ”は雌雄異株なので、実が付いているのが雌株。名(ウメモドキ)の由来は、梅の木に葉が似ている・枝ぶりが似ている・花の形が似ている、などからと言う。
因みに、ウメ(梅)はバラ科でウメモドキ(梅擬)はモチノキ科。
ウメモドキ(梅擬)
モチノキ科モチノキ属
落葉小高木(丈は2m~3m)、雌雄異株
開花時期は5月~7月
花は小さく(径3mm位)、花色は白~淡紫色
葉の付根に雄花は多数、雌花は2~4個
雌株は実を付け、9月頃より赤く熟す
ウメモドキは赤い実を付けるが、白・黄・黒色の実もある
白色の実:シロウメモドキ
黄色の実:キミノウメモドキ
黒色の実:クロウメモドキ




エボラウイルスによるエボラ出血熱は確立された治療法がなく、致死率は90%に達する。2013年から2016年にかけて西アフリカを中心に1万1000人を超える死者を出し、欧米にも感染が広がった。
エボラウイルスは感染すると細胞内で増殖し、細胞を破って外に出て広がる。ウイルスの核となる部分は、タンパク質がらせん状につながった構造と、遺伝情報を伝えるリボ核酸(RNA)でできている。
研究グループは、極低温でたんぱく質などを観察する「クライオ(極低温)電子顕微鏡」を使って核となる部分を解析した。らせん状に連なったタンパク質の外側に溝のような構造があり、RNAがその溝に巻き付いていた。たんぱく質同士やたんぱく質とRNAとの結合の方法、らせんの大きさなども分かった。実際のウイルスは今回の核となる構造に、脂質の膜が付いている。今までは核となる部分がらせん状の構造であることは知られていたが、解像度が低く詳細な構造は分かっていなかった。タンパク質同士やRNAとの結合を阻害し、ウイルスの増殖を防げるとみられる。
今後はウイルス全体の構造を解析することで、さらに治療薬の標的となる部分を探索する。また構造データはインターネット上で公開し、治療薬の開発につなげる。
◆クライオ(極低温)電子顕微鏡
低温電子顕微鏡法(Cryo-electron microscopy (cryo-EM)、クライオ電子顕微鏡法)は透過型電子顕微鏡法の一種で、試料を低温(多くの場合液体窒素の温度)において解析する手法である。構造生物学や細胞生物学の分野において用いられる。
生物学におけるクライオ電子顕微鏡法では、試料を染色せず、凍結することで「固定」して試料を観察する。このため、通常の染色や化学固定をして試料を作製する電子顕微鏡法と比べると、より生体内に近い試料の構造を観察出来ると考えられる。
電子顕微鏡のデータ収集や解析の方法により大きく、
(1)単粒子解析法 (single particle analysis)
(2) トモグラフィー
(3) 二次元結晶
(4) 三次元微小結晶 (micro electron diffraction)
に分けることが出来る。特に(1)単粒子解析法は結晶化の困難なタンパク質についても近原子分解能での解析が可能となっており、ウイルス、リボソーム、ミトコンドリア、イオンチャネル、酵素複合体などの構造が得られている。また、3 A以上の解像度を持つ解析も行われており、クライオ電子顕微鏡は従来のX線結晶構造解析法と同様の、あるいはそれを上回る性能を持つまでに至っている。
因みに、開発者は2017年にノーベル化学賞を受賞している。
「溶液中で生体分子を高分解能構造測定するための低温電子顕微鏡法の開発」、ジャック・ドゥボシェ、ヨアヒム・フランク、リチャード・ヘンダーソンの三名がノーベル化学賞を受賞した。
◆エボラウイルス、エボラウイルス病
エボラウイルス病は、ウイルス解析によりザイールエボラウイルスによることが確認された。エボラウイルスはこれまで1976年に初めてその存在が確認されて以来、中央アフリカで流行してきたウイルスである。
エボラウイルスは、マイナス1本鎖RNAをウイルス遺伝子として持ち、フィロウイルス科エボラウイルス属に分類される。フィロウイルス科には他にマールブルグウイルス属があり、マールブルグウイルスの1種だけが知られているが、エボラウイルス属の場合、これまで5種類の存在が知られている。
ザイールエボラウイルス(Zaire ebolavirus)、スーダンエボラウイルス(Sudan ebolavirus)、ブンディブギョエボラウイルス(Bundibugyo ebolavirus)によるエボラウイルス病はアフリカ中央部で流行してきたが、主にザイールエボラウイルスとスーダンエボラウイルスが流行の原因ウイルスとなっている。ブンディブギョエボラウイルスは2007年にウガンダでの流行時に初めて新規エボラウイルスとして確認された。ザイール、スーダン、ブンディブギョエボラウイルスによる流行では、致命率がそれぞれ80~90%、約50%、約30%である。
今日も朝から秋晴れ。気温は、最高気温21℃とか。晴れたので、放射冷却で最低気温が10℃以下・・寒くなって来る。
塀から枝を出し、赤い小さな実が見える。”ウメモドキ”の実だ。葉はまだ落ちていない。これから、鳥に食べられる。
”ウメモドキ”は雌雄異株なので、実が付いているのが雌株。名(ウメモドキ)の由来は、梅の木に葉が似ている・枝ぶりが似ている・花の形が似ている、などからと言う。
因みに、ウメ(梅)はバラ科でウメモドキ(梅擬)はモチノキ科。
ウメモドキ(梅擬)
モチノキ科モチノキ属
落葉小高木(丈は2m~3m)、雌雄異株
開花時期は5月~7月
花は小さく(径3mm位)、花色は白~淡紫色
葉の付根に雄花は多数、雌花は2~4個
雌株は実を付け、9月頃より赤く熟す
ウメモドキは赤い実を付けるが、白・黄・黒色の実もある
白色の実:シロウメモドキ
黄色の実:キミノウメモドキ
黒色の実:クロウメモドキ





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