北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科物質化学領域の谷池俊明准教授、西村俊准教授らは北海道大学の髙橋啓介准教授、熊本大学の大山順也准教授らと共同で、ハイスループット実験、材料ビッグデータ、データ科学を基盤とした触媒インフォマティクスを実現することに成功した。本成果は、2019年12月25日(米国東部時間)にACS Publications発行「ACS Catalysis」のオンライン版に掲載。
ポイント
〇ハイスループット触媒評価装置による材料ビッグデータの取得
〇データ科学に立脚した触媒とプロセスの同時設計
近年、自然科学においても人工知能(AI:artificial intelligence)という言葉が頻繁に聞かれるようになった。特に、機械学習などのデータ科学的な方法論を駆使し、材料科学の研究開発を飛躍的に加速せんとする試みをマテリアルズインフォマティクス(MI:Materials Informatics)と呼ぶ。
研究グループは、MIを触媒開発に利用することを試み、メタンの酸化カップリング反応(OCM)において、日に4000点もの触媒データを自動取得可能なハイスループット触媒評価装置を設計し、これを用いて過去30年で蓄積されたデータ数を一桁上回る12000点ものデータをわずか3日で取得することに成功した。さらに、得られた触媒ビッグデータを機械学習などによって分析し、その結果に基づいて固体触媒や反応プロセスを通してOCMの反応収率を大きく改善することに成功した。
MIは概念的な意味ではよく研究されてきたが、これが真に材料科学に革新をもたらすか否かは、質・規模ともに十分な材料データが用意できるかどうかにかかっていた。これまで研究者らが科学論文という形で積み上げてきたデータは、研究者の実験方法や興味を強く反映しており、また、性能の低い材料データを含まず、機械学習には不向きであった。ハイスループット実験によってこの問題を突破し、30年の研究が、実働1ヵ月に満たない短期間で実施できることを実証した。
今後、同様な方法論がさまざまな材料分野における研究開発を飛躍的に加速させ、人類社会の持続的な発展に大きく貢献する材料を次々と生み出していく時代が来ると期待している。
◆用語解説
〇メタンの酸化カップリング反応(OCM)
普遍的に存在するメタンはそのままでは化学的な有用性が低く、これを触媒によって別の有用化合物へ変換することが望ましい。メタンの酸化的カップリングとは、メタンと酸素分子の反応を通してエタンやエチレンを直接合成する高難度反応である。
〇ハイスループット触媒評価装置
実験の回転速度をスループットと呼ぶ。ハイスループット実験装置とは高度な並列化や自動化によってスループットを劇的に改善する装置を指す。
朝から晴れた。気温は上がらず、寒い。
小さな花壇を区切る様に塀で囲まれている。その中に、黄色の花が咲いている。霜にも雪にも負けずに咲いている。”キンセンカ”だ。この花を見ると、チョット寒さを忘れる。
主な開花期は春~初夏だが、暖冬だから咲いたのかな。
名(キンセンカ:金盞花)の由来は、花の姿が「金の盃」からと言う。因みに、矮性種に雪が残る早春に咲く”冬しらず”がある。
キンセンカ(金盞花)
別名:カレンデュラ
(Calendula)
ポット・マリーゴールド
キク科カレンデュラ属
一年草、半耐寒性
南ヨーロッパ原産、江戸末期に中国から渡来
主な開花時期期は3月~6月
花は径4cm~12cm
花色は黄・橙色など
ポイント
〇ハイスループット触媒評価装置による材料ビッグデータの取得
〇データ科学に立脚した触媒とプロセスの同時設計
近年、自然科学においても人工知能(AI:artificial intelligence)という言葉が頻繁に聞かれるようになった。特に、機械学習などのデータ科学的な方法論を駆使し、材料科学の研究開発を飛躍的に加速せんとする試みをマテリアルズインフォマティクス(MI:Materials Informatics)と呼ぶ。
研究グループは、MIを触媒開発に利用することを試み、メタンの酸化カップリング反応(OCM)において、日に4000点もの触媒データを自動取得可能なハイスループット触媒評価装置を設計し、これを用いて過去30年で蓄積されたデータ数を一桁上回る12000点ものデータをわずか3日で取得することに成功した。さらに、得られた触媒ビッグデータを機械学習などによって分析し、その結果に基づいて固体触媒や反応プロセスを通してOCMの反応収率を大きく改善することに成功した。
MIは概念的な意味ではよく研究されてきたが、これが真に材料科学に革新をもたらすか否かは、質・規模ともに十分な材料データが用意できるかどうかにかかっていた。これまで研究者らが科学論文という形で積み上げてきたデータは、研究者の実験方法や興味を強く反映しており、また、性能の低い材料データを含まず、機械学習には不向きであった。ハイスループット実験によってこの問題を突破し、30年の研究が、実働1ヵ月に満たない短期間で実施できることを実証した。
今後、同様な方法論がさまざまな材料分野における研究開発を飛躍的に加速させ、人類社会の持続的な発展に大きく貢献する材料を次々と生み出していく時代が来ると期待している。
◆用語解説
〇メタンの酸化カップリング反応(OCM)
普遍的に存在するメタンはそのままでは化学的な有用性が低く、これを触媒によって別の有用化合物へ変換することが望ましい。メタンの酸化的カップリングとは、メタンと酸素分子の反応を通してエタンやエチレンを直接合成する高難度反応である。
〇ハイスループット触媒評価装置
実験の回転速度をスループットと呼ぶ。ハイスループット実験装置とは高度な並列化や自動化によってスループットを劇的に改善する装置を指す。
朝から晴れた。気温は上がらず、寒い。
小さな花壇を区切る様に塀で囲まれている。その中に、黄色の花が咲いている。霜にも雪にも負けずに咲いている。”キンセンカ”だ。この花を見ると、チョット寒さを忘れる。
主な開花期は春~初夏だが、暖冬だから咲いたのかな。
名(キンセンカ:金盞花)の由来は、花の姿が「金の盃」からと言う。因みに、矮性種に雪が残る早春に咲く”冬しらず”がある。
キンセンカ(金盞花)
別名:カレンデュラ
(Calendula)
ポット・マリーゴールド
キク科カレンデュラ属
一年草、半耐寒性
南ヨーロッパ原産、江戸末期に中国から渡来
主な開花時期期は3月~6月
花は径4cm~12cm
花色は黄・橙色など
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