歩けば楽し

楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

骨の質や健康度を超音波で測る装置を開発

2019-07-12 | 健康・病気
 大阪大学中野貴由教授と石本卓也准教授らは古野電気と協力し、骨の質や健康度を超音波で測る装置を開発した(6月17日)。骨に含まれるアパタイト粒子がどの方向に、どれだけ並んでいるかを調べる。アパタイトの量である骨密度を測る検査と組み合わせれば、骨の状態をより詳しく調べられる。骨粗しょう症などの診断に役立つ技術として、5年以内の実用化を目指す。 骨の主成分はリン酸カルシウムの一種のアパタイトとコラーゲン線維である。力を加える向きにより強度が異なる。骨ではそれぞれ強度が高い方向を一致させた複合体を作る。アパタイトの配向性は骨密度と並び強度への影響が大きい。
 新装置は病院で使うエコー検査装置と同程度の大きさ。骨のすぐ上の皮膚に押し当てた測定部の端から超音波を出す。骨の中を伝わった超音波を、もう一方の端にある複数の検出器で受ける。人の脛(けい)骨を測り、配向性から健康度が分かると確かめた。
 ◆骨の強さは、骨密度と骨質
 骨粗しょう症の定義は、骨強度が低下し、骨折しやすくなる骨の病気とされる。「骨強度」には骨密度が70%、「骨質(こつしつ)」が30%関係している。
 人によって骨質に違いがあり、骨の微細構造・骨代謝回転の速さ・微小骨折の有無・石灰化の密度により示される。
 骨の強さに影響するコラーゲン架橋
 骨の体積の50%は、コラーゲンである。骨を鉄筋コンクリートの建物とすると、カルシウムはコンクリートで、コラーゲンはコンクリート内に埋まっている鉄筋となる。鉄筋(コラーゲン)の強さを左右するのは、鉄筋同士をつなぎとめるコラーゲン架橋で、これはいわば梁(はり)の役目をして、建物全体の強さにまで影響を及ぼしている。 さらに、このコラーゲン架橋には「善玉架橋」と「悪玉架橋」があり、悪玉架橋が増加すると、コラーゲン同士のつなぎとめが弱くなり、しなやかさが失われ、硬くてももろい、折れやすい状態となる。悪玉架橋は加齢とともに増え、糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病によっても増える。

 朝は雨、とても強い雨。10時ごろには止み、曇り空となる。
 畑では”カボチャ”が花を咲かせ、実が付いている。この”カボチャ”はひょうたん形の小型南瓜で、”バターナッツ”と呼ばれている。長径10~15cm、重さ1Kgほどで、果皮は黄褐色でツヤがある。果肉は濃黄色。
 ”カボチャ”の名は、「カンボジア」を意味する Camboja (カンボジャ)の転訛からとされる。これは、東洋カボチャ(日本カボチャなど)は、天文10年(1542年)に日本(豊後国)にポルトガル人がカンボジアから持ち込んだからとの事。西洋カボチャは江戸期(1863年)に導入された。漢字表記「南瓜」は、南蛮渡来の瓜からである。
 現在、主に栽培されているのは、
  西洋種:Cucurbita maxima ・・現在の主流
  東洋種:Cucurbita moschata ・・極早生の小型品種で収量が多い
  ペポ種:Cucurbita pepo ・・果実の形や食味が変わったのがある
 余談。”カボチャ”を食べすぎると肌が黄色くなることがある。この黄色は、カボチャの色素が汗腺から排出されただけであり、人体に害はないと言う・・食糧難時代の話かな。
 カボチャ(南瓜)
   畑のカボチャは、モスカータ種の”バターナッツ”
 ウリ科カボチャ属
 原産地は南北アメリカ大陸
 メキシコの洞窟で、紀元前7000~5500年の地層から種が発見されている
 現在、主に栽培されているのは、
  西洋カボチャ:Cucurbita maxima 原産地:南米寒冷地
  日本カボチャ:Cucurbita moschata 原産地:中米熱帯地域
  ペポカボチャ:Cucurbita pepo  原産地:北米南部乾燥地
 開花時期は7月~10月


同種と異種の花粉を区別する分子を発見

2019-07-11 | 生物
 東京大学大学院農学生命科学研究科藤井壮太助教(兼任JSTさきがけ研究者)と高山誠司教授らの研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナから異種の花粉を積極的に排除する雌しべ因子をコードする遺伝子Stigmatic Privacy 1(SPRⅠ1)を発見し、その機能を解析した。
 SPRⅠ1遺伝子を欠損した変異株では、通常排除されるはずの異種の花粉が侵入するようになった。SPRⅠ1タンパク質は雌しべの先端で花粉を受け取る部分である柱頭の細胞膜に局在して異種と自種の花粉を識別し、異種のみを排除するメカニズムに関わることを明らかにした。SPRⅠ1遺伝子を欠損した株では異種の花粉の侵入により正常な受精が阻害されることから、SPRⅠ1タンパク質は異種の花粉が混在する野外環境下での種間のせめぎあいにおいて重要な役割を果たすと考えられる。種の壁を司るSPRⅠ1タンパク質を人為的に制御することで種間交雑が容易になり、より広範な地球環境に適応する作物の開発が可能になると期待される。本研究成果は植物生物学分野で最も権威が高い「Nature Plants」誌に掲載される。
 種と種の間には生殖障壁がある。特に精細胞と卵細胞が受精する前に起こる種間の不和合性は受精前障壁と呼ばれており、有限の資源を好ましくない子孫に分配することを避けるメカニズムであると考えられてきた。しかし、受精前障壁のメカニズムについてはほとんど未解明だった。
 本研究グループはモデル植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)とアブラナ科の近縁植物種を用いて異種間の交雑試験を行い、同種と異種の花粉を識別するメカニズムの解明を目指した。多くの系統間で種間交雑実験を試したところ、マルコルミア・リットレア(Malcolmia littorea)というアブラナ科植物種の花粉がシロイヌナズナのある系統(Col-0)では排除されるのに対し、別の系統(Cvi-0)では雌しべ内に侵入することを発見した。そこでシロイヌナズナの338種類の野生系統の全ゲノム配列情報を利用し、ゲノムワイド関連解析という統計手法を用いてM.littoreaの花粉の排除能力を決定する原因遺伝子座を探索した。その結果、第4染色体上の単一の遺伝子座が排除能力に大きく寄与することを見いだした。この染色体領域内で雌しべにおいて発現する候補原因遺伝子を破壊した系統では、野生型のCol-0では排除されるはずのM.littoreaの花粉が、雌しべの内部にまで侵入することが明らかになった。この原因遺伝子は雌しべの先端で花粉を受け取る部分である柱頭(Stigma)で「種」の壁として機能すると考えられ、この機能は他者からの侵害を受けない権利(プライバシー)に通じることから、この原因遺伝子をStigmatic Privacy 1(SPRⅠ1)と命名した。SPRⅠ1タンパク質は、雌しべの柱頭でのみ機能し、細胞膜を4回貫通する領域を持つことが示唆された。
 半数近くの植物種は、同種内でも自己の花粉とは受精せず、非自己のみと受精して子孫を残す自家不和合性という性質を持っていることが知られている。自家不和合種の雌しべは自己の花粉で受精する自家和合種の花粉は受け入れないが、自家和合種は自家不和合種の花粉を受け入れる「種の一側性不和合性」という現象が1940年代から知られていた。このことは自家和合種においては異種の花粉を排除する能力が失われる傾向にあることを意味しているが、それを説明できる分子は明らかにされていなかった。
 本研究ではDNA配列解析によりシロイヌナズナの進化の過程で少なくとも6回SPRⅠ1遺伝子の機能が失われたことを明らかにした。これはシロイヌナズナが自家和合性の獲得によってSPRⅠ1の機能を維持する理由がなくなったことに起因すると考えられた。本研究によりこれまで合理的な説明がなされてこなかった種間の一側性不和合性を分子レベルで説明できるようになった。また、ゲノム編集法を用いた解析により、SPRⅠ1タンパク質は自家不和合性を引き起こす分子メカニズムとは完全に独立した働きを持つことも示した。
 さらにSPRⅠ1タンパク質はM.littoreaのみならず、多様な種の花粉の排除に関わることを明らかにした。SPRⅠ1タンパク質の機能を破壊した系統に、自種の花粉を受粉させるより前に異種の花粉を受粉しておくと著しく受精効率が下がることが明らかとなった。動けない植物は昆虫や風などの媒介によって受粉するため、雌しべにはさまざまな花粉が運搬されてくる可能性がある。SPRⅠ1タンパク質は異種の花粉が混在する野外環境下での種間のせめぎあいにおいて重要な役割を果たしていると考えられる。
 精細胞と卵細胞の受精に関わる因子として哺乳類ではZP2、CD9、JUNO-ⅠZUMO1、植物ではGCS1、LURE-PRK6などが知られている。同種間ではこれらの雌雄タンパク質の相性が適合していることで受精が成功し、異種間では相性が悪いため受精が失敗することが報告されている。一方で、雌しべが好ましくない花粉を積極的に排除するのがSPRⅠ1タンパク質の働きである。
 本研究によって、これまで知られているものとはまったく異なる分子メカニズムで配偶子を選択する仕組みを植物(シロイヌナズナ)が備えていることが初めて明らかになった。
 ◆用語解説
 〇生殖障壁
 異なる種の間で、雌雄の配偶子の間に不適合があり、次世代を残すことができなくなるメカニズムの総称。
 〇ゲノムワイド関連解析
 ある集団において、個体間の形質の違いとDNA配列の違いとの関わりを全ゲノム配列にわたって統計的に検出する解析手法。
 〇原因遺伝子座
 染色体上で、個体間の形質の違いの原因となる遺伝子が座乗する部位。
 〇自家不和合性
 植物が自己の花粉と集団内の非自己の花粉を識別して、非自己のみと受精し子孫を作る性質。近親交配による有害な遺伝子の集積を回避し、集団内の遺伝的多様性を保つ効果があると考えられている。アブラナ科ではSP11という花粉タンパク質とSRKという雌しべタンパク質が自分自身のタイプのみと直接的に相互作用することで自己拒絶反応が起こる。
 〇種の一側性不和合性
 自家不和合性種の雌しべは自家和合性種の花粉を排除するが、その逆は受け入れられるという現象。この現象はアブラナ科を含む広範な植物種で見られることが報告されている。

 今日は曇り、空は明るく、時々太陽が顔をだす。
 街路の”マサキ”の花が満開だ。花は小さく灰緑色で目立たない。沢山咲いていると白いベールを被った様に見える。花を見るのが久しぶりだ、・・開花期間が短いからかな。
 果実は秋に熟し、裂開して橙赤色の仮種皮におおわれた種子が見え、これがとても可愛い、秋が楽しみだ。
 名(マサキ)の由来は、何時も緑の常緑樹”マサオキ(真青木)”から”マサキ”となったと言う。刈込みに強く、密生し、大気汚染や潮風にも比較的強いので生垣・庭木などに使われる。
 マサキ(柾、正木)
 ニシキギ科ニシキギ属
 原産地は極東アジアの日本・朝鮮・中国
 耐寒性の常緑低木
 開花時期は6月~7月
 花は数mm程の4弁花、花色は淡緑白色
 果実は朔果で、径5~8mm程の球形
 熟すると果実は3~4つに割れ、赤橙色の仮種皮に包まれた種子が見える


小学6年生の将来就きたい職業、1位は男子が「スポーツ選手」・女子は「教員」

2019-07-10 | 受験・学校
 ランドセル素材メーカーのクラレは、小学校を今春卒業した6年生1,376人に将来なりたい職業を尋ねたアンケート結果を発表した(7月9日)。1位は、男子が「スポーツ選手」、女子は「教員」で前年の3位から2つ順位を上げた。親の「就かせたい職業」は、男子の親は公務員、女子の親は看護師。
 調査対象:2019年3月に小学校を卒業した子どもとその親
 調査方法:使い終わったランドセルをアフガニスタンの子どもに贈る当社の社会貢献活動「ランドセルは海を越えて」キャンペーンにご協力いただいた方にアンケートを実施(2019年1月14日~3月中旬)
 有効回答:男の子とその親:各640名 女の子とその親:各736名
 ◆小学6年生の「将来就きたい職業」 順位の( )内は昨年順位
  男の子(n=640)     女の子(n=736)
  位  職業     %  位  職業    %
 1(1) スポーツ選手 18.0  1(3) 教員    6.9
 2(5) 研究者    7.2  2(3) 保育士   6.7
 3(6) 医師     5.2  3(2) 看護師   6.4
 4(4) ゲームクリエイター 4.7  4(3)パティシエ・パン屋  5.4
 4(2) エンジニア  4.7  5(14) 美容師   4.8
 6(16) 大工・職人  3.9   6(8)漫画家・イラストレーター 4.6
 ◆男の子の保護者 (n=640)
 順位  職業   %
 1(1) 公務員  13.1
 2(3) 会社員   8.1
 3(4) 研究者   7.3
 4(2) エンジニア 6.9
 5(7) スポーツ選手 6.6
 5(6) 医師    6.6
 ◆女の子の保護者 (n=736)
 順位  職業   %
 1(1) 看護師   12.5
 2(4) 医療機関  7.5
 3(5) 薬剤師   7.2
 4(7) 保育士   6.1
 4(2) 公務員   6.1

 今日の天気は、晴れ~曇り。風も穏やか。
 昨日は曇り、今日も曇り、雨は降らない。雨の影響が少ないので、午前に”ジャガイモ”掘りをした。”ジャガイモ”は春に10個を植えた。今日掘ったのは、半分・・まだ茎や葉が枯れていなかったから。
 ”ジャガイモ”の種類は、「ピルカ」。1つのイモから2~3本の茎をだし、1茎から数個のお芋がとれた。
 ◆ピルカ
 情報公開日:2010年6月28日  農研機構・北海道農業研究センター
 ばれいしょ新品種「ピルカ」
 水煮適性が優れる多収の青果用ばれいしょ新品種
 ポイント
  皮がむきやすく、煮くずれが少ないので、水煮料理に向き、特に家庭での調理に最適。
  食味は「男爵薯」と同じくらいの美味しさ。
  ばれいしょの主要品種「男爵薯」や「メークイン」に比べて収量が多い上、ジャガイモシストセンチュウに対する抵抗性を持っている。


噴出する水蒸気を推進力にする超小型人工衛星を開発

2019-07-09 | 科学・技術
 新聞(7月7日)の記事に、「水蒸気で動く小型衛星 東大など、宇宙ステーションで実験へ」とあった。
 東京大学の小泉宏之准教授らの研究チームは、噴出する水蒸気を推進力にする超小型人工衛星を開発した。危険な燃料を使わず小型化しやすい特色がある。2019年度中にも国際宇宙ステーション(ISS)に運んで実際の宇宙空間で性能を確かめる計画だ。
 重さ約1Kg、10cm角のサイコロ型の水推進エンジンを搭載する。真空状態で水を蒸発させ、エンジンの一端に開けた穴から噴出する。内部を真空にできる装置を使った地上での実験で、移動に必要な推進力が得られることを確認した。通信や制御装置などを合わせた人工衛星の重さは約4Kg。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の無人補給機「こうのとり」でISSの日本の実験棟「きぼう」に運び、宇宙へ放出する予定だ。推進装置を備えた従来の超小型衛星は高圧ガスや燃料を使う場合が多く、簡単に小型化できなかった。また安全性の観点からISSへの持ち込みが難しかった。
 「水を推進剤に使う超小型衛星用エンジン」については、2019年6月13日に発表されている。
 東京大学大学院新領域創成科学研究科の小泉宏之准教授や浅川純特任助教らは、水を推進剤とする超小型衛星用エンジンを搭載した実証衛星「AQT-D」を開発した。同エンジンは水を真空で蒸発させ発生した水蒸気を高速で排出することで推力を得る。衛星の軌道や向きをエンジンで修正し地球への落下までの時間を延ばすことで、地球周回軌道上にある超小型衛星の利用時間を長期化できると期待される。
 同衛星は国際宇宙ステーション(ISS)用物資補給船「こうのとり」8号機に格納し、2019年度中をめどに大型ロケット「H2B」で打ち上げられる。衛星はISS日本実験棟「きぼう」に運ばれた後、宇宙飛行士が操作するロボットアームとエアロックによって宇宙空間に放出される。その後エンジンの宇宙実証実験を行う予定だ
 「きぼう」からは既に、200機を超える超小型衛星が放出されたが、安全性の観点から燃料や高圧タンクが必要な推進装置を持つ衛星をISSに持ち込むことは難しく、長期間運用できる衛星はほとんどなかった。

 此の所、曇り~雨の天気。今日も曇り、朝に霧雨があった。気温は、最高気温21℃位、夏の服装だと寒さを感じる・・寒い。
 道路脇で、”マメグンバイナズナ”の白い小さな花が咲いている。花はもう終わりで、実が付いている。実は丸く平らで先端が少し欠けてる形で、”ナズナ(別名:ペンペングサ)”の三角形(三味線のバチに似てる)と異なる。
 名(マメグンバイナズナ)の由来は、果実の形からで、果実は扁平で丸く、これを相撲の行司の持っている「軍配」にみたてた。
 マメグンバイナズナ(豆軍配薺)
 アブラナ科マメグンバイナズナ属
 越年草
 北アメリカ原産の帰化植物、明治時代の中期に渡来
 開花時期は5月~7月
 枝先に総状花序を出し、径3mm程の緑白色の4弁花を多数つける
 果実は扁平な円形(径数mm)で、先端が少し欠けてる形
 果実は中央で仕切られ左右に、種子が1個ずつ入る。


晴れた、お薬師さんの手づくり市に

2019-07-08 | まち歩き
 今日は久しぶりに曇り、雨は降らない。気温も最高気温21℃ほどと過ぎしやすい、風も穏やか。数日前、数日後は曇り~雨なので、今日の天気は貴重だ。
 朝から晴れたので、毎月8日に行われる「お薬師さんの手づくり市」に行ってきた。
 「お薬師さん」とは、
 聖武天皇の発願によって建立された国分寺の1つで、奈良時代の740年代頃に創建された。平安時代まで陸奥国の財政的支持を受けて大伽藍を維持したが、室町時代には著しく衰微した。17世紀初めに伊達政宗により再興され、1607年に再建された薬師堂を中心に25坊を擁する大寺院として栄えた。明治時代に僧坊は1つを残して廃絶したが、薬師堂をはじめとする中心堂宇は維持された。
 薬師堂は国の重要文化財に、古代の寺院跡は国の史跡に指定されている。
 縁日大護摩祈祷が行われる日に、旧境内に市が立つ。
 これが「お薬師さんの手づくり市」。自分で材料を仕入れて育てたもの、加工したものに限り、プロ・アマを問わず出展出来る(事前審査有り)。お店を持たない新進の工芸家や、もっと広くお店や作品をアピールしたい職人達が、お薬師さまの前に集って、お互いに情報交換したり、地域の人々と交流を深めたり出来る市。
 市の始まりは10時から。9時半頃に着いたので、人出はまだ多くない。10時頃からは、人出・人出となる。
 今日の買い物は、お米、無花果のお菓子、お味噌etc・・。


大阪府の百舌鳥・古市古墳群、世界遺産に登録決定

2019-07-07 | アート・文化
 アゼルバイジャンで開催中の国連教育科学文化機関ユネスコ(U.N.E.S.C.O.:United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization )の世界遺産委員会は、日本が推薦していた「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」を世界文化遺産に登録することを決めた(7月6日)。日本の世界文化遺産の登録は7年連続で19件目。世界自然遺産も含めた世界遺産は23件目となる。
 古墳群は、古墳時代の最盛期(4世紀後半~5世紀後半)に、当時の政治や文化の中心地の一つだった大阪府南部地域に築かれた。構成資産は、墳墓としては世界最大級の全長486mを誇る前方後円墳の大山(だいせん)古墳(仁徳天皇陵)など百舌鳥地域(堺市)の23基、全長425mの誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳(応神天皇陵)など古市地域(羽曳野市、藤井寺市)の26基の計49基。古墳群は大陸と結ぶ航路の発着地だった大阪湾に接する平野上に築造されており、内外に王権の強大さを誇示する狙いもあったとみられる。
 49基のうち29基は歴代の天皇や皇后らの墓として宮内庁が管理する「陵墓」で、一般人の立ち入りが禁じられ、学術的な調査も制限されている。政府の推薦書で、大山古墳は「仁徳天皇陵古墳」、誉田御廟山古墳は「応神天皇陵古墳」などとなっているが、被葬者が学術的に確定していないとして、考古学や歴史学の専門家からは、地名に基づく名称で呼ぶべきだという指摘がある。
 古墳群を巡っては、世界遺産の登録の可否を事前に審査するユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が今年5月、「傑出した古墳時代の埋葬の伝統と社会政治的構造を証明し、普遍的な価値がある」として「登録が適当」と勧告した。
 来年は、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)の登録の可否が審査される予定。
 ◇百舌鳥・古市古墳群
 堺市の百舌鳥古墳群と、大阪府羽曳野市、同府藤井寺市の古市古墳群で構成される。4世紀後半~6世紀前半に造られた前方後円墳や円墳、方墳など大小さまざまな古墳89基が現存する。世界文化遺産候補の構成資産としては、5世紀後半までの保存状態の良い49基が選ばれた。
 ◆日本の世界遺産リスト(日本ユネスコ協会連盟)
 国内では以下の17件の文化遺産と4件の自然遺産合計22件が登録されている。
 1、知床  2、白神山地  3、平泉の文化遺産  4、日光の社寺
 5、小笠原諸島  6、白川郷・五箇山の合掌造り集落
 7、古都京都の文化財  8、古都奈良の文化財
 9、法隆寺地域の仏教建造物  10、紀伊山地の霊場と参詣道
 11、姫路城  12、原爆ドーム(広島の平和記念碑)  13、厳島神社
 14、石見銀山遺跡とその文化的景観  15、屋久島
 16、琉球王国のグスクおよび関連遺産群  17、富士山
 18、富岡製糸場  19、明治の産業革命遺産  20、国立西洋美術館
 21、宗像・沖ノ島  22、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
 世界では
 2018年7月時点で文化遺産845件、自然遺産209件、複合遺産38件の計1092件が登録されている。

 今日の天気は曇り、午前は雨が降りそうで降らなかった。午後は少し風が出てきた。
 塀から飛び出した”ナンテン”の枝に花が咲きだした。この花は、秋に果実となり、赤い実(白い実もある)となる。秋の赤い実だけでなく、紅葉も美しい。
 ”ナンテン(南天)”は「難転・・難を転ずる」「成天」から厄除けの縁起木(吉祥木)として植栽される。栽培の歴史は古く、江戸~明治時代に100種以上の園芸品種が作られたと言われ、現在でも40種ほどが栽培されている。果実の色は多くは赤色であるが、実色が黄白色のシロミナンテン、淡紫色のフジナンテン、橙色のウルミナンテンなどの園芸品種がある。
 ナンテン(南天)
 別名:南天燭(なんてんしょく)、南天竹(なんてんちく)
 メギ科ナンテン属
 半常緑性の低木
 原産地は中国、日本で自生しているが古くに渡来した種が野生化
 開花時期は6月~7月
 花色は白色、花径は数mm
 果実は径6mm~7mm位、秋頃から色ずく


キンギョの全ゲノム解読により脊椎動物の進化の謎に迫る

2019-07-06 | 生物
 大阪大学蛋白質研究所・分子発生学研究室の大森義裕招聘教授(当時准教授。現長浜バイオ大学教授)らの研究グループは、国立遺伝学研究所川上浩一教授、藤山秋佐夫特任教授、愛知県水産試験場内水面漁業研究所弥富指導所、および米国国立衛生研究所(NIH)Shawn Bargess上席研究員らと共同で、キンギョの全ゲノム配列を世界で初めて解読した。本研究成果は、米国科学誌「Science Advances」に、6月27日(日本時間)に公開された。
 研究成果のポイント
 1、キンギョの全ゲノム配列の解読に世界で初めて成功し、1400万年前に全ゲノム重複が起こったことや、この間に重複した遺伝子が淘汰や進化を遂げる様子が明らかとなった。
 2、キンギョは一般の魚類の約2倍の遺伝子を持ちゲノム構造が複雑で全ゲノム解読が困難であったが、新型のロングリード次世代DNAシーケンサーと雌性発生キンギョを用いたことで解読が可能となった。
 3、ヒトを含む脊椎動物の進化や「体の形づくり」の仕組みの解明、新たなキンギョ品種の作出、ヒト疾患の発症機構の解明への貢献が期待される。
 研究の背景と結果
 コイ科の魚であるキンギョは約千年前の中国、宋の時代に野生のフナから育種が始まり、主に東アジアにおいて数百年間にわたって品種改良が進められてきた。日本には室町時代に伝来し、江戸時代に盛んに品種改良がおこなわれ、デメキンやランチュウ、オランダ、シュブンキンなど数十種類の多様な品種が飼育されている。キンギョの体の形の多様性は19世紀のチャールズ・ダーウィンの時代に既に科学的な関心の対象となっており、彼の著書の中でもその多様性についての興味がつづられています。
 キンギョは私たちヒトを含む脊椎動物の仲間であり、その体の形づくりのメカニズムは共通する部分が多く、それに必要な遺伝子も共通していると考えられている。すなわち、キンギョの体の形づくりのメカニズムを研究することで、ヒトを含む脊椎動物の体の形づくりのメカニズムを解明できると期待され、ヒト疾患発症のメカニズムの理解にもつながる。このように、キンギョは研究の対象として興味が持たれていたが、多様性や体の形づくりに関わる遺伝子群の全貌を明らかにするためには、全ゲノム塩基配列情報が必要である。
 しかし、キンギョの染色体では異質4倍体化(全ゲノム重複)がおこっており、一般の魚類の約2倍の遺伝子を持つことから、ゲノム構造が複雑で全ゲノム解読はこれまで成功していない。私たちは、この問題を克服するために新型のロングリード次世代DNAシーケンサーを用いた。これまでのショートリード次世代DNAシーケンサーでは、100から200塩基程度の短いDNA配列を大量に解析し、それらをパズルを解くように繋ぎ合わせることで、全長18億塩基対に及ぶ全ゲノムの解読を進めることになる。このため配列不明の部分(ギャップ)が発生しやすいという欠点があった。今回用いた新型のロングリード次世代DNAシーケンサーでは旧型の100倍以上の長さのDNA塩基配列(1万から4万塩基)を一気に読み進めることができ、より正確なゲノム情報にもとづいて遺伝子地図を作製することができる。全ゲノム重複が起こっている複雑なキンギョゲノムを読み解くにはロングリード次世代DNAシーケンサーによる解読が威力を発揮した。
 もう一つの工夫は雌性発生キンギョを用いたことである。通常のキンギョは私たちヒトと同様に父母両方の対立遺伝子を受け継ぐが、キンギョの発生段階で特殊な処理をすることにより、母親由来の染色体からなるキンギョ(雌性発生キンギョ)を作製した。このキンギョでは多くの遺伝子が母親由来の遺伝子のみとなっている。また、今回の研究では野生のフナに近い体形を持つワキンというキンギョ品種を用いた。このことによりゲノム構造をシンプルにし、解読を容易にすることに成功した。
 これらの手法により、キンギョの祖先種のゲノムが約1400万年前に倍加(全ゲノム重複)したことや、倍加した遺伝子群の一部が進化の過程で淘汰されたり、新たな発現パターンを獲得したりする様子が明らかとなった。
 全遺伝子数が倍加する全ゲノム重複は、私たちヒトを含む脊椎動物の進化に重大な影響を与えたと考えられているが、約5億年前に起こったと考えられる現象なので、その後、重複した遺伝子がどのように進化して現在の私たち脊椎動物のゲノムを作り上げているかはよくわかっていない。キンギョのゲノム研究をすすめることで、全ゲノム重複後の遺伝子進化のメカニズムを明らかにする手掛かりが得られると考えられる。
 今回の研究で、キンギョの祖先種で1400万年前に全ゲノム重複が起こったことや、その後、倍加した遺伝子の12%が淘汰されて無くなっていること、また、重複している遺伝子の約30%が臓器で新たに発現するようになるなどの進化を遂げたことがわかった。また、遺伝子の淘汰や発現変化を受けやすい遺伝子の顔ぶれがより鮮明になってきた。遺伝子が失われる速度は、8000万年前に全ゲノム重複が起こったサケと比べて1.7倍速く、キンギョのゲノムが急速に遺伝子を失う進化過程にあることが明らかとなった。
 研究成果の意義
 本研究成果により、今後、キンギョ全ゲノム配列情報を使って進化の研究や、脊椎動物のかたちや色をつくるメカニズムの研究が加速することが予想される。キンギョは、私たちヒトを含む脊椎動物の多様性や体づくりのメカニズムについての研究を進める上で興味深い対象であるが、これまで全ゲノムが解読されていなかったため、遺伝子レベルでの正確な解析が困難であった。私たちは、今回のゲノム解読により、これらのメカニズムの解明へ向けて扉が開かれたと考えている。また、キンギョの品種にはヒトの病気と似た症状をもつものがあり、キンギョがヒトの病気の原因解明や診断・治療法の確立に役立つ可能性も期待される。
 現在、私たちは今回得られた全ゲノム配列のデータをもとに、デメキンやランチュウを含む様々なキンギョ品種のゲノム解析を行うことで脊椎動物の体の形をつくる遺伝子の探索をすすめている。また、新たなキンギョ品種の作出や病原菌に対する耐性などキンギョの品種改良にも貢献することが期待される。
 ◆用語説明
 〇ゲノム
 ひとつの生物の染色体1セットに含まれているすべての遺伝情報。例えば、ヒトのゲノムは約30億塩基対から成り約2万個の遺伝子を持っている。
 〇全ゲノム重複
 生物のゲノム全体が倍化する現象。同種のゲノムのコピーが倍加する同質倍数体と、進化的に近い異種の交雑によって起こる異質倍数体がある。動物や植物、菌類でも見られる。本来、全遺伝子数が数千から数万個の生物種の遺伝子数が倍加することで、適応の自由度が増し生物の多様性が生み出されると考えられている。倍加した遺伝子数は数千万年オーダーの時間をかけて徐々に減少し、もとの遺伝子数に戻ってゆく。この過程で重複した遺伝子の一部は機能獲得や機能分化することで進化する。脊椎動物では、過去に2回の全ゲノム重複を経験したと考えられており、これらの全ゲノム重複後の遺伝子進化が脊椎動物の進化の大きな原動力となっていると考えられている。
 〇ロングリード次世代DNAシーケンサー
 これまで主流であった、ショートリード次世代DNAシーケンサー(第2世代DNAシーケンサー;イルミナ社HiSeqシリーズなど)では、一度に100塩基から200塩基のDNA配列を大量に解析することで、ゲノム配列解析を行っていた。これに対し、新型のロングリード次世代DNAシーケンサー(第3世代DNAシーケンサー;PacificBiosciences社PacBio RS II など)では、一度に1万から4万塩基のDNA配列を解析できるので、ゲノムサイズの大きな生物のより正確なゲノム解析が可能である。
 〇雌性発生
 脊椎動物では、精子に含まれる父親由来の染色体と卵子に含まれる母親由来の染色体が、受精により合わさって一つの個体として発生する。一方で、紫外線などで父親由来の染色体を不活化した精子を用いて、受精させ、受精後に温度や圧力などの外的環境を変化させることで、母親由来の染色体のみから成る個体を得ることができる。こうして得られた個体が雌性発生個体であり、ゲノム配列の多様性が少ないため、ゲノム解析が容易となる。

 今日の天気は曇り、時々雨。早朝は小雨だったが、9時頃から止むが、時々小雨がパラつく。
 ”ヒメザクロ”に花が咲き、実も付きだした。花は朱紅色一重の小花。”ヒメザクロ”は、”ザクロ”を矮性化した園芸種である。この”ヒメザクロ”は樹高3mほどで、”ヒメザクロ”の樹高は1mほどと言われるよりかなり大きい。
 因みに、”ザクロ”の実は”リンゴ”ほどの大きさだが、”ヒメザクロ”の実は”ヒメリンゴ”と同じ大きさ。
 ”ザクロ(柘榴)は、果実が主目的で栽培されるが、”ヒメザクロ”は花を観賞するためにも栽培されたもので、中国で鉢植え用として作出された。”ザクロ”は「一実百花」で「花が百咲き漸く1果実る」との如くに、実が付き難い果樹とされている。
 日本には、江戸時代(18世紀初め)に渡来した。別名には、名残りなのか南京石榴(なんきんざくろ)、花柘榴(はなざくろ)がある。
 ヒメザクロ(姫柘榴)、流通名:プニカ
 別名:南京石榴(なんきんざくろ)、花柘榴(はなざくろ)
 ザクロ科(ミソハギ科)ザクロ属
 ザクロ(柘榴)は西南アジアを原産とする
 落葉小低木(耐寒性)
 樹高は60cm~120cm
 開花時期は6月~8月
 花色は紅、一重・八重がある
 八重咲きの”ヒメヤエザクロ”は結実しない


高い蓄熱密度と堅牢性の相変化蓄熱部材を開発

2019-07-05 | 科学・技術
 産業技術総合研究所磁性粉末冶金研究センターエントロピクス材料チーム藤田麻哉研究チーム長、中山博行主任研究員、杵鞭義明主任研究員は、高い蓄熱密度と堅牢性を両立させた二酸化バナジウム相変化蓄熱部材を開発した(3月1日発表)。この技術の詳細は、2019年3月24日~26日に工学院大学で開催されるセラミックス協会2019年年会で発表された。
 持続可能社会を目指す技術に省エネ・蓄エネがある。最近、利用されずに環境中に捨てられている熱(未利用熱)の効果的な回収・利用方法が、注目を集めている。特に、熱を溜めて必要な時に利用する蓄熱技術の進展が期待されている。中でも、固体から液体への変化などの相変化に伴う熱変化(潜熱)を蓄熱機能として利用する相変化型材料は、蓄熱密度が大きいので、開発が活発に行われてきた。また、潜熱発生中は、温度変化しない利点もあるので、激しい温度変化を嫌う電子機器などの熱対策として相変化型蓄熱材料が期待されてきた。しかし、従来の材料の多くは、氷-水やパラフィンなど、固体が融けて液体となる相変化を利用しており、液状化した材料を保持するための容器などからの熱損失があった。一方、固体中の電子の相変化を利用するため融けない材料もあり、体積あたりの熱変化がパラフィンなどに匹敵する二酸化バナジウムなどの物質も知られていた。しかし、これらの物質は、工業的な供給形態が粉末に限られ、部材として取り扱いにくかった。特に、二酸化バナジウムは焼結が困難で、加圧して強制的に固化すると結晶にひずみが生じて潜熱が減少し、樹脂やガラスなどをバインダーにして固形化すると、二酸化バナジウムの体積割合が大きく減少して蓄熱密度が下がるという問題を抱えていた。
 チームは、これまで固化成型が著しく困難であった二酸化バナジウムの焼結を容易にし、物質の相変化の潜熱により蓄熱機能を持ち、緻密で堅牢であり加工可能な二酸化バナジウムのバルク部材を実現した。融けて機能する従来型の潜熱蓄熱材と異なり、今回開発した部材を潜熱蓄熱材として用いると容器などに入れなくても形状を維持できるので、容器自体や容器との間の空隙などによる無駄な熱損失が無い。また、電気・機械部品に直接内蔵して熱・温度対策に利用したり、構造部材などに組み込んで未利用熱・自然熱を有効利用したりするために形状・形態を自在に選択できる。
 研究の内容
 酸化バナジウムの粉末を焼結する際に起こる、酸素とバナジウムの反応を調べて、得られた知見から、酸化バナジウム系以外の補助原料を添加しなくても焼結が著しく進行する出発粉末の調整方法を考案した(特許出願中)。この出発粉末の焼結によって、高い蓄熱密度と堅牢性を両立させた二酸化バナジウムを主成分とする相変化蓄熱部材が得られた。実験室の簡便な装置を用いても、大きなサイズ(直径50 mm×厚さ5 mm)の円盤形状のバルク部材が容易に得られた。この部材は、ビッカース硬度Hv 300以上、圧縮強度160 MPa以上の機械強度を示す。この値は、従来材(未調整二酸化バナジウム粉末の焼結体)に比べ格段に向上しており、部品加工用に調整されたセラミックス材(いわゆるマシナブルセラミックス)と同程度である。このため、切削などにより容易に任意の形状に加工できる。また、今回開発した二酸化バナジウム部材の蓄熱密度は、二酸化バナジウム粉末の潜熱由来の蓄熱密度(約250 J/cm3) の約95%であり、二酸化バナジウム粉末が持つ特性をほとんど維持したバルク部材であることを示している。これまでに、二酸化バナジウム粉末(相変化温度70℃付近)に3種類目の元素を添加することで、蓄熱動作温度域を決める相変化温度を、5℃以下から100℃近くまで調整できることが知られていたが、今回開発した技術は、3種類目の元素を添加した二酸化バナジウム粉末についても有効であり、蓄熱動作温度を制御した部材が作製できた。
 従来、0℃近傍の蓄熱材料は氷(蓄熱密度333 J/cm3)が代表例であり、またパラフィン系油脂類(蓄熱密度約150~200 J/cm3)では40℃~70℃の範囲での蓄熱用途に応用開発が進められてきた。これらは、蓄熱密度が大きいが、すべて相変化時に融解するので、形状を維持したり融解相が流れ出たりしないように容器などが必要であった。しかし、容器などは、対象物と蓄熱部材との間で熱移動する際の熱抵抗となり、蓄熱密度の減少や、蓄熱に要する時間に遅延が生じる。今回開発した蓄熱材料は、氷やパラフィンに比肩する蓄熱密度で、動作温度もこれら従来材の動作温度域をカバーできる。また、蓄熱能力を備えた部材に加工できるので、例えば熱交換器のフィン形状に加工して対象物と直接熱交換したり、電子機器の筐体(きょうたい)の一部を直接構成したりすることも考えられる。
 今後の予定
 今後は、今回開発した部材の熱伝導を評価するとともに、蓄熱温度域や蓄熱量など、利用目的に合わせて特性を調整できるように材料設計を進めていく。また、熱交換器などを模したモジュールを用いて動作試験を行う。さらに、将来的には電場、圧力などを加えることで能動的に蓄放熱できる動作を目指す。
 用語の説明
 ◆蓄熱
 外部の熱を物質の内部に蓄えることを蓄熱と呼ぶ。温まりにくく、あるいは冷めにくい物質は蓄熱材料として使える可能性があるが、これは大きく分けて、物質自体の温まりやすさや冷えやすさを示す比熱(顕熱)が大きい場合と、物質の相変化に伴う潜熱(相変化する温度付近で温めると吸熱し冷やすと放熱する)が大きい場合がある。前者の身近な例はコンクリートや自然石による保温であり、後者は氷(潜熱333 J/cm3)による保冷である。蓄熱を積極的に利用することで、未利用熱を溜めて必要な時に取り出して利用することも考えられる。
 ◆相変化
 固体や液体など物質の状態を「相」と呼び、固体が融けて液体になるような変化を相変化(あるいは相転移)と呼ぶ。「相」は原子・分子に関わるものだけではなく、金属(相)が絶縁体(相)に変わる場合なども相変化に含まれる。この相変化は電子の相が変わるために起こるもので、二酸化バナジウムはこの電子の相変化を起こす材料である。
 ◆焼結・焼結体
 固体の微粉末を密接させた集合体を形成し、この集合体を融点以下の高温状態に保持すると、粉末間に拡散由来の結合が生じる。この変化をさらに進行させると集合体全体に緻密化が生じ、焼結体と呼ばれる成形物ができる。高温状態の実現には特に制約はなく、集合体を高温炉中に保持したり、粉末に通電して発生するジュール熱を利用することもできる。焼結過程中に、粉末の結合に加えて、さまざまな反応の進行を促す場合もある。得られた焼結体は、素材として加工成形でき、また、焼結前後の体積変化を計算した上で集合体に形状付与しておき、焼結直後の焼結体の形状をニアネットシェイプに制御する手法もある。
 ◆潜熱
 相変化の中でも、水が凍るような急激な変化の場合には必ず熱変化を伴い、これを潜熱と呼ぶ。身近な例として液体が気体に変化する蒸発の際の蒸発熱(吸熱)がある。その逆変化である気体の液化の際は、潜熱の符号が蒸発と反対であり、潜熱として液化熱(放熱)が発生する。
 ◆スピン
 電子は電荷の他に、スピンと呼ばれる内部状態によって磁極をもつ。固体の中の電子スピンが揃った状態からバラバラな状態に変化する場合も相変化で、強磁性―常磁性相変化と呼ばれ、磁気の変化とともに熱変化も生じる。気―液変化と同様に、スピン変化による相変化が急峻(きゅうしゅん)であれば熱変化も大きい。
 ◆軌道
 固体中の電子は、自由に動くことはできず、原子同士の結合や他の電子の影響を受けて規則的な軌跡で動いている。これを軌道と呼ぶ。電子が固体全体を動き回る金属相から、各原子上に固着された絶縁相に変化すれば、軌道の様相も大きく変わり、潜熱の変化が生じる。
 ◆ビッカース硬度
 物質の硬さの指標の一つである。ダイヤモンドの四角錐を試験片表面に一定荷重の下で押し当て、この際に試験片表面にできる圧痕の面積と荷重の関係からビッカース硬度Hvが算定される。ステンレスや鋼などの合金でHvが150~300程度であり、セラミックスの場合、アルミナでは1000以上になるが、機械加工用に調整されたセラミックスでは200~500程度になる。
 ◆圧縮強度
 断面積と高さを調整した試験片に上下から荷重を印加し、破砕が生じるまでに耐えられる荷重値を指標とした強度のこと。一般的なコンクリートで数10 MPa、鋼で100~300 MPa程度であり、アルミナでは2000 MPa以上にも調整できるが、機械加工用の窒化ホウ素では50~100 MPa程度である。

 今日の天気は、曇り~晴れ。気温は最高気温24℃ほどと過ごしやすい。
 玄関へのアポローチ横のお庭で”クチナシ”の花が咲いている。純白の花で、近づいたらとても良い匂いがする。
 この”クチナシ”は一重咲きだ。一重咲きの”クチナシ”には、果実が付く。園芸種の八重咲き(雄しべがない)には果実ができない。
 果実は、先端に萼片のなごりの角(つの)様なものが6本付き、側面に角につながって角(かど)が出ている。熟すと橙色となり、山梔子(さんしし)と呼ばれ、薬用・染料や食品の黄色の着色料に使われる。
 名(クチナシ)の由来は、果実が熟しても割れたりしないので、口無:果実が熟しても割れない・・口が無い説、口梨:果実の先端に残る角(萼片)を鳥の嘴に見立て、果実を梨に見立て、口のある梨の説などがある。
 クチナシ(梔子、巵子、支子)
 アカネ科クチナシ属
 常緑低木
 開花時期は6月~7月
 花は径数cmで強い芳香を出す、花色は初め純白、次第に乳白色になる
 クチナシの果実にはクロシン(カロチノイドの一種)が含まれており、これが黄色の着色料となる


Y染色体の遺伝子系図解析から縄文時代後期晩期に急激な人口減少あった

2019-07-04 | 歴史・考古
 縄文時代の終わりに急激な人口減少があった。約2500年前の興味深い現象を東京大学の研究グループが現代の日本人男性のDNA解析から明らかにした(6月17日発表)。
 東京大学大学院理学系研究科の渡部裕介大学院生と大橋順准教授らのグループは、東京大学大学院医学系研究科の徳永勝士教授(研究当時)らのグループと共同で、日本人男性345名のY染色体の全塩基配列決定と変異解析を行った。他の東アジア人のY染色体データと併せて系統解析をすると、縄文人に由来するY染色体の系統が同定された。縄文人由来Y染色体の遺伝子系図(共通祖先から現在に至るまでの分岐過程)を推定したところ、縄文時代晩期から弥生時代にかけて人口が急激に減少したことが示された。縄文時代晩期は世界的に寒冷化した時期であり、気温が下がったことで食料供給量が減ったことが、急激な人口減少の要因の一つではないかと思われる。研究成果はこのほど英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。
 縄文人は、狩猟採集を生業としながらも定住生活を行い、非常に高い人口密度を達成した世界的にも注目される集団である。発見された遺跡数やその規模等をもとに、縄文時代の人口は縄文時代後期・晩期にかけて急減し、弥生時代に入って急増したと推定されている(Koyama. 1979, Senri Ethnological Studies)。しかし、遺跡の発見はそのロケーション等に依存しており、遺跡が無いのか(人口が少なかったのか)、それとも発見できていないのかを判断することは難しい。
 研究グループは、日本人男性345名のY染色体の全塩基配列決定と変異解析を行った。常染色体と異なりY染色体は組換えを受けないため、塩基配列の違いをもとにY染色体の系統を区別することができる。そこで、日本人男性345名のY染色体の系統解析を行ったところ、日本人のY染色体は7つの系統に分かれることが示された。さらに、韓国人・中国人を含む他の東アジア人を併せて解析した結果、日本人で35%の頻度でみられる系統1は、他の東アジア人集団ではほとんど観察されないことが示された。
 系統1に属する日本人Y染色体の変異を詳細に解析したところ、系統1はYAPという特徴的な変異をもつY染色体ハプログループD1bに対応していることが示された。YAP変異は、形態学的に縄文人と近縁と考えられているアイヌ人において80%以上という高い頻度で観察されることが知られている。渡来系弥生人の主な母体である韓国人集団や中国人集団には系統1に属するY染色体が観察されなかったことも踏まえると、系統1のY染色体は縄文人に由来すると結論できる。ちなみに、同一検体のミトコンドリアDNAの系統解析も行ったが、明らかに縄文人由来と想定されるような系統は存在しなかった。
 次に、系統1に含まれた122人の縄文人由来Y染色体を対象に遺伝子系図解析を行ったところ、縄文時代晩期から弥生時代にかけて、人口が急減した後、急増したことが示された。なお、本研究はY染色体を対象としており、厳密には男性の集団サイズの変化を推定したことになるが、男性の数のみが変化したとは考えにくいため、女性の集団サイズも同様の変化を示したと思われる。
 縄文時代晩期は世界的に寒冷化した時期であり、気温が下がったことで食料供給量が減ったことが、急激な人口減少の要因の一つではないかと思われる。また、その後人口が増加したのは、渡来系弥生人がもたらした水田稲作技術によって、安定した食料供給が可能になったためと考えられる。
 本研究では、現代日本人のY染色体データをもとに縄文時代の人口の変化を推定した。現代日本人のゲノムデータを調べることで、その由来も含めて不明な点が多い縄文人の歴史、ひいては日本人の形成過程が解き明かされると期待される。本研究は、混血した集団の祖先集団における人口の変化を推定する良いケーススタディであり、本研究がとったアプローチは日本人のみならず他の集団の解析にも役立つことが期待される。
 ◆用語解説
 〇Y染色体
 男性がもつ性染色体の一つであり、性別決定に重要なSRY遺伝子を含む。父性遺伝するため、集団遺伝学的研究ではY染色体の系統は父系を反映する遺伝マーカーとして利用される。
 〇系統解析
 塩基配列またはアミノ酸配列を比較し、配列間の進化的関係(分岐のパタン)を調べる統計学的手法。
 〇YAP
 Y-chromosome Alu Polymorphismの略。Y染色体の長腕部にある約300塩基からなるAlu配列の挿入変異。アフリカ人集団にも観察されることから、アジア人の祖先がアフリカを出る前に誕生した変異と考えられている。
 〇 Y染色体ハプログループD1b
 Y染色体上の多型サイトの組合せによって分類される系統をハプログループといい、YAP変異をもつハプログループDの下位系統の1つ。
 〇ミトコンドリアDNA
 細胞小器官であるミトコンドリア内にあるDNA。母性遺伝するため、集団遺伝学的研究では、ミトコンドリアDNAの系統は母系を反映する遺伝マーカーとして利用される。
 〇遺伝子系図解析
 全ての生物において、親の遺伝子が複製されたコピーが子どもに伝わる。したがって、時間を遡って遺伝子コピーの親を辿っていくと、最終的に一つの共通祖先遺伝子に到達する。この過程を表現したものを遺伝子系図といい、遺伝子系図からその集団の人口の変化を推測することができる。
 ★縄文時代の温暖化・寒冷化
  (参考文献:人口から読む日本の歴史 著者:鬼頭宏)
 縄文時代の気候
 約6000年前から温暖となるが約4500年前に寒冷化し始め、約2500年前には現在の気温より1℃以上低くなった。この気候変動は海面の上昇・下降となり、「縄文海進・海退」となって現れた。
 縄文・弥生時代の人口
  時代   期間(B.C)    人口(万人)
 縄文草創期 10,000~8,000年
 縄文早期   8,000~4,000年    2
 縄文前期   4,000~3,000年   11
 縄文中期   3,000~2,000年   26  温暖化
 縄文後期   2,000~1,000年   16  寒冷化
 縄文晩期   1,000~500年     8
 弥生時代   ~AD3世紀中頃   60  稲作の普及

 朝は土砂降りの雨、次第に止み、昼頃には晴れ間が見える。
 近所の畑の近くで、色とりどりの幟の様に花が咲いている”タチアオイ”が林立している。草丈は人の背より高いのもあり、チョットした花の壁となっている。この花は、古くから夏の花の一つとして親しまれており、最もポピュラーなのは”アルケア・ロセア”という品種で、古くに伝来し漢方薬として使われていた、と言われる。
 花弁の根元が粘着質である。小さい頃の思い出に、この花の花びらをニワトリのトサカに見立てて鼻に付けて遊んだ記憶がある。・・コケコッコ花と呼ばれる(北海道や東北で)。
 タチアオイ(立葵)
 アオイ科アルテア属(タチアオイ属)
 学名:Althaea rosea
 別名:唐葵(からあおい)、梅雨葵(つゆあおい)、ホリホック(園芸種)
   平安時代は「唐葵」と呼ばれ、江戸時代から「立葵」と呼ばれる
 多年草、1~2年草(扱い)
 丈は1.5m~2m、長く真っ直ぐに伸びた花茎に沿ってアオイに似た花が咲く
 開花時期は6月~8月
 花は一重、八重もある
 花径は10cm前後、花色は赤・黄・白・紫・桃と様々


マウスの血中に抗老化物質を発見

2019-07-03 | 健康・病気
 神戸医療産業都市推進機構の今井真一郎客員上席研究員(米ワシントン大学教授を兼務)らのグループは、国立長寿医療研究センターの佐藤亜希子プロジェクトリーダーとの共同研究で、「血液循環中にあるNAD合成系酵素「eNAMPT」が、マウスとヒトで加齢に伴い減少すること、またマウスでは血液中のeNAMPT量が個々の個体の余命と強い正の相関を示す」ことを明らかにしたと発表した。研究成果は、国際科学誌「Cell Metabolism」に6月14日、オンライン掲載された。
 最近の老化・寿命研究により、生命活動にとって必須であるNADが全身のさまざまな臓器・組織において加齢とともに低下し、この低下が、臓器や組織の機能低下、ひいては老化関連疾患の病因を引き起こしていることが報告されている。NAD低下の原因は、NAD合成の低下とNAD消費の増大のいずれか、あるいはその組み合わせによることが明らかになってきている。
 研究グループが血中で見つけた酵素(NAMPT)はNADの合成にかかわっていた。哺乳類の、主要なNAD合成経路は、NAMPTという酵素によって制御されるもので、ビタミンB3の一種であるニコチナミドを出発物質とする。NAMPTはニコチナミドを、NMNという物質に変換する。NMNには顕著な抗老化作用があることが明らかになっている。NMNはさらに別の酵素によってNADに変換される。すなわち、NAMPTはNAD産生の制御を行う重要な酵素のひとつであり、さらに、NAD合成を促進することによって、NAD依存性タンパク脱アセチル化酵素であるSIRT1の活性を増大させることが知られている。NAMPTには、細胞内型(iNAMPT)、細胞外型(eNAMPT)の、2つの独立した型がある。iNAMPTはSIRT1によって脱アセチル化されると、eNAMPTとして脂肪組織から分泌されるようになることがわかっている。しかしながら、NAD合成系酵素としての機能が明らかなiNAMPTに比べて、血液中を循環しているeNAMPTについては、哺乳類の老化・寿命制御にどのような役割を果たしているのか、現在まで不明のままだった。
 遺伝子組み換えによりこの酵素が減らないようにしたマウスを育てたところ、年をとっても運動機能や記憶が衰えにくく、メスでは普通のマウスに比べて群れの半数が死亡するまでの期間(中間寿命)が約13%延びた。また若いマウスから採取した酵素を老齢マウスに投与したところ、回し車を動かすなどの活動量が大きく増え、中間寿命が約10%延びた。
 NADと老化の関係はマウスに限らず哺乳類に共通すると考えられている。今回の成果は人間の老化の仕組みの解明に役立つとともに抗老化作用をもつ薬の開発などにもつながると期待される。

 朝は曇り、次第に晴れた。気温は最高気温30℃ほど、でも風が少し冷たい。
 空地の擁壁の前に、”ゼニアオイ”の花が咲いている。花弁は5弁で、薄いピンク色に紫の線が入る。葉はしわしわの円形。 ”ウスベニアオイ”の変種(亜種)が”ゼニアオイ”といわれ、両者はよく似ている。両者の区別は茎の粗毛の有無で、これは茎に粗毛がないので”ゼニアオイ”。
 名(ゼニアオイ)の由来で、丸い花が「一文銭」ぐらいの大きさから「銭」、葉が「立葵」の葉に似ているから「葵」。
  ○ゼニアオイ(モルチアナ・コモンマロウ)
  草丈:60~80cm
  花色は赤紫色、花弁に濃い赤紫色の筋
  葉の切れ込みは浅い(円形に近い)
  茎:一般的に無毛
  ○ウスベニアオイ(コモンマロウ)
  草丈:20~30cm、やや横に這う
  花色は薄いピンク
  葉の切れ込みは深い
  茎:毛が生えている
 ゼニアオイ(銭葵)
 学名:Malva sylvestris var. mauritiana
 アオイ科ゼニアオイ属
 耐寒性多年草
 原産地はヨーロッパ(地中海沿岸地方)、江戸時代に渡来
   観賞用に渡来し、逸出した帰化植物
 開花時期:6月~9月


貝の巻き方決める遺伝子特定、生物非対称の謎に迫る

2019-07-02 | 生物
 中部大学黒田玲子特任教授と阿部真典特任講師は、巻き貝の貝殻が右巻きと左巻きのどちらになるかを決める遺伝子を突き止めた(5月14日発表)。
 遺伝子を自在に改変できる「ゲノム編集」を使い、右巻きから左巻きに変える実験にも成功した。遺伝子の変異が世代を超えて伝わることも確認した。生物の体が左側と右側で仕組みが異なる謎に迫る成果という。
 「ヨーロッパモノアラガイ」という貝で実験した。自然界では右巻きと左巻きが98対2の割合だという。
 これまでの黒田特任教授らの研究で、左巻きでは”Lsdia1”という遺伝子が全く働いていないことなどが分かっていた。今回はゲノム編集という技術を使い、右巻きの貝で”Lsdia1”遺伝子を人為的に欠損させたところ、その子孫が左巻きになり、代々左巻きが遺伝することを発見した。
 受精卵に”Lsdia1”遺伝子のタンパク質があると、2つの細胞に分裂する時の向きが時計回りになるが、ないと反時計回りになることも分かり、左右の非対称性が受精卵という発生の早い段階で起こっていることも判明した。”Lsdia1”とよく似た遺伝子は、人を含めた脊椎動物にも広く存在している。人の臓器の左右の非対称性を制御している別の遺伝子は巻き貝にもあり、”Lsdia1”と関係していることも分かっている。
 黒田特任教授は「巻き貝ではたった1つの遺伝子が、受精卵の時期から左右の非対称性を決めていて驚きだ。脊椎動物で左右の非対称性を決定する仕組みはより複雑だろうが、決定に至る重要な要素が共通している可能性がある」と語る。
 ◆モノアラガイ(物洗貝、学名:Radix auricularia japonica)
 モノアラガイ、は有肺目モノアラガイ科に分類される巻貝の一種。広義にはモノアラガイ科の種の総称。
 一般的にはモノアラガイ科やサカマキガイ科などの淡水域に産する小型貝類をまとめて「モノアラガイ」と呼ぶこともあるが、厳密には誤りである。
 形態
 殻高、殻幅20mm前後の卵円形。殻は薄質で、薄茶色~飴色でやや透明感があるが、模様や彫刻はなく、成長脈があるのみである。また、殻口は広く、殻高の八割前後にも及ぶが、相対的に螺塔はとても低い。軟体は黒い斑模様があり、殻の上からでも透けて見えるため、生時は一見殻に模様が在るかの様である。その他軸唇は広く、また捩れ、臍孔はない。蓋もない。
 巻貝の巻きの方向
 大半の動物は左右対称か点対称であるが、巻貝は螺旋状であり対称でない。
 巻貝には左巻きと右巻きがいる。時計回りが右巻き、反時計回りが左巻きである。見分け方の一つに、巻き貝のとがった方を上に向け、殻の入り口が見えるように持ったとき、殻の口が向かって右側に見えるのが右巻き、左側に見えるのが左巻きである。
 ヨーロッパモノアラガイ
 ヨーロッパモノアラガイは淡水で生息する。成貝は2~2.5cmで、自然界では右巻きが98%、左巻きが2%いる。

 今日の天気は曇り、予想では晴れ。畑作業は、”ズッキーニ”の受粉作業と収穫、お花(水仙、桔梗、ヤグルマギク)を数本いただく。
 近所に、少し広い空地がある。住宅地だった所で、現在は雑草地となっている。お庭だったと思われる所に、”ビワ”の木が植えてあり、沢山の実が付いている。実は黄色く熟している。開花時期は冬(11月~12月)で、半年後の今時分に果実は熟す。
 ”ビワ”の原産は中国で、日本へは9世紀には渡来していたと考えられている(日本自生説もあり)。しかし、現在日本で栽培されている品種は、江戸時代末期(天保~弘化)に中国からの大果品の種子から育成されたもの。この「唐枇杷」と呼ばれる品種から改良されて、現在の二大品種(茂木と田中)が生まれたと言う。
 名(ビワ:枇杷)の由来は、葉の形が楽器の琵琶(びわ)に似ているから。
 因みに、”ビワ”の葉には関節痛に効き(産毛のある葉裏を擦って貼る)、葉を煎じて「せき止め・利尿など」に効く、と言う(古くからの民間薬)。
 ビワ(枇杷、比波)
    果実もビワと呼ぶ
 英名:loquat
 学名:Eriobotrya japonica
 バラ科ビワ属、常緑高木
 原産地は中国
    6世紀には栽培されていたようだ
 開花時期は11月~12月
 花は白い五弁花、葯には毛が密に生えている
 花は両全花なので自家受粉が可能
 果実の成熟は5月~6月、黄橙色の実となる


アジサイの青色成分を直接確認、 植物本体から成分を抽出できた

2019-07-01 | 園芸
 名古屋大学の吉田久美教授と青木弾講師らの研究グループは、”アジサイ”の花の色を青にする色素成分を直接確認することに成功した(2019年4月1日付 Scientific Reportsに掲載)。酸性の土壌で”アジサイ”を育てると青い花になることは古くから知られていたが、植物本体から成分を抽出できたのは初めてである。青に発色する仕組みも証明できた。
  土壌が酸性のときアジサイの花の色は青
  中性で紫
  アルカリ性で赤に変わる
 研究グループは花弁(花びら)のように見える「萼:ガク」の部分をセ氏零下160度で瞬間凍結した。断面にある物質の質量を凍ったままで分析できる特殊な装置を使い、色素を構成している成分を詳しく調べた。その結果「アントシアニン」と呼ぶ色素とアルミニウムイオン、発色を安定にする効果がある「助色素」の3つの成分が同じ比率で結合していることが、青色を発するために必要だと分かった。
 アルカリ性の土壌で育てた”アジサイ”は萼(ガク)が赤くなる。赤い萼ではアルミニウムイオンがほとんどなく、青に発色する色素が作られていなかった。
 アジサイが青くなる原因は、土壌に含まれるアルミニウムイオンが酸性になり水に溶け出すためと考えられ、研究グループはこれまでに試験管内で青色に発色する色素を合成してこの仮説を確認していた。ただ”アジサイ”に本当に含まれているのかどうかが不明だったため、成分の抽出を目指していた。
 今後、ガクの部分にアルミニウムイオンが集積する仕組みなども調べ、アジサイの色が変わる全容を解明する考えだ。
 ◆物質の質量を凍ったままで分析できる特殊な装置
 低温-飛行時間型二次イオン質量分析計
 飼料表面に一次イオン(今回は金)を照射すると、そのエネルギーで表面に存在する様々な有機分子、無機物がイオン化して二次イオンが得られる。この二次イオンを飛行時間型の質量分析器で分析する装置のことを飛行時間型二次イオン質量分析計という。
 ◆アジサイの花色(花弁ではなくガク)
 アジサイの花色(ガクの色)は、酸性度・三種類の助色素(5CQ、5pCQ、3CQ)・アルミニウムイオンの組み合わせで決まる。酸性度・アルミニウムイオンは環境要因で、助色素は遺伝である。
 アルカリ性土壌が酸性化するとアルミニウムイオンが溶出する。ヨーロッパの”アジサイ”がピンクの理由がここにある。日本の土壌はほとんど元から酸性土壌で、アルミニウムイオンをあまり含まない、故に青いものが多い。

 早朝は雨、だったようだ、植物が濡れていた。朝はポツリポツリと小雨、段々と雨が上がり、昼頃は晴れ。
 ”アジサイ(紫陽花)”の花は咲き始め。”アジサイ”は梅雨の訪れを告げる花、綺麗に色づき始めた。早朝の雨で、花も葉も濡れていた。
 ”アジサイ”はアジサイ科(Hydrangeaceae)アジサイ属(Hydrangea)の植物の総称である。アジア・北アメリカに約40種が分布する。最も一般的に植えられている球状のアジサイは、セイヨウアジサイ(ヒメアジサイ・テマリ咲きアジサイは別)であり、日本原産のガクアジサイ(Hydrangea macrophylla)を改良した品種である。

 名(アジサイ)の由来は、最も有力なのは、藍色の花が集まって咲く様を表した「あづさい:集真藍」が変化したもの。「あづ」は集(あつ)、「さい」は真藍(さあい)である。別名に、藍色花の集合を表す集真藍・味狭藍・安治佐為、様々な色の変化から七変化・八仙花、丸く集まった姿から手毬花、などがある。
 アジサイ(紫陽花)
 別名:集真藍・味狭藍・安治佐為、七変化・八仙花、手毬花
 学名:Hydrangea macrophylla form. macrophylla(紫陽花)
    Hydrangea macrophylla form. normalis(萼紫陽花)
 ユキノシタ科アジサイ属(アジサイ科アジサイ属)
 落葉性低木
 開花時期は、6月~7月
   梅雨時期と重なる
 ガクアジサイ(萼紫陽花、額紫陽花)は日本原産
 球状のアジサイ(紫陽花)はセイヨウアジサイで、ガクアジサイの改良品種
 花に見えるのは萼(ガク)で、その色は様々(紫・白・青・ピンクなど)である