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静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

漁場調査始まる

2017年12月04日 13時27分00秒 | 実習

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。
ホームページはこちらです。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/
12月16,17日の見学会は、ホームページと漁師.jpでご案内します。
別の日に見学されたい方は、園長にご相談ください。

実習船やいづはマリアナ海域に向かっています。
そして漁場調査実習が始まりました。
漁場調査って何かというと、カツオの群れを探して釣ると言うことです。
実習船なので、こんな呼び方をしているんですね。
土日を挟んだので、二日分を紹介します。

【水産高校専攻科生の主直日誌】
11月30日
今日から漁場調査実習が始まりました。
鳥が少し見えましたが、カツオの群れは見えませんでした。
まだ始まったばかりの漁場調査です。
今後に期待し、気を引き締め、安全第一で臨んでいきたいと思います。
また、海洋観測も始まりました。
カツオの漁場は、水温や塩分濃度、透明度そして潮流などは位置によって異なるので、この位置には群れがいるかもしれないなどと、考えながら海洋観測を行っていきたいと思いました。
洋上での操業や作業などは、危険を伴うことがとても多いと思います。
ついつい目先のことに夢中になり、周りが見えなくなってしまうことも多々あります。
まだ始まったばかりの調査実習ですが、初心に戻り、常に周囲の状況に意識して安全に取り組んでいきたいと思います。


12月1日
漁業調査2日目です。
魚群はありませんでした。
今航海で5航海目となりますが、自然を相手にするのは、やはり厳しいものだと改めて実感しました。
鳥を発見しても実際に釣れる確率はとても低いようですが、まだまだ日数があるので期待して、安全面には気を付けて取り組みたいと思いました。
午後の課業は熱効率と燃料消費量、燃料消費率の求め方について勉強しました。
機関室のパソコンのデータをもとに計算ができるので、低負荷時、高負荷時でどのくらい熱効率の差が出るのか興味を持ちました。
課業で学んでいることは海技士修得のための勉強ではありますが、海上就職した際、実際に行う内容でもあるので、復習して将来現場で役立てるように頑張ります。

水産高校の引率教員の報告には
11月30日
太陽の正中高度は44°-38.5’、夜空には南方の代表的な星フォマルハウトが輝いている。
気温が上がり、衣替えして、漁場調査が始まった。

12月1日
ハドレー循環の一つである北東貿易風が強く吹き、北赤道海流が皮流となり渦巻く、月齢は満月(高潮)に近付く。
カツオが釣れる状況は揃っている。
生徒はカツオを釣りたい気持ちは人一倍に持っている。
しかし、釣れる状況についてどの程度興味・関心を持っているか、わからない。
このことに関しても主体的な姿勢を持ってもらいたい。

(補足説明)
 フォマルハウト(Fomalhaut)・・みなみのうお座α星、みなみのうお座で最も明るい恒星
                秋に北半球で夜空を眺めると、空高くに夏の星座の名残として、夏の大三角を構成するベガ、デネブ、アルタイルの3つの1等星があるものの、南の空低くには明るい星が少なく、フォーマルハウトだけがポツンと光っているようにも見える。
                ここから、日本では、フォーマルハウトは、「秋の一つ星」や「南の一つ星」と呼ばれる。
 ハドレー循環(Hadley circulation)・・赤道付近で上昇した空気が緯度30度付近まで北上した後、下降し地表付近を南下して赤道に戻る循環のこと。
  

学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp


 園長のつぶやき
今回は、中学生が水産高校に進学するか、学園に進むかを考えてみましょう。

もし、あなたが中学生で、将来は漁師なりたいと考えている場合、
「水産高校に進学するか、学園に来るか、あるいは直接漁船に乗るか」
・・を選択することになります。

学園を見学される方に
「漁師になるか、決めかねているのなら水産高校に進学した方が良い」
とお話しします。
と言うのも、迷っている人が、最終的に漁師になる道を選ぶことは少ないからです。

現在の水産高校は漁業に就職するのはほんの数人です。
水産高校は漁師以外の進路がほとんどで、学校もそういう体制です。
でも漁業会社からの求人は来るので、卒業後に漁師になる道が残っています。

私からの提案に対し、保護者の方から
「水産高校に行ける学力があれば苦労しない」
と答えが返ってくるときがあります。
なるほど。
でも、
「漁師になる気持ちが固まっていないのに、漁師になるための専門校にくるのは、お子さんにとって良いことでしょうか?」
と言いたいのです。
水産高校よりも偏差値の低い学校もあるし、高校を出てから学園に来る方法もあるのです。

学園は学力面では入りやすい学校であることは事実です。
水産高校の滑り止めに学園を受験するのは全然OKです。
どうぞ、利用してください。
滑り止めだからと言って、差別することもありません。
でもね。
「仕方ないから学園に行く」なんて考えてはダメですよ。

学力で水産高校へは行けない人。
本当に学力がなく、海技士の筆記試験に合格できないこともあります。
それでも、実習を通して現場で使う技術を身につけていけば、立派に漁船でやっていけるのです。

学園では、現場で使う技術の習得は、特に力を入れています。
知識があっても現場、あるいは漁労作業(魚を捕ること)で使い物にならないと、漁師としてやっていけないからです。
漁師として、現場に適応する力は、学園に来なくては育ちません。
学園に来るからには、漁師になると言う強い意志をもち、今まで以上にがんばってください。

コメント
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