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「札幌国際芸術祭2020特別編~開催中止となったSIAF2020を今できる限りの方法で公開します~」が始まった。

2020年12月20日 10時40分43秒 | 札幌国際芸術祭
 やっぱりアーティストとかキュレーターというのは
「タダではころばない人」
だと、つくづく思いました。
 昨年のあいちトリエンナーレをめぐる騒動のときも、単に撤去するのではなく、抗議の意味を込めて改変させてさらに強度の高い作品に仕上げていた出品者が多くいて、脱帽したことを思い出します。もちろん今年の札幌国際芸術祭2020は、あいトリのような騒ぎとはまったく意味合いが異なるのですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中止が決まりました。
 ところが、もともと予定されていた期間中

「SIAF2020の企画内容やアーティストの作品構想などを、さまざまな媒体を使って公開するものです。YouTubeによる配信プログラムや、最先端の技術を活用したウェブサイト「SIAF2020マトリクス」などを通して、幻となったSIAF2020をぜひご覧ください」(公式サイトの「おしらせ」より)

https://siaf.jp/siaf2020/

 アーティストのインタビューは毎日のようにアップしていくようです。
 初日は3組が公開されています。

 マトリクスは公式サイトのトップページから入ることができます。
 キーワードをクリックすると、関連する作品が画面に登場するというもので、コンテンツは順次アップデートされていくものではないのですが、登場する順番はランダムなので、見るたびに新しい発見がありそう(というか、これ全部見るの大変かも)。
 もう作品といえそうな高い完成度です。

 初日の午後2時から、3人のディレクターと、雲形定規のようなキャラクター「うんとね」によるキックオフ生配信が行われ、筆者も見ました(あとでアーカイブが公開される予定)。

 ディレクター・トリオの一人、アグニエシュカ・クビツカ=ジェドシェツカさんは
「Speculative exhibition」
と語り、これはオンライン開催ではなく、世界の現状を考えるプラットフォームとしてのSIAFを、実現しなかった芸術祭として想像(imagine)するためのマスタープランだというふうに話していました。

 さらに、サイト上でpdf ファイルで公開されるアイデアプランなどは来年、書籍としてまとめる予定があるほか、2月5~14日、札幌市民芸術プラザで「SIAF2020 ドキュメント」展を開催するということも発表されていました。

 ディレクターの田村かのこさんは
「この冬、おうちでゆっくり出会いを楽しんでほしいです」
と話していました。

 きょうは午後8時から、Youtube で生配信があります。

「札幌国際芸術祭2020特別編」オープニング2日目の特別プログラムとして、現在ポーランド・ワルシャワで展示中の作品《Senster(センスター)》と札幌をつなぎ世界に配信します。
《Senster》はポーランド出身でロンドンを拠点とした彫刻家エドワード・イナトビッチによるメディアアート史に残る名作のひとつで、公開された1970年当時としては画期的な、コンピューターで制御された作品です。観客の動きや音に反応するインタラクティブな動きをするための技術が先駆的に組み込まれており、多くのアーティストや研究者にインスピレーションを与え続けてきました。
 そして、開催中止でなければ札幌国際芸術祭2020でアジア初展示される予定でした。

 今回は、現在センスターが展示されているザヘンタ国立美術館(ポーランド・ワルシャワ)の協力のもと、生中継により幻の彫刻《Senster》の動く姿と共に、技術的な背景に着目し、本体の起動から、実際に周囲の音や動きに反応する様子とその技術を詳しく紐解いていきます。また、視聴者からの質問も随時募集し、お答えします。


Senster on Live from Warsaw & Sapporo to the World



 あらためて、中止といわれたからといって単なる中止にはしないぜ! という実行委やディレクター陣の強い意気込みが伝わってきます。
 中身はこれから順次見ていきます。
(天野太郎さんの料理映像も今後登場するらしいです。笑)

https://siaf.jp/siaf2020/


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