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■中村哲泰個展 (2018年9月27日~10月2日、札幌)

2018年10月01日 13時46分15秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト

 恵庭市のベテラン画家、中村哲泰さんが、札幌の道新ぎゃらりーAB両室を使って個展を開いています。
 展示した約30点のうち、原生林に咲く野の花や、画室のドライフラワーなどを題材にした「とどまることのない生命」という作品が半数以上を占めています。

 中村さんの花の絵は、いわゆる静物画とは異なります。
 ミズバショウやハス、オオウバユリといった草花を、自然の景観の中に配しています。しかし、森や池の光景そのままでもありません。
 ひとかたまりの草花を、屋外の風景の中にぽんと置いた感じがします。単なる静物や風景の描写ではない、この画家なりの、生命へのアプローチであることが、画面から伝わってきます。一言で言うと、スケール感が独特なのです。




 左は「恵庭森林公園」という副題のついた「とどまることのない生命」。

 これを見ても、中村さんの絵画のもつスケール感が、他の人とは違うことがわかるのではないでしょうか。風景は単なる書き割りや背景ではないし、かといって、見えるままの大きさで風景や草花を配しているのでもないのです。



 今回は近作だけではなく、約30年前の「カムイ岬」や、数年前の、長崎県・軍艦島を描いた絵もあります。
 画像は「黄昏」。札幌市の川沿から見える、採石場の山をモティーフにした、力強い風景画です。2000年にギャラリーどらーるが企画した個展の際に出品された作品です。
 2003年の個展で発表した、ヒマラヤ山脈の登山隊に同行して取材した作もあります。高山のスケール感を絵画で出すことは難しく、このときの悪戦苦闘の経験が、「とどまることのない生命」の制作に生きているのだと思います。
 緑や紫など中間色のみごとな差し入れ方や、堅牢なマチエールも、見どころです。これほど多くの色を複雑に配しながら、破綻せずにまとめきっているのは、かなりの苦心を重ねているに違いありません。


 中村さんは新道展会員。
 全国的な写実絵画の団体公募展「一水会」にも出品を続けており、ことし会員から、もう一段上の委員に推挙されました。
 一水会は東京都美術館で開催中です。来年からは審査も務めることになります。
 大きな絵を描くのはつらくなってきたが、もうひとがんばりしたいーと、中村さんは笑っていました。

 このほか、道内の会派を超えたベテラン具象画家の集まり「グループ環」にも結成当初から参加しているほか、札幌や千歳の道新文化センターで教えています。


2018年9月27日(木)~10月2日(火)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
道新ぎゃらりー(札幌市中央区大通西3 北海道新聞社北1条館)

をテーマに大作中心の展示。恵庭の画家。一水会と新道展の会員

第18回グループ環 展 (2017)

第17回 グループ環展 (2016)
■中村哲泰・川西勝・松本道博 三人展(2016、まだアップしてません)

第15回“グループ環”絵画展 (2014)

中村哲泰おやこ展 (2009)
第10回グループ環絵画展(小品展併催)=2009

中村哲泰-高みを求めて (2008)
第9回グループ環絵画展・小品展併催 (2008)

第8回“グループ環”絵画展 (2007)

中村哲泰個展 (2006)

第4回“グループ環”油彩展 (2003)
ヒマラヤを描く 中村哲泰個展 (2003)

第3回“グループ環”油彩展 (2002、画像なし)

第2回 グループ環 油彩展 (2001、画像なし)





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