(承前)
恵庭の公園にある野外彫刻の紹介の続きです。
6人の作品が緑の中に点在していますが、この作品は池の中に設置されています。
色が色だけに、かなり遠くからでもその存在がわかります(このシリーズ最初の記事に載せた画像でも、ちらっと見ることができます)。
ところで、6人は道内在住の作家と縁のない作家とがまじっているのですが、植松さんはおそらくこの6人で最も北海道との接点が薄い人だと思います。
その一方で、1988年にヴェネツィアビエンナーレに出品していることもあって、日本の現代美術の関係者には、6人のなかで最も知名度の高い作家でしょう。
大阪・箕面とドイツのデュッセルドルフを拠点としています。
図録から略年譜を引いておきます。
このブログの読者はご存じの方も多いでしょうが、中原悌二郎賞は旭川市が主催する彫刻の賞です。
植松さんはその後、2013年に「截接-軸・経度・緯度」で、本賞(中原悌二郎賞)を受賞しています。
おもしろいのは、赤い円錐だけでなく、その先端がつながっているようにみえる木も、ステンレススティール製だということです。
木は高さ590センチ。150×150センチ。
円錐は長さ365センチ、直径180センチ。
図録では鮮やかな赤に着彩されていたことがわかりますが、筆者が訪れたときには、いい感じに褪色して、朱色になっていました。
汚れているのも、これはこれでいいなと思います。
こんな派手な色で、しかも赤と緑は補色なのに、なぜか自然と溶け合って見えるのが不思議です。
植松さんも
「自然と共生する彫刻、あるいは、以前からそこにあったように自然なかたちで息づき、呼吸するような彫刻をつくりたいと思った」
と図録で記しています。
関連記事へのリンク
Re: play 1972/2015―「映像表現 '72」展、再演 (2015)
恵庭市のユカンボシ川河畔公園彫刻広場
佐藤忠良「えぞ鹿」
渡辺行夫「ドン・コロ」
植松奎二「樹とともに―赤いかたち」
山本正道「時をみつめて」
丸山隆「Cube」
山谷圭司「にぎやかな遡行」
恵庭の公園にある野外彫刻の紹介の続きです。
6人の作品が緑の中に点在していますが、この作品は池の中に設置されています。
色が色だけに、かなり遠くからでもその存在がわかります(このシリーズ最初の記事に載せた画像でも、ちらっと見ることができます)。
ところで、6人は道内在住の作家と縁のない作家とがまじっているのですが、植松さんはおそらくこの6人で最も北海道との接点が薄い人だと思います。
その一方で、1988年にヴェネツィアビエンナーレに出品していることもあって、日本の現代美術の関係者には、6人のなかで最も知名度の高い作家でしょう。
大阪・箕面とドイツのデュッセルドルフを拠点としています。
図録から略年譜を引いておきます。
1947 神戸生まれ
69 神戸大学教育学部美術学科卒業。
第8回ジャパンアートフェスティバル優秀賞受賞。
1974 神戸市文化奨励賞受賞。
76 個展(ストックホルム近代美術館、~77)
90 第12回須磨離宮公園現代彫刻展大賞受賞
96 第23回長野市野外彫刻賞受賞
97 個展(西宮市大谷記念美術館)
98 第23回中原悌二郎優秀賞受賞
2000 「ヘルシンキ2000」招待参加(ヘルシンキ市)
このブログの読者はご存じの方も多いでしょうが、中原悌二郎賞は旭川市が主催する彫刻の賞です。
植松さんはその後、2013年に「截接-軸・経度・緯度」で、本賞(中原悌二郎賞)を受賞しています。
おもしろいのは、赤い円錐だけでなく、その先端がつながっているようにみえる木も、ステンレススティール製だということです。
木は高さ590センチ。150×150センチ。
円錐は長さ365センチ、直径180センチ。
図録では鮮やかな赤に着彩されていたことがわかりますが、筆者が訪れたときには、いい感じに褪色して、朱色になっていました。
汚れているのも、これはこれでいいなと思います。
こんな派手な色で、しかも赤と緑は補色なのに、なぜか自然と溶け合って見えるのが不思議です。
植松さんも
「自然と共生する彫刻、あるいは、以前からそこにあったように自然なかたちで息づき、呼吸するような彫刻をつくりたいと思った」
と図録で記しています。
関連記事へのリンク
Re: play 1972/2015―「映像表現 '72」展、再演 (2015)
恵庭市のユカンボシ川河畔公園彫刻広場
佐藤忠良「えぞ鹿」
渡辺行夫「ドン・コロ」
植松奎二「樹とともに―赤いかたち」
山本正道「時をみつめて」
丸山隆「Cube」
山谷圭司「にぎやかな遡行」
(この項続く)