道展日本画部門の会員、会友、一般入選者を中心に毎年開かれている「北の日本画展」を久しぶりに見た。
道展に出していない人も含め総勢51人の作品が並んでいる。
見なれない名前がけっこうある。ただし、その多くは、穏やかな写実で植物や人物を描いている。
会場を見渡すと、蒼野甘夏、朝地信介、小島和夫、羽生輝、北口さつき、平向功一といった、前回見た際には出品していたはずの顔ぶれが、軒並みいない。小島さんは室蘭から関東地方に行ってしまったのでやむをえないが、しかし、これだけの作家がいない「北の日本画展」というのもさびしい。
それを思うと、伴百合野、中野邦昭、川井坦といったベテラン勢がきっちりと新作を出品していることには、頭が下がる。
中でも驚かされたのは、写実的な作風で道展会場でひときわ目立っていた上野秀実「SAMSARA」。道内の作家でいえば、上嶋秀樹の作風にちょっと似ていて、曲線で囲まれた不定形の支持体に描かれた抽象画に、一変していた。
千葉晃世「北影」も独特。装飾的な、松の葉のような模様が全面に広がっている。自然のパターンが抽象画のように展開している。しかも、千葉さんが以前からちょくちょく試みていたモノクロの画面。21世紀の水墨の可能性を試すような、意欲的な作品だと思った。
会場には、佐藤弘美子さんの遺作「祭―構」が展示されていた。ご冥福をお祈りします。
さて、来年は第30回の節目なので、道立近代美術館あたりで開催、となるかな?
2014年5月19日(月)~24日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後4時半)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
【予告】第25回記念 北の日本画展
■第24回北の日本画展(2009年)
■第23回
■第22回
■第21回
■20周年記念
■第19回
■第18回(5月17日の項)
■第17回
■01年(5月16日の項)
=第21回以外は画像なし
道展に出していない人も含め総勢51人の作品が並んでいる。
見なれない名前がけっこうある。ただし、その多くは、穏やかな写実で植物や人物を描いている。
会場を見渡すと、蒼野甘夏、朝地信介、小島和夫、羽生輝、北口さつき、平向功一といった、前回見た際には出品していたはずの顔ぶれが、軒並みいない。小島さんは室蘭から関東地方に行ってしまったのでやむをえないが、しかし、これだけの作家がいない「北の日本画展」というのもさびしい。
それを思うと、伴百合野、中野邦昭、川井坦といったベテラン勢がきっちりと新作を出品していることには、頭が下がる。
中でも驚かされたのは、写実的な作風で道展会場でひときわ目立っていた上野秀実「SAMSARA」。道内の作家でいえば、上嶋秀樹の作風にちょっと似ていて、曲線で囲まれた不定形の支持体に描かれた抽象画に、一変していた。
千葉晃世「北影」も独特。装飾的な、松の葉のような模様が全面に広がっている。自然のパターンが抽象画のように展開している。しかも、千葉さんが以前からちょくちょく試みていたモノクロの画面。21世紀の水墨の可能性を試すような、意欲的な作品だと思った。
会場には、佐藤弘美子さんの遺作「祭―構」が展示されていた。ご冥福をお祈りします。
さて、来年は第30回の節目なので、道立近代美術館あたりで開催、となるかな?
2014年5月19日(月)~24日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後4時半)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
【予告】第25回記念 北の日本画展
■第24回北の日本画展(2009年)
■第23回
■第22回
■第21回
■20周年記念
■第19回
■第18回(5月17日の項)
■第17回
■01年(5月16日の項)
=第21回以外は画像なし