北海道美術ネット別館

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札幌ビエンナーレの可能性と、アートにカネをつぎ込む意味 (訂正あり)

2009年11月24日 06時08分52秒 | つれづれ日録
承前

 アートで町おこし、なんていうと、すぐ
「税金をムダ使いするな」
という人がいる。

 これは、一見すごく合理的な意見のように聞こえて、じつはマチガイだと思う。

 もし、学校に美術や音楽の授業がなかったり、保健室や図書室がなかったり-といった事態を想像してみよう。
 そういう学校はすごくスマートで合理的に見えて、実際日々をすごしてみると、息が詰まるような空間ではないだろうか。

 どんな地域、空間にも、車のハンドルのような「あそび」の部分がないと、かえって長続きしないのだ。

 しかし、精神衛生の話を別にしても、アートは決してカネくい虫ではない。

 遠方からでも訪れる価値のある芸術祭が開かれれば、観光客が大勢訪れ、その地の経済は活性化するだろう。
 カッセル(ドイツ)、ヴェネチア、光州(韓国)といった、この分野で先行している都市は、おそらくかなりの利益を享受していると思う。

 ただし、モンダイになるのは、そこそこの投資をしないと、誰も見に来ないだろうということだ。
 経済効果に見合った支出(つまり、芸術祭なりビエンナーレ、トリエンナーレなりの規模)を算出するのはけっこうむつかしい。
 それなりに名の通ったアーティストに交渉し、出てもらわないことには、話にならない。
 そして、1回きりでは定着しない。越後妻有つまりだって、3回、4回と続けることで、知名度が上がっていったのだ。


 ただ、札幌市はカネがない(北海道ほどじゃないけどね)。
 来年の予算書の概要が、下のURLにあるが、ビエンナーレ関係の予算が計上されている形跡はないようだ。

http://www.city.sapporo.jp/zaisei/kohyo/yosan-kessan/h22/hensei/22yokyu-taikei.pdf

 一部では「札幌ビエンナーレ、2011年開催を」なんていわれているけど、はっきり言って、2010年に準備関係の予算が繰り込まれてないと、次の年にいきなり開催なんてムリに決まっている。

(この項、11月24日午後に訂正)
http://www.city.sapporo.jp/zaisei/kohyo/yosan-kessan/h22/hensei/yokyugaiyou/08.pdf

 調査費が500万円ついてます。

 もちろん、正式には、予算案なので、市議会を通過してから、ということですが、よほどの案件でない限り、今後この500万円だけカットされることはないと思われます。
(訂正部分、以上)


 ところで、芸術祭は、アジアではすでに飽和状態のような感じがする。
 光州、シンガポール、横浜、越後妻有、台北…。
 ここに同じような催しをぶつけたところで、勝ち目はない。
 北海道ならでは、札幌ならではの特色を出さないと、集客は見込めないだろう。

 となると、ふさわしいのは、雪まつり時期に、冬とか雪を活用した催しだろうか。


(この項続くかも)


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