札幌の現代アート作家上遠野敏さんから
あいちアートトリエンナーレ2010・瀬戸内国際芸術祭2010報告
というテキストをいただきました。
当初は、筆者に読んでもらえればということでしたが、このブログに、ことし大きな話題を呼んでいる両国際美術展についての報告エントリがないのも寂しいため、無理を言って転載の許可をいただきました。
上遠野さんには、いつも国際展の報告などの原稿をいただいており、あらためて感謝申し上げます。
4回分に分割して掲載いたします。
きょう2本、あす2本アップします(あまり間延びしてもいけないので)。
現代美術による地域活性化の事例を名古屋市の「あいちアートトリエンナーレ2010」、香川県、岡山県にまたがる「瀬戸内国際芸術祭2010」に取材した。アートによる地域活性化の有用性や最新の状況をリサーチすることが出来た。また自らの作品展開においても大いなる啓示を得た。詳細については「札幌デザインウィーク」でのセミナーなどで報告をする。
9月2日(木)
■ あいちアートトリエンナーレ2010 概要
第1回「あいちトリエンナーレ2010」は名古屋市内の愛知県美術館がある愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、繊維問屋街の空き店舗などを使った長者町会場、ボウリング場跡の納屋橋会場などで8月21日から10月31日まで開催している。世界24の国・地域から131組のアーティストが参加。テーマは「都市の祝祭」で多様な現代美術作品とパフォーミングアーツを柱としている。
■ あいちアートトリエンナーレ2010栄エリア
◎愛知県芸術文化センター
・ 10F愛知県美術館展示作家:松井紫朗/草間彌生/シプリアン・ガイヤール/蔡國強(ツァイ・グオチャン)/ハンス・オプ・デ・ビーク/フアン・アラウホ/張〓(ジャン・ホァン)/三沢厚彦+豊嶋秀樹/志賀理江子/フィロズ・マハムド/アマリア・ピカ/登山博文/ジラユ・ルアンジャラス
・8F愛知県美術館展示作家:オリヴァー・ヘリング/ミケランジェロ・コンサーニ/ヤコブ・キルケゴール/タチアナ・トゥルーヴェ/ヘマ・ウパディヤイ/ソニア・クーラナ/ジラユ・ルアンジャラス/蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)/曾建華(ツァン・キンワ)/アマル・カンワル/秋吉風人/ズリカ・ブアブデラ/アデル・アブデスメッド/エクトール・サモラ/宮永愛子
愛知県芸術文化センターでは松井紫朗の巨大なバルーンが吹抜け空間を占有し国際展を盛り上げていた。気を惹いた作品を取り上げる。三沢厚彦は豊嶋秀樹とコラボレーションをして、巨大の迷路空間に木彫の動物を配して人々の人気を集めていた。ハンス・オプ・デ・ビーク(ベルギー)による演劇的な手法よる手作り風アニメーションは創造性も高く、ローテクな技法ながら感情に訴えものがあった。張〓(中国)の牛革で作られた人物像「ヒーロー」はその大きさに圧倒され具象彫刻の可能性を感じた。ヘマ・ウパディヤイ(インド)は空缶などのチープな素材を用いてインドの貧民街を含めた風景立体で固有のアイディンティティを作り出していた。他の作品を含め分かり易く、愛知との関係を示した作品も多く鑑賞者との距離を縮めている。子供を対象のキッズトリエンナーレでのワークショップなどはその現れである。近年の傾向なのかドキュメント的な工夫のない即席な映像が連続して流れる作品が多いのが気になった。
◎オアシス21:草間彌生=冒頭画像
オアシス21と言う近未来的な複合施設の屋上庭園には草間彌生の水上に浮くオブジェが展示され、人々の憩いの空間を演出していた。
草間彌生は他に愛知県芸術文化センターの巨大な花のオブジェや観客を各会場に無料で移送する。ドット柄の車など広範囲に作品展開をしていた。
ヤナイ註:〓は、さんずいに「亘」
(続く)
あいちアートトリエンナーレ2010・瀬戸内国際芸術祭2010報告
というテキストをいただきました。
当初は、筆者に読んでもらえればということでしたが、このブログに、ことし大きな話題を呼んでいる両国際美術展についての報告エントリがないのも寂しいため、無理を言って転載の許可をいただきました。
上遠野さんには、いつも国際展の報告などの原稿をいただいており、あらためて感謝申し上げます。
4回分に分割して掲載いたします。
きょう2本、あす2本アップします(あまり間延びしてもいけないので)。
現代美術による地域活性化の事例を名古屋市の「あいちアートトリエンナーレ2010」、香川県、岡山県にまたがる「瀬戸内国際芸術祭2010」に取材した。アートによる地域活性化の有用性や最新の状況をリサーチすることが出来た。また自らの作品展開においても大いなる啓示を得た。詳細については「札幌デザインウィーク」でのセミナーなどで報告をする。
9月2日(木)
■ あいちアートトリエンナーレ2010 概要
第1回「あいちトリエンナーレ2010」は名古屋市内の愛知県美術館がある愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、繊維問屋街の空き店舗などを使った長者町会場、ボウリング場跡の納屋橋会場などで8月21日から10月31日まで開催している。世界24の国・地域から131組のアーティストが参加。テーマは「都市の祝祭」で多様な現代美術作品とパフォーミングアーツを柱としている。
■ あいちアートトリエンナーレ2010栄エリア
◎愛知県芸術文化センター
・ 10F愛知県美術館展示作家:松井紫朗/草間彌生/シプリアン・ガイヤール/蔡國強(ツァイ・グオチャン)/ハンス・オプ・デ・ビーク/フアン・アラウホ/張〓(ジャン・ホァン)/三沢厚彦+豊嶋秀樹/志賀理江子/フィロズ・マハムド/アマリア・ピカ/登山博文/ジラユ・ルアンジャラス
・8F愛知県美術館展示作家:オリヴァー・ヘリング/ミケランジェロ・コンサーニ/ヤコブ・キルケゴール/タチアナ・トゥルーヴェ/ヘマ・ウパディヤイ/ソニア・クーラナ/ジラユ・ルアンジャラス/蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)/曾建華(ツァン・キンワ)/アマル・カンワル/秋吉風人/ズリカ・ブアブデラ/アデル・アブデスメッド/エクトール・サモラ/宮永愛子
愛知県芸術文化センターでは松井紫朗の巨大なバルーンが吹抜け空間を占有し国際展を盛り上げていた。気を惹いた作品を取り上げる。三沢厚彦は豊嶋秀樹とコラボレーションをして、巨大の迷路空間に木彫の動物を配して人々の人気を集めていた。ハンス・オプ・デ・ビーク(ベルギー)による演劇的な手法よる手作り風アニメーションは創造性も高く、ローテクな技法ながら感情に訴えものがあった。張〓(中国)の牛革で作られた人物像「ヒーロー」はその大きさに圧倒され具象彫刻の可能性を感じた。ヘマ・ウパディヤイ(インド)は空缶などのチープな素材を用いてインドの貧民街を含めた風景立体で固有のアイディンティティを作り出していた。他の作品を含め分かり易く、愛知との関係を示した作品も多く鑑賞者との距離を縮めている。子供を対象のキッズトリエンナーレでのワークショップなどはその現れである。近年の傾向なのかドキュメント的な工夫のない即席な映像が連続して流れる作品が多いのが気になった。
◎オアシス21:草間彌生=冒頭画像
オアシス21と言う近未来的な複合施設の屋上庭園には草間彌生の水上に浮くオブジェが展示され、人々の憩いの空間を演出していた。
草間彌生は他に愛知県芸術文化センターの巨大な花のオブジェや観客を各会場に無料で移送する。ドット柄の車など広範囲に作品展開をしていた。
ヤナイ註:〓は、さんずいに「亘」
(続く)