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■第21回「創の会」絵画展 (2024年10月22~27日、札幌)

2024年10月29日 11時40分38秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 道展会員の小林義晃さんが代表で毎年開いている具象絵画のグループ。
 今年は、阿部正子、小川智、柴崎康男(案内状には「柴﨑康夫」になっていましたが、「夫」は「男」ではないかと思います。﨑は崎の異体字)、高間恭子、和田仁智義の5氏も出品しています。
 
 以前参加していた芦別の河瀬陽子さんや小樽の千葉晃世さんらが今年はおらず、初期からいるメンバーは小林さんだけになりました。
 冒頭画像の左手前は小林さんの「舞う」(P20)。
 バレリーナを端正な筆遣いでとらえています。
 その右は「初夏の浜辺」(P15)。

 ほかに「早春(神威岬)」「少年剣士」。

 さらにその隣は柴﨑康男さん「モンブラン(スイス)」(F20)。
 柴崎さんというと港に集まった船の群れという印象がありますが、今回は山の絵が多かったです。
 とはいえ、モティーフは、すばやい線の集積に解体されて、具象が抽象に転じる一歩手前といった感じです。

 ほかに「エギーユ・デュ・ミディ(スイス)」「赤い大地(クロアチア)」「群れ」「旧ユダヤ街(チェコ)」。
  
 
 阿部正子さんは、空中を魚やペンギンが泳ぐ絵を道展で最初に?描いた人です。
 近年はおだやかな写実に落ち着いているのかしらと、左の「雨音」をよく見ると、藤の花の背景に、八分音符がまるで雨粒のように縦に連なって幾筋も描かれているのに驚きます。
 
 その右隣りの小品3点には題が附されていませんでした。

 ほかに「おいで」「黎明」「メロディ」。
 
 
 明るい色調で風景をとらえる小川智さん。

 左は「忍路湾錦秋」。
 小樽市郊外の忍路おしょろがモティーフで、小川さん得意の入り江の風景です。
 ラベンダー色に塗られた海面を最初見たときは、こんな平滑な日本海があるだろうかとも思いましたが、絵の全体のバランスの中では多彩な色でうるさくなりすぎるのを抑える役割をうまく果たしているようです。

 右は「開拓の村にて」。
 札幌市厚別区の「北海道開拓の村」は、明治・大正の古い建物を移築・保存しています。

 ほかに「開拓の村にて(山本理髪店)」「花咲くショップ(ブロードウエイ)」「スノウオヒル ビレッジ」。
 
 
 新道展にはダイナミックな架空の風景画を出している和田仁智義にちぎさん。
 そのタイプの「祈」のような作品=右から2点目=もありますが、おだやかで写実的な筆致で地元・十勝の風景を描いた絵や、「秋色」「ぶどう」といった静物画が、今回は多いです。
 右は「厳冬 十勝ポロシリ岳」。淡いピンクが効果的に用いられています。

 ほかに「厳冬 日高山脈」。

 その奥は高間さん。
 静物画「冬」「秋」「春」「夏」、子どもを描いた「みつけた」、いずれも安定しています。
 

 このタイプの10~20号が見られる機会は少ないので、良かったです。

2024年10月22日(火)~27日(日)午前10時~午後6時
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)

過去の関連記事へのリンク
第19回(2022、画像なし)
第5回具象絵画「創の会」油彩展 (2008、画像なし)

小林義晃個展(2002年、7月16日の項)


第17回北区のアーティスト展 (2018)
阿部正子展「光、奏でる」(2014)
「春への序奏」展-いのちの形、そして色- (2010)
GRUPO DE b-FA 北海道芸術デザイン専門学校絵画芸術研究室展 (2009)=以上、阿部さん出品


小川智個展 (2019)
第41回 白日会北海道支部展(2008、画像なし)
第39回小樽美術協会展 (2007)
作家集団「連」展 (2006、画像なし)
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第63回新道展(2018)
柴崎康男個展 (2014)
第15回二科北海道支部展(絵画) =2015
第10回 二科(絵画)北海道支部展 (2010)
第9回二科北海道支部展(絵画) (2009)
第8回二科北海道支部展 (絵画)(2008)※画像なし
亀井由利個展■柴崎康男個展 (2007)
※以下、画像なし
第7回二科北海道支部展(絵画)
第6回二科北海道支部展(絵画)  (2006)
LEBENS(生命・人生)展 (2006)
柴崎康男・亀井由利 二人展 (2004)
第2回北海道二科(絵画)支部展 (2002)※16日の項


第5回一水会北海道支部展 (2019)=高間さん出品


第64回新道展 (2019)
第45回美術文化北海道支部展 (2017)
和田仁智義展 (2014)
第41回美術文化北海道支部展 (2013)
新道展企画 第51回受賞者展(2006、画像なし)


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