フィギュアスケート中国杯で浅田真央が「白鳥の湖」の演技で優勝したのをみていたら、つい、1994年のリリハンメルオリンピックでウクライナのオクサナ・バイウルが演技し金メダルを獲得した「白鳥の湖」を思い出した。オクサナが演じたのは黒鳥だったが、優美な手の動き、あくまでしなやかな身のこなしは二人がフィギュアスケートの世界で最高のレベルにあることの証明だと思う。決勝直前の怪我の痛みに耐えて舞ったオクサナの演技には鬼気迫るものがあり、その場に立ち会った者として終生忘れることは出来ない。しかし、今日の浅田の白鳥も、彼女の長いスランプを思えば決してオクサナにひけをとるものではない。人生の一瞬の輝き、オクサナのリリハンメルはまさにそれに当たるのだろう。
それにつけても、あの時、チケットを手配してくれた当時のノルウエイのクリスチャニア・バンク(2000年に合併されてしまった)のあの方は今どうしておられるのだろうか。