昨日、Amazonプライムで見た、2020年のフランス映画、クロード・ルルーシュ監督の「男と女 人生最良の日々」。
1966年に制作された映画「男と女」の主演のアヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンが同じ役柄を演じ、54年後のふたりの再会を描いた、ユニークな映画。監督も同じで、音楽も同じくフランシス・レイが死の直前に書き下ろしたもの。半世紀以上という歳月を経て、同じキャスト、スタッフが再結集した(できた!)という奇跡的な映画だ。そして主役の二人をこの間の歳月がどのように変えたかを見ることも出来る稀有な映画。二人ともすでに体が衰え長時間の撮影には耐えられなく、また、保険会社が二人の保険を引き受けないというのでたったの10日間で撮ったという苦労もあったと。しかし、二人の演技力はいささかも衰えていない。
この映画を見ていると、ルルーシュ監督の1981年の映画「愛と哀しみのボレロ」の中のセリフ、「人生は2、3パターンしかなく、人はそれを繰り返し、残酷なまでに同じ道を行く」というのが良く判る気がする。
この映画では56年前の映画のシーンがふんだんに使われている。特に信号無視を繰り返しながらまだ明けやらぬパリの市内を疾走する(レーシング・ドライバーだからお手のもの)車の中から見えるパリの風景が懐かしい。いや、たぶん今でも多くの所は同じように見えるのだろう。もっとも早朝といえども今ではあんな猛スピードで凱旋門やオペラ座の辺りを疾走することはできないだろうが。
わずかな登場シーンしかなかったが、モニカ・ベルッチの美貌も印象に残る。