回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

シリア情勢に進展

2012年11月26日 17時25分33秒 | 日記

昨日反政府軍がダマスカス近郊の空軍基地を制圧したことによりシリア情勢が新しい段階に入りつつある。問題はこれから一気に反政府軍によるシリア全土の掌握そしてアサド大統領の放逐とはいかないことだ。まず、弱体化したとはいえ、アサド大統領率いる政府軍は兵員数でも火器の量でも反政府軍に勝っているし、まだ使用していない兵器、たとえば化学兵器や長距離砲などがあり、簡単には軍事的決着がつかないと思われるためだ。

さらに、先般、ドーハで反政府政治勢力の大同団結が発表されたが、まだ、アサド放逐後、誰がそれを率いるのか固まっていないし、前線で実際に戦闘している反政府軍からの支援の確約も取り付けていない。反政府勢力は軍事面に加えて政治面でも脆弱であり、政府軍の反攻の可能性も否定できない。そして反政府勢力にとって最も懸念すべきは、今回のような軍事的勝利が報道されることにより、米国をはじめとする国外からの支援が弱まるのではないか、ということだ。もし、反政府勢力のなかで内紛が発生したりすると(もともと、反政府軍も必ずしも統一されたものではなく、いくつかの軍事的勢力が緩やかな連携を保っている面もある)、一層、国外からの支援に水を差すことになる。

したがって今回の空軍基地制圧に過大な期待をすることは危険だろう。

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冬の風景

2012年11月25日 15時30分07秒 | 日記

東京から北海道に移動。寒さが肌を刺すように鋭い。一昨日の雪が一部は消え、一部は氷になっている。今日は終日晴れ、空は青く、ポプラ並木はすっかり葉を落としている。ナナカマドの赤い実が北国の空を背景にして鮮やかだ。凍っているはずなのにつややかな実。

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シリア情勢

2012年11月24日 19時15分26秒 | 日記

このところ、イスラエルとハマスの戦闘そして停戦に世界の関心が移り、シリアの内戦についての報道が激減している。しかし、シリア情勢に大きな変化は見られず、これからは本格的な冬になることもあり難民の健康が危惧されるところである。いつになっても中東には平和が訪れない。そんなところで、たまたま書棚を整理していたら、1988年11月から1989年2月まで、西武美術館で開かれた「海のシルクロード・・・古代シリア文明展」の公式カタログが出てきた。227ページの大部であり、出展された277の展示物について詳細な説明がなされている。さすがは日本の印刷技術だけあって、今でもカラー印刷は鮮やか。

カタログには当時のシリア大統領ハフェズ・アサド(バッシャール・アル・アサド現大統領の父)からのメッセージも紹介されている。当時は多分医学生だったと思われるバッシャールは、その後英国の病院で研修しているが、その時は今のような冷酷な独裁者と呼ばれることを予想もしていなかっただろう。いまだベルリンの壁も崩壊していない当時からみれば、24年後の世界など、想像もできない。シリアはシルクロードの要衝として、また、ローマ時代の遺跡の数多く残る興味深い地域として当時の日本に迎えられたのだと思う。一冊のカタログから過ぎ去った時間を思い起こさせられた。

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どの国に生まれるのがベストか?

2012年11月23日 16時16分53秒 | 日記

英国紙The Economistの姉妹会社であるEconomist Intelligence Unitがこのたび発表した「The where-to-be-born index, 2013」は、2030年までの経済成長、平均寿命、政治的自由度、失業率、社会の安全性などの予測に基づいてどの国に生まれるのがベストなのかのランキングである。それによれば、スイスが首位で以下、オーストラリア、ノルウエイ、スエーデン、デンマーク、シンガポール、ニュージーランド、オランダ、カナダ、そして香港が10位となっている。半数が欧州であるが、ユーロ圏の国ではオランダ以外はトップ10に入っていない。これはやはり最近のユーロ危機が影響しているのだろう。そのほかの主要国では、ドイツとアメリカが同率の16位、フランスが26位、イギリスが27位となっている。一方、このランキングで最下位は80位のナイジェリア、ケニヤが79位、ウクライナ、バングラデシュ、アンゴラ、パキスタンが75位。アジア諸国では台湾が14位、韓国が19位、中国が49位となっている。因みに1988年のこの種の調査では首位はアメリカだった。

今回のランキングで、日本はと言えば、チリ、キプロスの同率23位に次ぐ25位、フランス・イギリスの前に位置している。このランキングでは、特に韓国にとっては日本に水をあけたということで大いに気勢が上がることになるだろう。

今回のランキングにどれほどの意味があるのか即断できないが、これも一つの見方だとすれば、日本の将来に対する警鐘とも言えそうだ。

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イスラエル/ハマス停戦合意

2012年11月22日 16時55分15秒 | 日記

約1週間の戦闘ののち、アメリカとエジプトの仲介でイスラエルとハマスの間の停戦が合意された。これによりハマスによるロケット攻撃とイスラエルによる空爆が停止されることになるはずである。しかし、米国ABCテレビのNightlineを見ていると、ハマス側には真摯に停戦合意を順守しようとする姿勢は全くうかがえず、過去と同様、本格的な中東情勢の安定は期待できない。イスラエルは来年早々選挙を控えており、ネタニヤフ首相としてもここで弱腰は見せられず、これからもハマスからのロケット攻撃(停戦合意後だけで20発のミサイルが発射されている)、それに対するイスラエルの空爆という構図にはやはり変化はないのではないか。そもそもイスラエルの存続を認めないハマスにとって、いかなる「停戦」もその最終目標実現のための時間稼ぎに他ならない。

オバマ大統領はイスラエルに対してその自衛権に全面的な支持を表明したうえで、停戦に合意したイスラエルの決定を称賛している。日本の一部マスコミのように、イスラエル悪玉論に凝り固まった論調からは中東情勢を正しく理解できない。恣にロケット弾を発射してよろこぶハマスの指導者たちのなんと醜悪かつ冷酷なことか。内部抗争で政敵を文字通り血祭りにあげながらテロリスト集団を指揮してきたハマス指導者と、選挙で選ばれるイスラエル政府をどうして比較できるだろうか。ロケット弾に逃げ惑うイスラエル人をみて恍惚としている狂信的なハマス指導者を見ていると、まるでオウム真理教の教主と重なってくる。

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