摂津国老朗おじさんのスローな日々

関西の四季を楽しむ老朗おじさんがゆるゆると瞑想しながら、植物観察と徘徊のスローな日々を楽しんでいます。

行く春や鳥蹄き魚の目は泪…と詠った人がいたなあ

2022年05月19日 | 関西の四季

卯の花の♪匂う♬頃はもう初夏になるねんなあ。
つい今しがたまで早春の息吹に一喜一憂していたのに、もう夏になるんやて
見出し写真はその卯の花。
次いで、早春から初夏までの移り変わりを教えてくれる地べたの草や花たち。
この春始めてスズランスイセンやタンポポを目にした時は嬉しかったな。
クサフジが蔓延(はびこ)っているのを見ると、また夏日が来るのかあと複雑な思いをしてしまう。これを春愁と言うのか。
春愁の句としては、ちょっと大上段に構えた感じの旅立ちの雰囲気が漂う唄があるなあ➡ 行く春や鳥蹄き魚の目は泪   江戸期の俳人にもいろいろな事情があった見たいで小生のような凡人はいろいろ考えてしまう。
さすが芭蕉は俳聖。この季節の近江にピッタリの句も詠んでいるね。
行く春を近江の人と惜しみける 
     

暑苦しい夏も悪いことばかりではない。近所のおばちゃんがくれたアブロチンがキレイに咲いて、毎日のようにおばちゃんが見に来てくれる。根詰まりしやすいらしいからテキトーな時期に植え替えをしなくてはならないのがメンドーやけどな。ピンクが華やかなこのタチアオイも近所のおっちゃんやおばちゃんが力を合わせて植え付けや水やりなどして見事に咲かせたもの。花の世話の極意やhow toを交換しているといつの間にか雰囲気が良くなる。植物は黙ってご近所の平和に貢献しているねんで。
 

おつぎは、今年になって初めて知ったこの花。5月に入ってから公園の花壇や道ばたの鉢植えでしばしば見かけるようになった。キキョウ科ホタルブクロ属でカンパニュラいうらしい。風鈴草とも。中学生の頃、学校で釣りがね草の歌ゆうのを歌ったことがある。そのつりがね草がこれだとは今の今まで知らなかった…花言葉は感謝、誠実な愛。真剣な恋。こんな言葉に出会うとたちまちタイムスリップして多感でもあった若い頃に連れ戻されそうや。
地中海沿岸原産で高温多湿に弱いので大阪では一年草みたいになっているけどもともとは多年草。冬越しは比較的簡単だけど夏をどう乗り切るかが問題やな。花の通販日比谷花壇によると、近年は品種改良が進んで育てやすくなっていると言うので、一度手元で咲かせてみたいという気にさせられた。



左はマメ科ベニコウガン属のベニコウガン←ねむの木の花に似ているので緋合歓(ひねむ)の別名もある。ただしこちらは常緑低木。南方出身らしくクッキリと赤く華やか。これに対してやや北方出身の合歓(ねむ)の木は落葉高木。花もやや繊細。
左は今年初めて咲いた赤いバラ。多分ダブルノックアウト。これからどんどんつぼみを膨らませていく態勢を取っている。若々しい姿。
 

ピラカンサスの白く小さな花。今は目立たず控えめだけど秋から冬の間は真っ赤な実をたわわに実らせ、冬枯れの野をしっかり見守り続ける。頼もしいヤツに変身する。蛍飛び交う夏のうちから厳しい冬を越すための備えを怠らずにいるねんで。そう言えば夏は来ぬの歌詞にも♬怠り諫(いさ)むる♩とあったよね。蛍雪の功なんぞよりもっと雄大な、自然界からの励ましの声をピラカンサスの可憐な花から小生は感じる。