作動記憶(working memory>
working memoryは、作動記憶と訳されます。すなわち、頭で「作業」するときに必要な「記憶」です。私たちが、計算・読解などの複雑な仕事を頭のなかで行うときには、必要とされる情報をどこかに記憶する必要が起きます。たとえば、私たちが暗算を行うとき、「記憶」をどのように利用しているのかについて考えてみましょう。ためしに、35×8という計算を、暗算してみてください。
今、頭の中には
・与えられた、「35」「8」という数
・問題の「×」という要求
・「8×5=40」「8×3=24」という計算するための要素
といった情報が一旦記憶され、それを使うことで計算をしたと思います。このような記憶が、ワーキングメモリー(作動記憶)です。つまりワーキングメモリーは、必要な情報を書き込む、保存する、あとで確認できる、という三つの働きを持ったメモのようなものです。ところで、さきほど指摘したような情報は、作業で利用した後はすぐに忘れてしまいましたよね。このような情報は短期記憶と呼ばれます。つまり、作動記憶とは、「短期記憶を一時しまっておき、また思い出すことを可能にする貯蔵システムである」と言えます。(SY)
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作動記憶とは、短期記憶に代わるモデルとして提出された、課題遂行中に一時的に利用されるタイプの記憶のことを言います。
作動記憶は音声、言語情報を扱う音韻ループ、視空間情報を扱う視空間スケッチパッド、これら2つを統制すると同時に課題遂行のための活動を担う中央実行系から構成されると言われています。音韻ループまたは視空間スケッチパッドでは情報の取入れが行われ、中央実行系が課題の経過を見ながら、どの記憶または作業へより多くの注意を払うかを調整します。
作動記憶の例は、私たちの日常の中から容易に探すことができます。例えば、私たちが数学の問題を解こうとする場合、問題中に「定数Kは…」という説明が入っていたとすれば、私たちは、Kが定数だということを一時的に記憶して問題を解かなければなりません。また、公衆電話を使う場合には、電話番号を暗唱しながら、テレフォンカードを取り出し電話をかけなければなりません。このように作動記憶とは、短期記憶のように記憶自体を目的とするのではなく、目標達成のために記憶を道具として用いる場合に使われる概念です。(HT)
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作動記憶とは短期記憶の考え方を発展させたものである。
「短期記憶が情報の貯蔵機能を重視したものであるのに対して、作動記憶は会話・読書・計算・推理など様々な認知機能が働いている間に情報がどのように操作される変換されるかといった処理機能を重視する。
例えば最初にあって名前を聞いた直後にその人の名前を思い出すことができれば、それは作動記憶の1つであり、二度目に会ったときにその人の名前を思い出すことができればそれは長期記憶の1つである。(OC)
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作動記憶とは、必要な情報を「一時的に保持」し「操作する」機能で、計算・判断・推論・思考・など様々な認知活動の基礎となるものです。つまり、日常の生活の中で少しだけ記憶に留めておき、計算・行動などが終わると忘れてしまう記憶のことです。
例えば、カップラーメンを作り、3分待っている間にテレビを見ているとします。テレビを見ている間、ラーメンを作っていることは記憶しています。他にも、会話などで、相手の会話の内容を全てではありませんが、ある程度覚えておかなければ会話はできません。このように私たちは日常の生活の中で活発に作動記憶を使っているのです。
これと同じように短期間記憶する短期記憶というものがありますが、それとの違いは、短期記憶は一定時間保存されて、その中の一部は長期記憶になっていくのですが、作動記憶はその場が終われば消滅してしまうというものです。この作動記憶はすぐに消滅してしまいますが、言語理解や推測などの認知機能の重要な基礎であると研究されています。そのため、作動記憶を活性化させることは、ちょっとした物忘れを解消する大きな役割を持っているかもしれません。(AG)
working memoryは、作動記憶と訳されます。すなわち、頭で「作業」するときに必要な「記憶」です。私たちが、計算・読解などの複雑な仕事を頭のなかで行うときには、必要とされる情報をどこかに記憶する必要が起きます。たとえば、私たちが暗算を行うとき、「記憶」をどのように利用しているのかについて考えてみましょう。ためしに、35×8という計算を、暗算してみてください。
今、頭の中には
・与えられた、「35」「8」という数
・問題の「×」という要求
・「8×5=40」「8×3=24」という計算するための要素
といった情報が一旦記憶され、それを使うことで計算をしたと思います。このような記憶が、ワーキングメモリー(作動記憶)です。つまりワーキングメモリーは、必要な情報を書き込む、保存する、あとで確認できる、という三つの働きを持ったメモのようなものです。ところで、さきほど指摘したような情報は、作業で利用した後はすぐに忘れてしまいましたよね。このような情報は短期記憶と呼ばれます。つまり、作動記憶とは、「短期記憶を一時しまっておき、また思い出すことを可能にする貯蔵システムである」と言えます。(SY)
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作動記憶とは、短期記憶に代わるモデルとして提出された、課題遂行中に一時的に利用されるタイプの記憶のことを言います。
作動記憶は音声、言語情報を扱う音韻ループ、視空間情報を扱う視空間スケッチパッド、これら2つを統制すると同時に課題遂行のための活動を担う中央実行系から構成されると言われています。音韻ループまたは視空間スケッチパッドでは情報の取入れが行われ、中央実行系が課題の経過を見ながら、どの記憶または作業へより多くの注意を払うかを調整します。
作動記憶の例は、私たちの日常の中から容易に探すことができます。例えば、私たちが数学の問題を解こうとする場合、問題中に「定数Kは…」という説明が入っていたとすれば、私たちは、Kが定数だということを一時的に記憶して問題を解かなければなりません。また、公衆電話を使う場合には、電話番号を暗唱しながら、テレフォンカードを取り出し電話をかけなければなりません。このように作動記憶とは、短期記憶のように記憶自体を目的とするのではなく、目標達成のために記憶を道具として用いる場合に使われる概念です。(HT)
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作動記憶とは短期記憶の考え方を発展させたものである。
「短期記憶が情報の貯蔵機能を重視したものであるのに対して、作動記憶は会話・読書・計算・推理など様々な認知機能が働いている間に情報がどのように操作される変換されるかといった処理機能を重視する。
例えば最初にあって名前を聞いた直後にその人の名前を思い出すことができれば、それは作動記憶の1つであり、二度目に会ったときにその人の名前を思い出すことができればそれは長期記憶の1つである。(OC)
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作動記憶とは、必要な情報を「一時的に保持」し「操作する」機能で、計算・判断・推論・思考・など様々な認知活動の基礎となるものです。つまり、日常の生活の中で少しだけ記憶に留めておき、計算・行動などが終わると忘れてしまう記憶のことです。
例えば、カップラーメンを作り、3分待っている間にテレビを見ているとします。テレビを見ている間、ラーメンを作っていることは記憶しています。他にも、会話などで、相手の会話の内容を全てではありませんが、ある程度覚えておかなければ会話はできません。このように私たちは日常の生活の中で活発に作動記憶を使っているのです。
これと同じように短期間記憶する短期記憶というものがありますが、それとの違いは、短期記憶は一定時間保存されて、その中の一部は長期記憶になっていくのですが、作動記憶はその場が終われば消滅してしまうというものです。この作動記憶はすぐに消滅してしまいますが、言語理解や推測などの認知機能の重要な基礎であると研究されています。そのため、作動記憶を活性化させることは、ちょっとした物忘れを解消する大きな役割を持っているかもしれません。(AG)