調節(accomodation>
調節とは、人間の発達において、心理学者ピアジェが提唱したものです。
ピアジェは、人間の発達を、シェマの同化と調節と考えました。シェマとは、認知的枠組みとも言われ、簡単にいうと、自分が存在している環境に適応するために、それぞれの人がもっている認知的な構造のことです。同化とは、自分のシェマに合うように情報を変化させて取り入れることを意味し、今日のテーマである調節とは、いまもっているシェマを修正することをいいます。かたい言葉だと難しいので、今回は例として、ウィンタースポーツのスキーを例に紹介します。
始めてスキーを体験する人は、テレビでみたりしたスキーのイメージなどをもとにして何とか滑ろうとします。つまり、今もっているシェマで、なんとか「スキー」という初めての状況に対応しようとします。これが同化です。でも、今もっているシェマではどうにも滑れないため、なんどもこけたりしながらも、徐々にこつをつかんでいきます。この状況はつまり、「スキー」という慣れない環境に対してシェマを修正している状況であり、これが今回のテーマである「調節」になります。その後、中級者、上級者コースへとスキルアップしていくときにも、同様に、同化と調節が行われていきます。(KJ)