危険予知力をつける
1)危険予知力とは
安全の先取りを保証するのが、危険予知力である。いつもとは違ったことをするときには必須
その構成要素は「危険察知力」と「危険回避力」の2つ。
○「危険察知力」
状況の中に潜在する危険を察知し、それへの対処をあらかじめ的確に予測できる力。これにも、2つある。
一つは、「現場に入る前のオフライン危険察知力」。現場に入る前に、想定内の危険を指摘できる力である。KYTでは、もっぱらこちらの予知力の養成を行う。危険との時間的、空間的距離が大きい。
2つは、「現場でのオンライン危険察知力」。今現在行っていることが危険を発生する可能性を事前に察知する力である。最近では、現場力の一つとして、その劣化が指摘されている。危険との時間的、空間的距離が小さい。
○「危険回避力」
必要に応じて想定される危険を回避したり、危険に遭遇した時の対処を考えることができる力。危険遭遇の実体験ができないので、仮想空間での体験をさせる(たとえば、中央労働災害防止協会の「産業安全技術館」)
2)危険予知訓練(KYT)をする
危険予知力、とりわけ、オフラインの危険察知力をつける具体的で有効な方策として、危険予知訓練(KYT)がある。ゲーム感覚で行ううちに、危険の存在するその現場での危険予知力も自然についてくることが期待できる。
例 中央労働災害防止協会発行の子どもKYT
例 中央労働災害防止協会発行の子どもKYT
危険満載のイラスト
危険箇所の指摘
どうしたら良いのかの議論
できれば、机上訓練だけでなく、実体験、とりわけ冒険体験の中で身につけられるような機会が用意できると良い。
危険予知訓練の効果には、次の4つがある。
・リスク感覚を鋭敏にできる
・関連する知識を活性化できる
・知識の高度化ができる
・リスク対処を適切にできるようになる
3)冒険体験、スポーツをする
ここでも、危険察知、とりわけ、オンラインのそれを身につけるには、冒険体験やスポーツが有効である。