ここでの祭開催は、「屋台、だんじりを通常通り運行すること」を意味するものとします。
●開催可否の決定
この夏に秋祭開催決定可否の決定がひとまずなされるところが多そうです(その後、岸和田春木地区、灘のけんか祭の自粛が決定しました。)。その判断の基準として絶対にしてはいけないのが、「他がやるからうちもやる」です。そもそも新型コロナがどんな性質なのか、それに対する医療がどんな状況なのかを知らないまま、判断するのは危険です。
そこで、医学オンチで理系科目赤点スレスレの管理人が調べたことを、できるかぎり分かりやすく記述して行きたいとおもいます。
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①「恐るるに足らずの例外規定」
②インフルエンザウイルスとの比較で見る新型コロナの性質
・共通点
・異なる点(新型コロナのタチの悪さ)
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①「恐るるに足らず」の例外規定
「ホンマでっか」の武田先生の「必要以上に恐ることはない、正しく怖がろう」「インフルエンザより死者数は少ないので、そこまで怖がらなくていい」といった主張、6月12日の大阪府の専門家会議で出た「自粛不要論」をもとに大っぴらに祭をして大丈夫という結論はかなり危険と言わざるを得ません。
武田先生の場合は、自身で公衆便所やスーパーでの購入物からの伝染の可能性が高いこと、高齢者は自粛不要の対象外であるという主張を展開しています。
また、大阪府の専門家会議で中野貴志氏が自粛不要論を唱えましたが、同会議内では夜の街での感染の危険性は依然としてあることが指摘されました。
物の共有、公衆便所の使用、夜の街の様相、高齢者と、祭に親和性の高い事柄が自粛不要論の例外となってしまっています😭。
②インフルエンザウイルスとの比較で見る新型コロナの性質
世界保健機関(WHO)の報告(Tanya Basu「新型コロナとインフルの似ているところ、違うところ=WHO報告」2020.03.12 MIT technology review )やこちら(山本健人「新型コロナウイルス感染症はなぜ厄介か? 季節性インフルエンザやSARSとの違い」2020.04.29 Yahooニュース」を元に、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの性質を比較してみましょう。
・似ている点
感染経路
接触感染が多いそうです。人→人、あるいは人→物→人の、感染が考えられています。一方で、新型コロナは飛沫感染の可能性も多いに考えられていること、物に付着してからの生存期間が数日に及ぶ物もあることなどが相違点として挙げられています。
症状
呼吸器系に悪影響を及ぼす、発熱、倦怠感を伴い、肺炎から死に至ります。
・異なる点(新型コロナのタチの悪さ)
治療方法の有無
とてつもなく大きな問題の1つがこれです。
インフルエンザ・・・ある
新型コロナ・・・・・ない
感染してから症状が出るまでの時間
インフルエンザ・・1日から数日
新型コロナ・・・・4日から8日
つまり、新型コロナは自分が感染したことに気づきにくいということになります。また、症状が出る前にも感染力を持っているので、知らずのうちに感染を広めている可能性があります。
ウイルスの排出期間
インフルエンザ・・2日〜7日
新型コロナ・・・・約20日 8日〜37日
新型コロナがかなり長いことがわかります。一見直ったように見えても、ウイルス排出の可能性があり、長期の隔離が必要となってしまうようです。
致死率
世界保健機関(WHO)の報告(Tanya Basu「新型コロナとインフルの似ているところ、違うところ=WHO報告」2020.03.12 MIT technology review )では、3〜4%となっています。しかし、東洋経済オンラインの統計を計算(2020.03.17〜06.24)する限りでは、国内での致死率は約5.4%となります。感染者のおおよそ3人に1人がロシアンルーレットをする計算になります。
そして、かなり手厚い医療を施しての結果の数字であり、医療崩壊などがおきれば、死亡率もグンと上がることが予想されます。
治療法がなく、気づかないまま他人に感染させ、致死率が高いウイルスが跋扈しています。その中で、夜の街の様相を呈し、公衆便所の使用が不可欠で、高齢者が多数参加する祭の開催はやはり厳しいと言わざるを得ません。
編集後記
ついついすがりたくなる恐るるに足らず論。ですが、よく聞くと、「これさえ気をつければ」の例外があります。その例外は、祭の様相そのものといえるのが、現状と言えます。
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