保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

桂川流域ネットワークの勉強会に参加してきました!

2006-03-24 01:10:37 | 保津川エコ・グリーン委員会
保津川の統一名称である「桂川」の流域に関わる人々が
河川や水の問題を考える「桂川流域ネットワーク」の
定例勉強会が京都河原町六条にある「ひとまち交流館」で
開催され、私達保津川遊船の船頭有志4名で参加してきました。

以前、亀岡市のガレリア亀岡で開催されたシンポジウム
パネリストとして参加したご縁で今回もお誘いをいただきました。

今日の勉強会は「世界の水問題について語る・Ethiopia in Africa」
と題して、シェム ケマル アンデタ氏(京都大学農学研究科・特別研究員)
が祖国エチオピアの深刻な水問題の現状を報告する講演と
桂川流域の強固な組織つくりへの提案の2本立てで進められました。

ここで問題が!第1講の「レジメ」として渡されたのは、
な、なんと!全て英語で書かれたレポートだったのです!
エチオピアの人が講演されるのですから、当たり前と当たり前ですが・・・

「おい~辞書を持ってきたらよかったな・・・」と私達は顔を
見合わせながら会場に聞こえないくらいの小さな声でぼそぼそ・・・

まあ~レジメの英文と睨めっこしながら、遠い昔に覚えた記憶を
頼りに何とか解読できる範囲である事を確認し、
少し安心して聴講に集中できました。

ナイル川の一つの源流地であるなど、アフリカでも多くの川の
水源地が点在しているエチオピアですが、高地にある地理的条件で
国内に川の水が流れてこない事やナイル川下流のエジプトに
ナイル川の水を完全に支配されているなどの政治的な背景もあり、
国土流れる全河川水量の4%しか水を使用していない現状を報告
されました。

「今、エチオピアに必要なのは保水能力のあるダムの建設です」
「しかし、母国は社会主義独裁で、海外のODAや援助は腐敗した
政治体制の中で消えていき有効的な政策に繋がらない」など
民主主義が生まれていない国での厳しい現実を話されました。

また、アラブで唯一イスラエルと有効な関係にあるエジプトが
アメリカの支持を受け、ナイル川の支配を独占し、エチオピア
開発に必要な資金を世界銀行が融資できないような圧力を
掛けているいるという衝撃の事実も飛び出しました。

「自国の人の命は日本を含めた先進国の手の中にある!」と
叫ばれた時は、この話が決して遠い国の悲劇だとは
思えなかったです。

前にも世界の水がなくなる?と題して書いたように、この世界で起こっている
水問題の悲劇に私達日本人が無関係ではないという事。

詳しくは上記の記事を読んでいただくとして、水問題に限らず
今、環境問題を語る時に考えなくてはならないのは、環境に国境はない
という事、それらは直接的ないし間接的に私たちの豊かな生活に
何らかの形で関わっているということを認識することです。

他国を助けないと自国も救われないという時代に私達は
生きているということに気づかざるを得ないということかもしれません。

後半の「桂川流域ネットワーク」の組織強化や活動方針に
ついて話し合われ、最後に私達が今、推進している「川の美化行動」について
少し報告させてもらい、川の再生に一考を投じさせて貰いました。


今日の勉強会は、私の最近のテーマである
「意識は世界・グローバルに、行動は足元ローカルから」
という「グローカル」の考えにも即したもので、
久しぶりにアカデミックな刺激を受けた一日でした。


とはいえ、私たちはまだまだ無知な部分が多いです。
これからも流域で仕事をするものとして
色々勉強させて頂きたく思います。

今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。