「日本よい国」
『春があって夏があって、秋があって冬があって、日本はよい国である。
自然だけではない。風土だけではない。長い歴史に育まれた
数多くの精神的遺産がある。その上に、天与のすぐれた国民的素質。
勤勉にして誠実な国民性。
日本はよい国である。こんなよい国は、世界にもあまりない。
だから、この国をさらによくして、みんなが仲良く、身も心も
ゆたかに暮らしたい。
よいものがあっても、そのよさを知らなければ、それは無きに等しい。
もう一度この国のよさを見直してみたい。
そして日本人としての誇りを、おたがいに持ち直してみたい。
考え直してみたい。』
この文章は「Panasonic」松下電器工業の初代社長・松下幸之助氏が
生前にの残された文章です。
松下氏が生前、社会に奉仕する企業理念の自己実現活動として進めて
こられたPHP研究所に事務局があるNPO法人武士道協会に
行った時に教えていただいたのがこの文章でした。
この文章を読んだ時、わたしは自分の仕事場である保津川と峡谷の
自然の風景と伝統ある歴史をすぐに思い浮かべました。
美しい四季折々の自然の移ろい、朝日に照らされ輝く保津川の奔流、
400年以上の長い歴史を蓄積とそこに生きてきた船頭の生きざま
など、なんと素晴らしい自然と伝統に恵まれた場所で仕事をしているのか。
散りゆくもみじ葉のなんと儚くも美しいことか・・・
寒風吹く川面に舟を浮かべ、もくもくと舟を漕ぐ船頭の姿・・・
日本風土の素晴らしさも、日本人のしての国民的素質も、
ここ保津川には凝縮され、具現化されている。
保津川のような所が無数に存在する日本。
松下幸之助さんが仰った「よき国」は確かに今、私の目の前にある。
「よき国」の風情をかもし出す‘初冬の保津川’を是非、ご堪能ください。