保津川下りの船頭さん

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‘おもてなしの心’と国際文化理解。

2011-11-01 14:11:13 | 船頭
国際間の文化の違いを相互理解することは本当に難しい。

ある観光地の会社でのお話。

そこのカフェ・コーナーである初老の男性がオレンジジュ​ースを注文された。
飲んでいる最中に不注意で、ジュースをテーブルの上にひっくり返してしまいました。

それを見ていたカフェの女性店員は中国人の方。
日本人との結婚して日本に来たそうです。

その現場をみてその女性店員は「ちゃんと自分で拭いておいてくださいね!」​と一言。

日本人の店員がびっくりして飛んできた。
「あっ、大丈夫ですよ。拭きますの気になされないで」と必死のフォロー。

拭き終えて帰ってきた日本人店員に「なんで​、そこまでするの?」と一喝。続けて
「中国では、自分のした失敗は自分で責任を持って後始末まで処理すべき!」​
「私は自分の子供たちにもその様に躾けている。子供でもできることが、
なんで大の大人にできないのか?そんなこともできないの、日本人は!」と
室内に響き渡る声でボルテージを上げたのです。

もちろんその声はジュースをこぼした男性にも聞こえています。

男性は「すいません」と詫びた後、申し訳なさそうにソソクサと退室されました。

「中国ではそうかもしれないけど、ここは日本。しかも‘おもてなし’の心を大切にする
職場​なので従ってほしい」と上司が指導すると
「そんな方針は間違っています。私​は従いません!」と強硬だ。

また仕事の時間も「9時30分からなら、その時間から始めるべき!
10分も前に出社するのがいいことなの?」と早く出社している人に疑問を呈す。


しかし、ここで勘違いしてもらっていけません。

彼女は仕事自体に対しては真面目で、ソツなくこなす人です。
なんでも本音で話すところはあるが、けして悪い人ではありません。

ただ「おかしいと思ったことは、おかしい」と言うべ​きだと主張されているのです。

日本の風習にも溶け込もうと努力もされています。

しかし、過剰ともいえる日本のサービスにはビジネスの範囲外であり
「それは仕事ではない!」という意識で、お金を払う人だからと
そんなに気を遣う必要があるのか?という中国人と日本人の意識の違いなのです。

さて、みなさんの会社にこの様な人が働かれていたら、どうなされますか?

文化の違いをが雇用問題に発展する可能性は、今後の日本では
十分に考えておかないといけませんよ。
国会に提案されている新たな「人権擁護保護法案」の整備により
文化の違いを解雇や不採用条件にすると「人種差別だ!」という声に
正当性がある時代になり、罰せられる可能性すらあります。

現場のほんの些細な異文化相互理解の難しさが、これからのグローバル化
に突入する日本社会の難しさを予感させる出来事です。

おもてなしの心という日本人が無条件で「矜持」と信じていたことが
国が違えば「過剰な行為」とみられるゆがんだサービス精神にみられる社会。

さて、あなたは受け止めますか?それとも・・・・

ちなみにその会社は寛大で「文化の違い」だとの理解もと、
特にお咎めはないということです。

※上記の写真は、当記事と直接的な関係はありません。