草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

台湾有事に備え海自の潜水艦の装備の充実を

2023年02月01日 | 安全保障
 地政学的に見て、沖縄の役割はどのような意味をもつのだろうか。アメリカの原子力航空母艦は、台湾有事の際には、ミサイル攻撃を恐れて、コミットしないのではないかとみられている。
 ロナルド・レーガンクラスは約5千人が任務に就いている。一隻沈められただけで、大損害を被ることになるからだ。中国から近い沖縄から米軍の戦闘機部隊を後方に下げるというのも、そうした観点からの措置である。
 また、倉前盛通は「日本政府も沖縄基地を重要視するであろうと考えることは沖縄の人々の自慰にすぎない。日本にとって琉球列島は通信情報上の重要地点にはなり得ても、攻撃的兵力の基地である必要はない。それゆえ、日本本土が必要な軍事力をもったとき、沖縄は昔と同じような平和な環境にもどることができよう」(『ゲオポリテック入門』)と書いている。
 中国は現在278基の中距離ミサイルを配備しているとみられる。その射程圏内のできるだけ後方に展開した方がより安全である。先島諸島や沖縄の自衛隊基地は、最初の一撃で壊滅的な打撃を受ける。玉砕戦法は死者の数を増やすだけである。
 我が国の反撃力の中心となる12式地対艦ミサイルは、陸上よりも潜水艦に搭載すべきだ。居場所を察知されにくいし、隠密行動が可能であるからだ。しかも、尖閣諸島付近に展開すれば、中国全土が射程圏内に入る。核ミサイルではなくても、原子力発電所や北京に向けて発射すればいい。さらに、中国軍が先島諸島を制圧しても、海自の潜水艦がうごめいていれば、すぐに孤立して音を上げるはずだ。
 沖縄を防衛するには、潜水艦こそがもっとも有効なのである。海上自衛隊は、昨年3月に最新鋭潜水艦「たいげい」が就役したことで22隻体制となった。ミサイルを搭載すれば鬼に金棒である。先の戦争の悲劇を繰り返すような地上戦は、最小限にとどめるべきなのである。

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