今の国会で一番大事なことが論じられていない。台湾有事の際に、在日米軍基地を使用させるかどうかの問題である。危機が迫っている今こそ、それが与野党の論戦の目玉になるべきだろう。
去る18日付の夕刊フジで、峯村健司氏が「日本は巻きこまれるのではなく当事者 米シンクタンクの台湾侵攻シナリオ第二弾 求められる政治の覚悟」という記事を書いている。
日本が在日米軍基地を使わせなければ、米軍は台湾を軍事的に支援することは難しく、あっという間に中国軍に制圧されるだろう。さらに、米国の日本への不信感が高まって、日米安保条約は、その時点で機能しなくなり、日本は中国の属国へと向かうことになるだろう。
日本が使用を認めれば、沖縄や佐世保などにある米軍基地は、中国からのミサイル攻撃や、工作員によるテロ活動の対象になる。自衛隊の損害も、想像を絶するものになるだろう。それでも、台湾を見捨てるようなことがあってはならない。
私たちは今こそ覚悟を決めなくてはならない。台湾を守り抜くために、米国と協力すべきなのである。台湾有事のシミュレーションが次々と発表されるが、そのカギを握るのは我が国である。できるだけ国民のコンセンサスを得なくてはならないが、断じて逃げてはならないのである。