創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

1946 26

2024-03-16 15:52:18 | 俳句日記
1946 26
ランドマーク
二上山(にじょうざん)は西のランドマークです。
三七年間通勤の車窓から眺め続けた山でもあります。
雄岳と雌岳が寄り添う姿は間違いようがなく、方向音痴な僕にはありがたい山です。
朝のウォーキングの友達です。
霞がかかると、仲のよい夫婦みたいな影になります。
当方は金婚式。あちら様は何婚式?

【一句】二上山夫婦の影の薄霞

1946 25

2024-03-15 10:29:40 | 俳句日記
1946 25
スイッチ
24の続きです。
朝からかなり強い雨。
傘が嫌いな僕は早足で歩きます(走れない)。
皮膚科で処置をしてもらった後あちこちで濡れました。
それにしても補聴器が効かないなあ。
「引きこもり老人」はひと月分ほど喋ったのに。
病院でもサンドイッチを買ったパン屋さんでも。
改札を通った時も。これは音が出ないのか?。なんか出たような気もするし……。
駅は暗く、静かでした。
「この補聴器あかんなあ」
あかんのは僕でした。
寝る前に補聴器のスイッチを切ったままでした。

【一句】補聴器のスイッチオフに春の雨


1946 24

2024-03-13 16:38:33 | 俳句日記
1946 24
時々老人性の疣(いぼ)が出来ます。
今度は頭に出来たみたい。
見えない。
仕方ないなあと言う感じ。
少し悩んで「先生に診てもらおう」と決心します。
昔。右頬にほくろがありました。
いや実は疣(いぼ)だった。
先生に窒素で焼いてもらって消えました。
兄弟が集まった時
「ねえねえ、わしの顔変わってへん?」
と、意気込んで訊きました。
兄弟は「わからへん」と一言。
「しっかり目をつむって下さいね」と先生の声。

【一句】疣(いぼ)を焼く女医の気配や春の雨

1946 23

2024-03-09 13:57:27 | 俳句日記
1946 23
サボテン
トイレ掃除をしていたら、窓辺にごく小さい鉢がある。
何か植わっている。
妻に訊いた。
「これなんや?」
「サボテン」
「サボってんの」
久し振りの駄洒落なのに妻は笑わない。
現役の時は、僕のおやじギャグは若い子に人気があった。
「そろそろ言うぞ」
そこで間一髪間を置いてのたまう。
どーと笑いが来る。
「生きてんの?」
「生きてるよ」
「水は?」
「たまーにやってる」
あの時10滴ほど水を遣った。

【一句】サボテンのミリの成長厠かな

1946 22

2024-03-08 14:54:48 | 俳句日記
1946 22
お鈴(おりん)
仏壇が我が家にやって来て三ヶ月ほど経ちます。
同じ部屋で寝ています。
光明真言を三度唱え次ぎに南無大師遍照金剛と三度唱えます。
その合間に叩くのがお鈴(おりん)。
そう呼ぶのを知りませんでした。
「おりん」の響きは清々しいですね。
三月句会に投句しました。
1点入りました。
その1点が嬉しかった。

【一句】春雨やお鈴の音の少し濡れ