創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

「トニー滝谷」

2006-01-14 11:53:26 | 映画・舞台
市川準監督作品である。「病院で死ぬということ」「大阪物語」の2作品はとても好きな映画です。村上春樹の小説と同様に76分の短編※です。また、小説と同様に奥が深い。小説の行間をどう映像で表現するか。ゆっくりとした画面転換。シーンとシーンがつながり融合していく。抑えた色彩。自然な科白。ストリーを正確になぞりながら*、その雰囲気も正確に伝える。小説と映画がこれほど見事に解け合った例を私は知らない。ラストシーンは映画のオリジナルだと思う。一つだけ挿入した。蛇足だと思うけれど、シーンも科白もとても美しい。
「もらはなくてもいいぐらいです」

もう一つありますね。出版パーティーのシーン。これは蛇足だと思います。

これも蛇足ながら、村上春樹作「レキシントンの幽霊」も素晴らしい短編小説です。

*76分が短編かどうかは意見の分かれるところです。前田陽一監督が講演会で90分が映画の最適な時間だと言っておられました。「娯楽映画」はと言っておられたかどうかは定かではありませんが。
*アシスタントの女性を募集する求人広告で小説が161センチ前後が映画が165前後センチになっているのに気づいた。