創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

貝の帆(4)「生」について考える

2006-03-18 20:06:02 | 読書
確かに私たちは一個の受精卵から始まった。だが、「自分」はその延長上にあるのではない。もともと「自分」とは何なのか。考えれば考えるほど分からなくなる。「自分」とは意識である。それは「生」の中から生まれ、「生」と共存しているように思われる。この小説の胎児に寄り添う一個の魂のように。
小説は今の季節、春に入った。3月25日(金)。この1日を読んで、ふと、幼い日の出来事を思い出した。小説の中身に触れるので、もしよろしければ、「貝の帆」抄で。

丸山健二「貝の帆」 (3)  「1日」

2006-03-18 09:42:31 | 読書
見開き2ページが1日。想像だが、日にちに合わせて作者は1日ずつ書いていったのではないだろうか。「生」の単位としての1日。1日の集積は季節になり、季節はやがて誕生までの十月十日となる。この本の1日は作者の1日であり、物語の1日であり、読者である私の1日でもある。