確かに私たちは一個の受精卵から始まった。だが、「自分」はその延長上にあるのではない。もともと「自分」とは何なのか。考えれば考えるほど分からなくなる。「自分」とは意識である。それは「生」の中から生まれ、「生」と共存しているように思われる。この小説の胎児に寄り添う一個の魂のように。
小説は今の季節、春に入った。3月25日(金)。この1日を読んで、ふと、幼い日の出来事を思い出した。小説の中身に触れるので、もしよろしければ、「貝の帆」抄で。
小説は今の季節、春に入った。3月25日(金)。この1日を読んで、ふと、幼い日の出来事を思い出した。小説の中身に触れるので、もしよろしければ、「貝の帆」抄で。