創作日記&作品集

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源氏物語 第二巻・大塚ひかり著(1)

2009-01-11 15:52:09 | 読書
谷崎源氏に挫折し、瀬戸内源氏も挫折した。窯変 源氏物語は長すぎた。だが、今度はいけそう。源氏物語ってこんなに分かりやすい話だった。とにかく人物描写が素晴らしい。源氏をめぐる姫君も、個性的である。末摘花は別格として、不美人もけっこう多い。須磨に落ち延びた源氏は初めての辛苦を経験する。都に帰った彼は、自分を見捨てた人に報復する。政治的策略も労する。人間くさい性格もきっちりと描かれている。「蓬生」の末摘花も素晴らしい。頑固だ。誰の言葉にも動かない。ひたすら源氏を待ち続ける。明石の入道はユーモラスだ。「絵合」の面白さは圧巻である。あっという間に「松風」まで読み進んだ。全部読まなくてもいいから、原文にあたって欲しいと、著者は言っている。では、どの巻を原文で読もうかと考えながら読むのも楽しい。第三巻の発刊まで日数があるから、佐藤友哉著「デンデラ」(新潮2009.1)を図書館で借りて読み始めた。これは面白そうだ。