「孤舟」・渡辺淳一著 2011-02-01 10:04:11 | 読書 題名が素晴らしい。孤舟は「ただ一隻浮かんでいる舟」である。四年前に定年を迎えたわたしにも共感できる部分が多い。ただ主人公は人をあごで使っていた管理職中の管理職。わたしはあごで使われていた身。主人公の焦燥も、孤独を深めるのもプライドである。真の悲しみは、自分が社会からも、家族からも不用になったという認識である。これはわたしにも共感できる。最後に少し光が差す。これですよ! みなさん。平凡で小さいが確かな物。孤舟であることに変わりがないが、そっと誰かの舟に寄り添うささやかな気持ち。