創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

時間

2016-06-22 13:39:07 | エッセイ
眠れぬ夜に、ふと、死んだ人を思い出す。
最初に母方の従兄がいた。二十歳代で心中をした。顔もはっきりと覚えている。
その時はまだ「死」に実感がなかった。
母方の祖母が死んだ時、棺の中の祖母を見せられた。
祖母は白い瀬戸物になっていた。
「ばあちゃんはいない。永遠に失われた」という実感が私を恐れさせた。
自分も死ぬのだ。
次に父方の祖母、本家の長男。しゃべって笑っていた人間が次々消えていく。
上司、友達、義父、父、母、叔父、その先に自分がいる。
みんな白い瀬戸物になる。

世論

2016-06-22 13:07:17 | エッセイ
『大きな鳥にさらわれないよう』・川上弘美著を読んでから、「大きな鳥」について考え続けている。
「大きな鳥」とは何であろう?
小説から少し離れるが、世論もその一つだと思う。
為政者は世論を重視する振りをして、主張の順番を変え、時々嘘を混ぜる。
世論が為政者を動かすこともある。だが、とても危険なのは、為政者と世論が一つになった時だと思う。
先の戦争もその例だ。民衆も戦争に手を染めたのである。