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そして何事もなく去って行きました。
一本の寒菊揺れる憂国忌
去年の俳句です。
生きていれば三島さんはいくつになったのだろう?
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彼はこの年齢に耐えられただろうか。
答はノンである。
『声でつづる 昭和 人物史・三島由紀夫・1964年 5月29日 放送 NHK ラジオアーカイブス』
決起の録音とともに、「老い」への嫌悪が語られている。
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癌になるのは嫌だ。
年寄りになるのは嫌だ。
その果てに自死があった。
75才になった私は分かる気がする。
老いていく自分を恐れた。
ただただどう死ぬかを考えた。
彼は本音で喋っている。
純度99.99%の水のようだ。