ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2009.12.28 ハーセプチン74回目、乳腺エコー

2009-12-28 20:49:36 | 治療日記
 今日は仕事納めであるが、通院納めの日となった。
 おととい書いたとおり、土曜日から息子がトムソーヤクラブ主催の子どもだけで行くスキーに出かけている。
 鬼のいぬ間に(?)昨日は夫と病院の最寄駅のホテルに1泊。夫はそこから出勤し、私は通院することにした。前日はホテルに併設された岩盤浴と温泉でゆっくりすることができた。脱毛して以来大きなお風呂に入ったのは本当に久しぶりだった。ほとんど誰もいなくて気兼ねなくのんびりできた。
 ただ、電車に乗り換えるとき、夫の後をついて小走りに左足を電車に入れたのだが、ちょうどドアが閉まりかけ、右肩に触れた。その拍子にバランスを崩し、右足が電車とホームの間に落ちてしまった。左足は電車に乗っていたので、当然バランスを崩し左にしりもちをついた。一瞬何が起こったのかわからなかった。ごついブーツを履いていたのが幸いだったが、打撲で内出血してしまった。後から、もし反対にバランスを崩していたらと、ぞっとして震えがきた。「危険ですから無理なご乗車はおやめください。」を身をもって体験し、反省した。

 先週「最終日なのでは点滴がとても混みますから、なるべく早く来てください 。」と先生から言われていたので、いつもより1時間ほど早く病院へ入った。夫が一足先に出たが、その時には降っていなかった雨がぱらぱらしていた。先に内科で診察の後、皮膚科へ、内科に戻って点滴をして、午後から乳腺エコーという盛りだくさんの日程だった。
 診察では、やはり手指のこわばりが日中もあること、胸の傷口は押せば痛い程度、ということをお話しした。皮膚科では手の爪、足の爪を診て頂き、足もラップでくるまず、ケラチナミンを朝夜塗るだけでよい、ということになった。徐々に良くなっている。処置室に戻り、検温、血圧の後、針を刺して薬を待つこと30分ほどで、順調に点滴が終了した。乳腺エコーの予約時間に十分間に合う時間だったので、ゆっくり昼食がとれた。
 午後の指定時間に乳腺エコー。今日は両胸だけでなく首から肩まで検査があった。結果が年明けで気になるところだが、気に病んでも仕方ない。先日の職場検診の時よりもそれほど時間がかからなかったこと、サイズを測ったり、プリントしたり、という作業があまりなかったように見えたこと、を良しとしたい。

 今日は2冊の本が読めた。1冊目は清水久典さんの『死にゆく妻との旅路』(新潮文庫)。来年映画化の予定と聞いている。作家の高山文彦さんが現代道行考で絶賛なさっているが、末期の大腸癌におかされた妻は摘出手術の後、早ければ3ヶ月で再発する、と医師から突き放されている。その状況で長い放浪の旅に連れまわし、結局、妻の意向で病院に行かずに車の中で息を引き取る。夫と年が離れているところなども自分と重なってしまい、ちょっと辛くなった。
 2冊目は河本敏浩さんの『名ばかり大学生 日本型教育制度の終焉』(光文社新書)。帯には”21世紀の大学生は70年代の暴走族レベル?”とまで書いているが、本当に子どものために良かれと思ってやっていることが果たして本当に良いことなのか自信がなくなってしまう。息子はちょうど小学校が全て「ゆとり教育」にあたっていた。今は大学職員である私だが、どうも大学院生が昔の大学生、学部生は高校生、という感じを受ける。学生確保のためのAO入試の功罪もあるだろう。また、息子が中学受験をしたときに、国語で大学入試問題と同じ文章が出ているのを目にしたことがあった。12歳で選別され、その後は逆転ができない。そういう社会はやはりおかしいのだろう。いろいろ考えさせられる1冊だった。

 今年の通院日数は、1月6日のハーセプチン25回目・タキソテール3回目から、本日のハーセプチン74回目・乳腺エコーまで、52日に及んだ。領収書もそろったところで、確定申告用の書類も整理もしておかないと・・・。私の今年の医療費は合計で160万円ほど。夫と息子2人がかりでの1年分は、私の1か月分にも満たない。それでも今年は1日も入院しないで通院だけですんだ。
 来年もこの調子であせらず、あきらめず、頑張り過ぎず、過ごしていければいい、と思う。
 年明けは1月5日の通院が最初だ。


コメント
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