ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.9.1 ハーセプチン108回目、ゾメタ41回目、心エコー撮影

2010-09-01 19:15:21 | 治療日記
 今日から9月。相変わらず朝から真夏の日差し。電車は順調だったけれど、病院の最寄り駅までずっと立ちっぱなしで、到着まででかなり疲労困憊。
 月初めの採血は思いのほか空いていて、わずか15分ほどの待ち時間で無事終了。記憶にある限り、今までで最速だったと思う。しかもいつも当たらないかな、と思うほど針刺しが上手で全く痛くない看護師さんにやって頂いてラッキー。
 採血が混んでいたらとりあえず順番だけとって、先に心エコーに行ってから採血に戻ることも覚悟していたのに、余裕で間に合った。15分ほど撮影した後、内科受付へ。
 小一時間待って診察室へ。先週1週間、気にしすぎかもしれないけれど、胸部の違和感がかなりあること、呼吸のたびに胸部と肩甲骨の痛みもあることをお話する。心エコーのレポートは最終的には循環器の先生が診て書いてくださるそうだが、技師さんの結果では、前回と特に変わりなしで、問題ないと思う、とのこと。
 「治療は来週からスタートでよいですか。」と先生から最終確認があり、「お願いします。」とお答えする。今回の採血結果で白血球は4500ほどあるので、次回は採血せずにナベルビン投与を開始。1週目が終わって2週目のタイミングで白血球が下がることが多いので、次々回は白血球を確認してからの投与とする、とのこと。
 診察室での検温は7度2分。今日の夜でヒスロンHもすべて飲みきる。
 また、今後、投与後に白血球・好中球の低下で感染症による発熱があると、休暇をとらなければいけないが、なにぶん有給休暇がないので、ということで副作用により自宅療養を要することがある旨の診断書を再度書いて頂く。
 処置室に移動すると、少なくともあと30分は椅子が空かないし、薬も来ないし、ということで売店でお昼を買って廊下で読書しながら待つ。
 椅子を確保する前にベッドで針刺。やはり痛む。当初ポートを入れたときの位置よりもだいぶ外側にポートが移動している感じで、でっぱりが下着にもあたる。「あと5ミリ内側にあると針刺しのときにも大分力のかかり方が違って痛まないのですが・・・」とお話すると、看護師さんから「確かに外側にずれたように思うけれど、もう周囲の組織で固定されていると思うので、また内側にずれるということはないと思う。」と言われ、ちょっとがっかり。

 お昼すぎに点滴スタート。今日はゾメタも含めて4本。終了までにたっぷり3時間。
 帰り際に来週の点滴の確認。最初にハーセプチン、次に吐き気止めのステロイド、ナベルビン、生理食塩水ということで4本。2時間強の予定とのこと。前回のタキソテールのときのように前日から翌日にかけてステロイドを内服することはないとのこと。ほっとする。やはりステロイドを飲むと、お腹の調子がどうしても悪くなるし、顔にも吹き出物が沢山できた苦い記憶があるので。
 初回投与も入院せず外来で行うが、処置室で心電図をとりながら慎重に投与するので、心配ないとのこと。

 いよいよ来週から始まる。今後腫瘍マーカーが下がって正常値になり、画像上の影が消えたとしても薬が効いている限りは点滴は続くとのこと。もちろん、日常生活に支障が出るなり、仕事が続けられないほどの副作用が出るという場合には休薬期間もある、とのこと。なるべくQOLを落とさないで長期間奏功してほしいものだ。
 帰りに腫瘍マーカーの数値も出ていたので聞いてきた。前回より0.4のアップ。どーんと上がっていたらあきらめもつくか、とは思っていたが、とりあえずほっとする。

 今日は4冊読めた。
 1冊目は河合隼雄さんの「こころの処方箋」(新潮文庫)。今年の新潮文庫の100冊。かつて読んだ記憶があるが、また買ってしまった。1988年から1991年まで「新刊ニュース」に連載したものに新たに書き加えたものというが、これだけの時間が経っているというのに本当に今もなお珠玉の輝き、という文章だ。「あなたが世の理不尽に拳を振り上げたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩む心の声の微かな震えを聴き取り、トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。この、短い一章一章にこめられた偉大な「常識」の力が、必ず助けになってくれるだろう。」という裏表紙のとおり。
 2冊目は長山靖生さんの「子供をふつうに育てたい」(ちくま新書)。「児童虐待、ひきこもり、いじめ、自殺、家庭内病力、急増する『キレる』子供たち・・・うちは大丈夫?」という帯。普通の子育てが難しくなってきている・・・というが、本当のところ「ふつう」とはいったい何なのだろう、と考え込んでしまった。
 3冊目は青山七恵さんの「ひとり日和」(河出文庫)2007年の芥川賞受賞作。以前から読んでみたいと思っていた。解説の野崎歓さんが書かれているとおり「いかにも透明感のある文章で綴られており、つつましい佇まいのうちに、試練に立ち向かう粘り強さと、他者を尊重する誠実さを備えている。その核には、現代の小説としてとても貴重なポジティブな精神がある。」という印象。若い元気をもらった感じだ。
 4冊目は志村季世恵さんの「いのちのバトン」(講談社文庫)。『親子関係にトラブルをきたしている人、末期がんを患う人・・・。大きな苦しみを抱えて孤独に陥った人のかたわらで、そっと耳を傾け、人や自然とのつながりを心に取り戻したり、悩みに支配された心の中の整理整頓を手伝うバースセラピストの、奇跡のエッセイ集。』という裏表紙。確かに読後感は爽やかで、とても癒された。

 今日は診断書の支払いもあったので、自動支払機で会計ができず、窓口会計だったため、30分ほど待った。
 病院を出ると、まだジリジリとした熱線のような日差しで、ほとほとまいった。日傘を差していても、腕や首等に日があたると、なんだか皮膚が焦げて行くような感じがした。
 買い物をしながら帰宅したので、結局いつもと同じ時間。あっという間に真っ暗になってしまい、焦ってしまう。


コメント
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