ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.12.25 ハーセプチン172回目(3倍量34回目)―クリスマスは治療納め

2013-12-25 20:48:43 | 治療日記
 今年最後の通院日。
 「今日は学校の机の中に置いてきた荷物(返された模試やらテスト等!)を回収して、来月受験するセンター試験の会場になっている大学を下見してから塾に行く。」という息子を「病院に行く日なのだから、早く早く!」と追い出して、なんとか私も予定の時間に家を出ることが出来た。
 さすがに年の瀬、お天気は良いけれど霜柱があちこちに顔を出しており、かなり冷え込んでいる。最寄駅からの私鉄、その後のJRとも電車は順調。JRは心なしかいつもより空いている感じだが、学校がお休みに入った所為か。途中駅で席を確保出来、読書を愉しむ。

 病院に入り、自動再来受付機でIDカードを通す。今日は前々回同様、診察とハーセプチン点滴だけの予定なので、そのまま腫瘍内科受付へ移動。受付もスムーズで待合椅子もまだそれほど混んでいない様子だ。

 お手洗を済ませ、飲み物を買ってきて戻ると、なんと早くも「中待合へどうぞ」のランプが点いている。慌てて自動血圧測定機で計測した結果は103-69、脈は92。やはりちょっと高めのようだ。その後、中廊下で待つこと30分ほど。今日も出だしから順調だ。
 先生が診察室から顔を出され、ご挨拶。「さて、1週間変わったことはありましたか。」と問われる。「おかげさまで今週は、ロキソニンを朝1回だけで済みました。寒いので痛みはありますが、相変わらずです。」とお答えする。診察室での検温は6度6分。
 PC画面には先週撮影したCT結果が既に映っている。「概ね、前回の診立てどおりでした。いずれも、ゆっくりと大きくなっている、ということです。」、「ただ、かつてこちらに転院してきた時、両肺に無数の影があった時と比べれば、影が増えているわけではなく、もともとあったものが大きくなっているということです。」と。ほっとして「出来れば息子の受験が終わるまでは今のままの治療で粘りたいのですが、大丈夫でしょうか。」と問う。
 「受験が終わるのは2月ですか?」「はい、来月センターで、2月が私大で・・・それまで大丈夫でしょうか。」と答えると、「ただ、気になることがあるとすれば・・・」と画面をスクロールされる。9月初めのと先週撮った今回の画像を比較しながら、「大きな影の場所が心臓に近いのです。心臓は常に動いているので、腫瘍がそうそう簡単にくっついて浸潤するわけではないが、もし浸潤すると心臓を覆っている膜(心膜)の間に癌細胞が散らばって水がたまり、動悸や息切れという症状が出る。今はちょっと離れているけれど、このまま大きくなると・・・。」と。確かに、前回は心臓から距離があるが、今回は大分すれすれまで来ている。「3か月半でこのペースなのでゆっくりではありますが」と言って頂くが・・・。「また、左の肺動脈に近いものもあり、この腫瘍が大きくなると血管が潰されて、肺が・・・。まあ、影が(他の臓器と接触しない)肺の真ん中にあってくれれば問題ないのですがね。」とのこと。
 うーん、どうしたものか、と黙っていると「折衷案として・・・」と先生が切り出される。「ちょっと早いかもしれないけれど、1月下旬に再度CT撮影し、不変であれば今の治療を続ける。もし大きくなっているようなら早く対処した方が良いでしょう。」と。今回提案されているのは、内服抗がん剤のゼローダと分子標的薬ラパチニブ(タイケルブ)。手足症候群と下痢や湿疹が大きな副作用だが、先生がおっしゃるには、薬をチェンジしても内服なのでそれほど急激に体調が崩れるわけではないとのこと。やはり4月のT-DM1まで粘るのは無理そうだ。

 今日は予定通りハーセプチン治療をし、次回は3週間後に採血、レントゲン撮影の後、フェソロデックス注射とハーセプチンの予約が入った。そして月末に造影CT検査。その結果次第では、受験中ではあっても2月にいよいよ薬の変更だろうか。
 今年一年のお礼と良いお年を、のご挨拶をして、診察室を後にする。

 化学療法室へ移動。ご挨拶して部屋に入る。今日もまだそれほど混んでいないように見える。それにしても、病院内はあまりにいつも通りで、あと1週間したらお正月という感じは全くない。
 待ち時間に再度血圧を測ると106-60、脈は78。先ほどより大分落ち着いている。Okさんから点滴椅子に案内される。今日は久しぶりに窓側に案内される。内側と陽だまりの窓側では、暖かさも明るさも全然違うので今日はラッキーだ。
 体勢を整え、10分ほど待っているとOkさんがポートの刺針にみえる。今日も残念ながら痛点に当たったか、痛んだ。一度痛点にひっかかると、針が安定するまで逆血確認の間もチリチリと痛む。ようやく針先が落ち着いて薬が届くのを待つ。その後15分ほどして、今日の担当のIさんが薬を持っていらっしゃる。ハーセプチンと生理食塩水の2本がスタート。いつものように1時間半ほどかけて2本が無事終了。メールで夫や友人に状況報告等をしていると、針刺し名人のOさんが声掛けに来て下さる。前回、前々回とちらっとお顔を見て会釈しただけだったので「お久しぶりですね。体調はいかがですか」と声をかけて頂き、嬉しくお喋り。読書はあまり捗らずじまい。抜針もIさん。バッチリ大きな衝撃があり思わず顔をしかめてしまう。今日は針についてはアンラッキーデーだった。終了時の血圧は105-68、脈は56。お昼の時間に終了した。
 化学療法室の看護師さんたちに年の暮れのご挨拶をして、化学療法室を出た。ああ、もうかれこれ6回目のご挨拶になるのだなと思うと、何とも感慨深い。

 会計もすんなりで、殆ど待たずに自動支払機に進め、今日も4万円弱の支払い。本日の病院滞在時間は3時間半弱。前回1か月分ロキソニンを出して頂いたので、薬局にも寄らずに済んだ。

 病院を出て、駅ビルで一人、本を読みつつのんびりちょっと贅沢にクリスマスランチを愉しむ。ふと気になって癌性心膜炎等をスマホで調べてしまう。心臓はがんにならない臓器だと言われているし、乳がんの心転移は珍しいようだが、確か3年近く前に亡くなったペコさんが癌性心膜炎による心タンポナーデで、心のうドレナージ手術を受けていらした。この症状があると一般的には予後は非常に悪い。ペコさんは術後2年間生き抜かれたけれど、余命が年単位ではなくなるようだ。そう考えれば、受験だから~とか、今のようにヨガに行きたいから~などと呑気に構えている場合ではないかもしれない、とちょっと反省する。
 そうならないために、年が明けたらきちんとCT結果を見て治療変更に踏み切らなくては、と覚悟する。

 帰りはラッシュにもあたらず、暗くならないうちに家に辿り着けた。
 明日、明後日の2日間出勤すれば今年も無事終了だ。今年の通院回数は28回。支払った医療費は110万弱。毎年のことながら、そして3か月後に還付があるとはいえ、やはり大きな金額である。そのおかげで今、こうして生きていられるのだから感謝しなければならないのだけれど。

 さて、我が家のクリスマス事情。
 昨夜のイブは息子が塾帰りで遅い夕食だったが、夫や息子の好きなクリスマスメニューをちょっぴり贅沢に揃え、シャンメリーで乾杯。クリスマスソングをBGMに予約注文していたお洒落なクリスマスケーキを愉しんだ。
 私から夫と息子には、桜餅か鶯餅かと見まごう春色のセーターを贈り、夫から息子には、息子が好きなメジャーリーグチームのトレーナーが贈られた。大学入学祝だと思っていたという息子は大喜び。私は夫から現物支給ではなく大枚(!)を頂いたので、じっくり選んで何か買わせて頂くつもりだ。
 一夜明けてクリスマスの今朝。もうサンタさんは息子の枕元にプレゼントを置いては行かなくなった。そしてごくごく普通の一日になった。
コメント (4)
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