ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.8.13 お疲れ様の温泉一泊旅行へ出発

2016-08-13 22:48:06 | 
 ようやくの土曜日。息子帰省中最初で最後の土日である。一昨日父の法要もなんとか終えたところで、この1か月余りの母の慰労を兼ねて、4人で温泉一泊の旅にやってきた。

 普段より少し遅めに起床し、BSで朝の連続テレビ小説を視る。主人公の妹の結婚式での挨拶シーンに朝から目がウルウルしてしまう。寝坊助の息子を起こし、朝食を済ませていざ出発。母とはJR乗換駅で無事に合流して、私鉄駅でロマンスカーの切符を手配する。

 既に夫がネットで予約してくれていたのだけれど、息子が明日の午後に都心で開催される合唱のコンサートチケットを買ってあるということで、急遽帰りの電車の特急券を変更したり買い直したりでモタモタ。随分早めの到着だったので、ロマンスカーに乗る前にお茶する時間もあるかも、と思って出かけたけれど、とんでもなかった。

 予定通りのLSE車に無事乗り込む。母はこれまで父と車でばかり移動していたので、ロマンスカーに乗るのは数十年ぶりだという。車内でお茶とお菓子を摘まみながらあっという間に湯本の駅に到着。4人でボックスシートに向かいあえば、僅か1時間の車中もすっかり旅気分になって盛り上がる。

 少し雲が出ているかと思ったけれど、お天気はまずまず。風もあって都心より凌ぎやすい。駅前のお蕎麦屋さんに並んで昼食を摂る。夫が前から気になっていたというお店は奥行きが広く、天井が高くクラシックな雰囲気。けれど、何分量が上品過ぎて息子も夫もとても足りない。私や母でさえペロリなのだから当然か。それに、都内の一流店以上にいいお値段。なかなか・・・、である。

 ホテルに到着したらまた食べ直そうということで、タクシーで宮ノ下のホテルに向かう。いつもなら登山電車に乗ってフリーパスでウロウロしながら、なのだが、さすがに高齢の母と一緒なので今日はホテルに直行。

 このホテルには、以前息子が修学旅行中で不在だった時に夫と二人でお世話になった。クラシックホテル巡りをしてみようと意気込んでいた頃で、全ての客室に花の名前がつけられた、千鳥破風の屋根と校倉造りを模した壁が象徴的な花御殿をチョイスした。今回は女性に人気だという鎧戸付きの上げ下げ窓の外観、典型的な明治期の洋館、築110年の西洋館。
 実は父がこのホテルに一度泊まってみたいと言っていたそうだ。残念ながらそれが叶わぬ身になったので、母が父の遺影を携えて訪れた。

 チェックインの手続きをして、荷物を預け身軽になる。お部屋に案内出来るのにあと小一時間ということで、ラウンジでアップルパイと紅茶で一息。緑豊かな窓の外を眺めながら贅沢で緩やかな時間が流れる。

 夫と息子、母と私で二部屋に分かれた。赤い絨毯が引かれた階段はちょっと急勾配で母にはしんどそうなのが玉に瑕。お部屋の天井はとても高く、いかにも当時の外国のお客様向けといった感じ。室内のお風呂にも温泉が引かれていて私たちの部屋は猫足のバスタブだ。

 荷物を片付けて、夫と小さい頃から虫が大好きな息子は、強羅公園で開催中のカブトクワガタ展を目指したが、残念ながらクローズの時間で、やむなく早雲山まで行ってとんぼ返りしてきたという。

 母と私は2人を見送り、部屋でお茶をしてのんびり。不老泉という名前の浴場でゆったり手足を伸ばした。お湯は柔らかくすっかりリラックス。母は「温泉の大きなお風呂なんて何年ぶりかしら、気持ちいいわぁ」ととても嬉しそう。そんなに長いこと出かけていなかったのかと、年中あちこちに出没している私としては、ちょっと申し訳なく思う。
 庭園も素敵なのだけれど、アップダウンが激しいので夜は足元が悪いため、母を連れて歩くのは断念。
 
 2人が帰ってきてからは、80余年の歴史を刻むバーでオリジナルのクラシックカクテルを頂き、高山植物や野鳥が描かれた格天井と彫刻が見事なメインダイニングルームで、料理長が選んだという往年の復刻ディナーコースを心ゆくまで愉しんだ。たっぷり2時間かけてお腹がはち切れそうなほど。
 さて、お腹ごなしにもう一度お風呂を楽しんでくるとしよう。

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