ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2018.6.17 トリプル祝いの日曜日、朝から晩まで出ずっぱり

2018-06-17 23:52:13 | 
 昨夜はすっかり草臥れて、日付が変わる前に眠りに落ちた。そして珍しくお手洗いにも起きずに6時間ほど連続で眠ることが出来た。目が覚めたのは、目覚ましをかけた時間より2時間も早かったが、日の出が早いので、カーテンから漏れる朝日が眩しい。ベッドでうだうだしていたけれど、結局そのまま眠れずじまい。
 身支度をして朝ヨガと瞑想をして、レストランへ。日曜日は寮の食事が出ない息子がホテルまでやってきて、3人揃って洋食セットメニューをのんびり頂く。

 食休みもたっぷり取って、足のケアも済ませていざ出発。今日も良いお天気。暑くなりそうだ。息子は準備よろしくサングラス着用である。まずは新大阪の駅までJRで移動して、水族館と市内全線の地下鉄1日乗り放題のセット切符をゲット。

 コースは息子に全てお任せの一日だったが、まず国の重要文化財に指定されている市の中央公会堂を目指す。中之島のシンボル、文化・芸術・学術が響きあう場であるこの公会堂は、今年、開館100周年で様々な記念イベントが行われているようだ。ちょうど結婚式もあり、お洒落をした若い人たちが沢山いて華やかだ。ショップでも洒落たグッズが色々並んでいる。限定デザインのお菓子を買った後は館内を自由に見学。
 大正時代貴賓室として使用されていた特別室は、今では映画のロケや挙式会場として使用されているという。窓一面に広がるステンドグラス、壁や天井、大理石の床等内装は実に見事。

 リバーサイドの遊歩道は市民の憩いの場といった風情で、お散歩する人たちの姿が。東京でいうなら日本橋なのだろうか、立派ななにわ橋を渡り、再び地下鉄を乗り継いで次なる目的地は大阪天満宮。湯島天神で就職守りを頂いて、お礼参りは家族揃ってこれからお世話になる土地の天満宮で。菅原道真公もお許しくださるだろう。来月のお祭りの打ち合わせの寄り合いがあるようで、沢山の威勢のいい人たちが続々と境内に入って来てちょっと圧倒される。

 暑くて喉が渇いて草臥れてくる。水分を補給してちょっと一休み。足が痛んでは今日一日が台無しになってしまう。地下鉄の階段の上り下りはひたすら避けて、エレベーターとエスカレーターのお世話になる。

 3つ目は息子が内定を頂いている私鉄の本社ビルへ向かう。気温もぐんぐん上がっているようで、まるで真夏のよう。さすがに日曜日でビル内には入れなかったけれど、4月からお世話になりますと、外観をバックに記念写真を撮って来た。

 お昼も大分過ぎ、隣接するショッピングモールのレストラン街で遅めのランチタイム。夫と息子はお寿司を所望したのだけれど、お腹がイマイチ心配な私は、遠慮させていただく。フードコートでそれぞれが好きなものをチョイス。

 最後の目的地は、以前から訪れてみたかった水族館、海遊館だ。地下鉄を乗り継ぎ、大阪港へ移動。4年前に遊びに来た時には遊覧船サンタマリア号に乗ったり、観覧車に乗ったりしたけれど、今日は海遊館のみの訪問だ。沢山の家族連れやカップルで溢れている。レゴで作った巨大なキリンがお出迎え。

 大阪港に隣接したこの水族館は「地球とそこに生きるすべての生き物は互いに作用しあうひとつの生命体である」という“ガイア仮説”をテーマにしているという。太平洋を取り囲む環太平洋火山帯と、環太平洋生命体の2つのリングをコンセプトに、自然環境を再現したそうだ。

 入館ゲートを通り抜け、旅のスタートは魚の通り抜け・アクアゲートから。カラフルな魚やエイがお出迎えしてくれる海中トンネルを潜る。長いエスカレーターで最上階の8階まで登り、螺旋状のスロープに沿って降りながら4階まで降りてくる構造になっている。日本の森と水辺で暮らすカワウソやオオサンショウウオ、アメリカ西海岸のカリフォルニアシカやゴマフアザラシ、アカハナグマやハリセンボンがいると思えば、熱帯雨林のピラルクやカピバラの姿も。カピバラはちょうどお食事中で、飼育員のお姉さんに頭を撫でられるところりと寝てしまって可愛いこと。

 ペンギンたちの雪と氷のパラダイス南極大陸では、アデリー、ジェンツー、オウサマペンギンが自由に泳いだり、ヨチヨチ歩いたり、すっくと立って私たちを見つめたり。カマイルカも間近で高速で泳ぎ、時にジャンプし、水しぶきに目を見張る。グレートバリアリーフでは世界遺産のサンゴ礁の中、カラフルな魚たちが泳ぎ回っている。まだ息子が小さかった頃、グレートバリアリーフの海でシュノーケリングをしたことを懐かしく思い出す。

 メインは太平洋を模した世界最大級の水槽。悠々と泳ぐジンベエザメやアカシュモクザメ、マアジの大群やゲイラカイトのようなエイに、マンタは泳いでいるというより滑空している感じ。時間を忘れて目を見張る。
 お馴染みの真鯛や真蛸、伊勢海老等瀬戸内海の海を見ながら、息子は「さばいたら美味しそう」とのたまう。マンボウとアオリイカが同じ水槽で泳ぎ、カタクチイワシたちの銀色のカーテンのような群れも圧倒的だ。

 時になると照明がライトダウンしてブルーを中心とした幻想的な夜の海に変わる。クック海峡ではアカウミガメが優雅に泳ぎ、日本海溝ではタカアシガニがゆっくりと歩いている。ぼーっとして椅子に座っていると、自分も海の中の生き物になったような不思議な気分になってくる。だから水族館が好きなのだ。

 そろそろ現実に戻るかと思えば、クラゲに包まれる海月銀河が待っている。漆黒の宇宙のような世界に、美しい透明なクラゲがふわふわと浮遊している。いつか訪れた加茂水族館のクラゲの種類には及ばなかったけれど、今はクラゲがトレンドらしい。

 北極圏を模したスペースではあまりの寒さに肩をすくめて早々に退場。次に待っていたのはイワトビペンギンのリアルな暮らしを再現したというフォークランド諸島。声やむっとした匂いにちょっとたじろぐ。よく見ると、巣で卵を温めているつがいが沢山。赤ちゃんペンギンが生まれたばかりの巣もあり、餌をねだる姿の可愛いこと。

 隣のふれあい体験水槽では、目の前を泳ぐサメやエイのザラザラ、ヌルヌル感を肌で感じられますというコーナーになっており、22歳の息子もちびっこと混じって楽しそうに触っている。出口近くの顔博では顔に特徴のある魚を集めてあり、いくつかの質問であなたのタイプはこれ、というクイズをやっており、息子も挑戦。ハリセンボンの凄い顔に重ねて写真を撮り、ダウンロードが出来るというおまけがついている。

 ショップでもカプセルやUFOキャッチャーで、ペンギンやらジンベエザメ、ダイオウグソクムシといった、私にはちょっと?の生き物のマスコットをゲットしご満悦の息子。これで来年4月から社会人…大丈夫だろうか、と一抹の不安が。
 気づけば2時間以上を過ごしてしまった。疲れているのに楽しい時間は何故だかこんなに頑張れる。

 再び地下鉄に乗って、息子が見せたいという激安スーパーを見た後、予約してくれたタイ料理のレストランを目指す。

 そう、今日は私の誕生日であり、父の日であり、息子の内定とトリプルのお祝いの記念すべきディナーである。季節のコースに一品追加して、トムヤンクンやパッタイやカレー等に舌鼓。お腹はもうはち切れそうだったけれど、デザートは別腹ということで、皆でお腹一杯になってレストランを後にした。

 明日はゆっくり起きてチェックアウトをしたら、大阪で久しぶりにお目にかかるお友達とランチ。息子と夫はその間どこに行く予定だろうか。夕方には帰京し、明後日からはまたお仕事開始である。

 朝から晩まで12時間以上出ずっぱりだったが、良い日曜日だった。今年もこうして年を重ねることが出来た。ラインでお誕生日おめでとう、と送ってくださった方にも感謝である。57歳、まだまだ細く長くしぶとく生き抜くぞ、と思う夜である。
コメント (4)
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