2015年3月21日(土)
「書くということ、記録するということで、バラバラになっていた点がみんな結ばれ、一つの線になって未来につながっていくんです」 (311)
「亡くなった今も、彼を中心にみながいろんなことを考え、喜ばせようと手を尽くしているんですね。人の思い出って、こんなに他人を動かすエネルギーになるんですね」(313)
どんな素材にでも、ヒントになるフレーズは含まれているものだ。朝刊の連載小説の二つのフレーズから、ふと思い起こしたのが聖書 ~ 福音書のことである。これこそ元祖聞き書きなのだ。
ナザレのイエスに出逢った人々がそれぞれの思い出をもちより、点を線へと紡いでいった。そこに浮かび上がったイエスの像は驚くべきもので、線を面に、面を立体に膨らませ、世界史を動かすエネルギーになった。
言葉の力、ここに極まる。