散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
コメント歓迎、ただし仕事関連のお問い合わせには対応していません。

言葉の力、思い出のエネルギー

2015-03-21 09:50:38 | 日記

2015年3月21日(土)

 

 「書くということ、記録するということで、バラバラになっていた点がみんな結ばれ、一つの線になって未来につながっていくんです」 (311)

 「亡くなった今も、彼を中心にみながいろんなことを考え、喜ばせようと手を尽くしているんですね。人の思い出って、こんなに他人を動かすエネルギーになるんですね」(313)

 

 どんな素材にでも、ヒントになるフレーズは含まれているものだ。朝刊の連載小説の二つのフレーズから、ふと思い起こしたのが聖書 ~ 福音書のことである。これこそ元祖聞き書きなのだ。

 ナザレのイエスに出逢った人々がそれぞれの思い出をもちより、点を線へと紡いでいった。そこに浮かび上がったイエスの像は驚くべきもので、線を面に、面を立体に膨らませ、世界史を動かすエネルギーになった。

 

 言葉の力、ここに極まる。