昨日の東北地方太平洋沖地震により、福島県の原子力発電所が停止してるため、東京電力の電力供給が厳しくなっているようです。特に夕方の電力供給に困難を来す可能性があるようです。
このため、過去に例のない「輪番停電」(地域や時間を区切って計画停電させること)が検討されたようですが、13日は行われない見込みだそうです。ただし電力の逼迫状態が改善されたわけではないので厳しい状態は変わりません。
日本の場合、東京電力をはじめとした50Hzのエリアと関西電力を中心とした60Hzのエリアがあり、60Hz→50Hzへの送電は静岡県の佐久間などに設備があるのですが、その能力は100万kW程度であったはずで十分ではありません。同じ50Hzであるものの被災の多い東北電力に融通を頼むことは難しく、北海道からの送電能力も60万kWしかないため極めて厳しいのが現状です。
輪番停電の実施有無についての正確な情報は東京電力のホームページで確認できます。
今後店舗の営業時間短縮、ライトアップの中止などが検討されるようです。特に50Hzの東京電力・東北電力・北海道電力のエリアにお住まいの方は個人でもできる範囲での節電に協力しましょう。
先程官房長官から福島第一原子力発電所1号機に対し、海水とホウ酸の注入を行う旨発表がありました。学生時代原子力だったので簡単に説明しますと、
海水 炉内の冷却と炉内の中性子の勢いを抑える減速材として作用します
ホウ酸 炉内の中性子の勢いを抑える減速材として作用します
ということです。炉内を冷却させると同時に核分裂反応を止める方針のようです。核分裂が止まると炉内の発熱が止まり、圧力も下がります。ただし海水を注入することで1号機は復旧の可能性を断たれますから、事実上の廃炉を意味します。
福島第一原子力発電所1号機は1971年完成で出力は46.0kWhと比較的小型ですが、東京電力にとっては苦渋の判断だったと思います。現地で苦闘している技術者の皆さんによる必死の努力が実を結ぶことを祈ります。