Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Somewhere」

2011-02-03 07:35:45 | Movie
先日のロッテルダム国際映画祭で、ソフィア・コッポラ監督作品の「Somewhere」を観ました。
この映画はふつうに後で劇場ロードショーされるもので、上映された場所も大きな映画館の大きなホールでした。会場は満員でした。
ストーリーは、人気映画俳優と11歳になる娘の交流を描くもので、映画スターの日常を垣間見える面白さに加えて、父と娘のほのぼのとした雰囲気とまた少しの緊張が、美しい映像とそれに合った音楽で語られ、とても心地良く見ることができました。この映画スターはフェラーリに乗っているのですが、そのエンジン音が気持ちの良い音で、記憶に残る音でした。
主演はスティーヴン・ドーフでうまい役者さんだなと思いました。それにも増して娘役のエル・ファニングの演技がとても自然で伸び伸びとしていて素晴らしかったです。ちょっと11歳の役にしては大人びているかなとも思ったのですが、1998年生まれだから、実際にも11歳くらいなんですね。名前からわかるように、あの名子役ダコタ・ファニングの妹です。
この映画、特に強い政治的メッセージとかはないですが、きれいな映像と心地よい音、ほどよい笑い、目を喜ばせるもの(高級なホテル、ミラノやロスといった場所の風景、服、食べ物など)があって、またこの二人の感情になんとなく共感することができ、私としてはとても楽しめました。
ソフィア・コッポラ監督の作品は、「ロスト・イン・トランスレーション」も好きです。
日常の中にたくさんの違和感や感情の襞があって、それでもそれをとりまく世界は美しくあろうとし、個々はできるだけ満足感を得ようとするが、なかなか心の空虚感を埋めることはできないという現代人のもどかしさを感じます。
この映画、現時点では、観客による評価(5点満点)の平均が3.764で92位です。
体調は良好です。