Bernlef(ベルンレフ)著『De Pianoman』を読了。オランダでは、読書週間中に本を買うと、景品として薄い本をくれます。毎年違う作家がその景品の本の担当をしています。2008年にベルンレフがこの担当となり、書き下ろした作品です。90ページくらいの短い作品で、本棚の片隅にずっとあったのですが、先日『CC een correspondentie』を読んだこともあって思い出し、読み始めたしだいです。
詳細は忘れましたが、数年前、フランスかどこかの海岸沿いでピアノがとても上手な身元のわからない謎の男が保護されたというニュースが流れました。なかなかこの男の身元がわからず、数日ニュースになっていました。このことにベルンレフはインスパイアされ、この物語を書いたとのことです。
主人公は、オランダの北部の田舎町に住むトーマス。子どもの頃から、無口な両親のもとで育ち、しゃべるのが苦手です。会話のない静かな環境が心地よいと感じています。義務教育を終え、自転車工場で働きはじめますが、ある日突然、外の世界を見てみようと、家を出ます。アムステルダムから、パリ、そしてイギリスへ。
私自身、しゃべるのは苦手とは思いませんが、あまりぺらぺらはしゃべらないほう。どちらかというと静かなほうが好き。ずっと沈黙が続いても、そのほうが楽って思うときも多いです。だからか、この主人公の気持ちにすごく共感ができました。
また、トーマスが初めて行った外国の都市がパリ。私も実は、初めて行った外国の都市がパリ。読んでいて、言葉の通じぬ国にポンと降り立ったときの風景の感じ方を思い出しました。
最後のほうで、「話すと、自分が軽くなる」という言葉が出てきますが、そうだと思います。私はあまりあれこれ話すほうではないですが、嫌なことなどあったとき、今日こんなことがあったと話すことで、自分にまとわりついていたその嫌なことがふわっと消えていく気がするときがあります。
軽く読めて、気持ちの良い本です。ベルンレフは、真摯な感じのする、オランダの文学的な良い作家だと思います。
体調は良好。週末の不調からはすっかり回復しました。
詳細は忘れましたが、数年前、フランスかどこかの海岸沿いでピアノがとても上手な身元のわからない謎の男が保護されたというニュースが流れました。なかなかこの男の身元がわからず、数日ニュースになっていました。このことにベルンレフはインスパイアされ、この物語を書いたとのことです。
主人公は、オランダの北部の田舎町に住むトーマス。子どもの頃から、無口な両親のもとで育ち、しゃべるのが苦手です。会話のない静かな環境が心地よいと感じています。義務教育を終え、自転車工場で働きはじめますが、ある日突然、外の世界を見てみようと、家を出ます。アムステルダムから、パリ、そしてイギリスへ。
私自身、しゃべるのは苦手とは思いませんが、あまりぺらぺらはしゃべらないほう。どちらかというと静かなほうが好き。ずっと沈黙が続いても、そのほうが楽って思うときも多いです。だからか、この主人公の気持ちにすごく共感ができました。
また、トーマスが初めて行った外国の都市がパリ。私も実は、初めて行った外国の都市がパリ。読んでいて、言葉の通じぬ国にポンと降り立ったときの風景の感じ方を思い出しました。
最後のほうで、「話すと、自分が軽くなる」という言葉が出てきますが、そうだと思います。私はあまりあれこれ話すほうではないですが、嫌なことなどあったとき、今日こんなことがあったと話すことで、自分にまとわりついていたその嫌なことがふわっと消えていく気がするときがあります。
軽く読めて、気持ちの良い本です。ベルンレフは、真摯な感じのする、オランダの文学的な良い作家だと思います。
体調は良好。週末の不調からはすっかり回復しました。