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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Heaven's Story」

2011-09-29 12:51:43 | Movie
CAMERA JAPANのイベントで、映画「Heaven's Story」(ヘヴンズ・ストーリー)を見ました。
4時間半にもわたる長い映画です。途中で休憩が入りました。
長い映画ですが、幾人かのストーリーがそれぞれ展開し、その登場人物が同じ町にいたりして、風景の中ですれ違います。
核になる話の一つに、女性とその赤ん坊を衝動的に殺してしまった青年のストーリーがあります。青年は捕まり、刑務所に入ります。無期求刑となり、青年は「これから生まれてくる人間にも僕のことを覚えておいてほしい」というコメントを発表します。このコメントを聞いて、関心をもった人形作りを職業とする中年の女性が、獄中の青年と文通をし、早期出所を果たしたときには、身元引受人となります。しかし、この中年女性は、若年性アルツハイマーにおかされていて、記憶を失っていきます。
テーマとしては、同じ空の下、様々な人々がそれぞれの理由を持って、いろいろな困難に向き合いながら、懸命に生きているということだと思うんですけど、青年の「これから生まれてくる人間にも僕のことを覚えておいてほしい」というコメントに関心を持つということが、私には理解できず、その点で、この映画はいまひとつでした。「他の人に自分を覚えておいてほしい」って、ある意味、とてもエゴイスティックなことだと思うんですけど…。同じように、「死んでも自分のことを覚えていてほしい」とかいう人もいますけれど、自分ってそんなに大事で特別なのか…と思います。曽祖父や曾祖母のことをまったく知らない人がほとんどだと思いますけど、3世代くらいで、人の記憶はなくなってしまうものです。一世代分くらい、誰かが自分のことを覚えてくれているということはそれほど大切なことなんでしょうか。
また、歴史に名を残したいという人もいますけれど、自分が死んだあと自分の名が残ることと、現在生きている自分とは、ロマンチックな意味合いを除いたら、何の干渉もないように思うのですが…。
暴力的なシーンも多く、どろどろとしたシーンと、何でものない日常の風景の混ざり合いが、良い感じで、長いですが、無理なく最後まで見れました。でも、やたら長いシーンもあり、もっとテンポよく作ることも出来るんじゃないかなと思いました。
監督は、瀬々敬久。アルツハイマーになる女性を、山崎ハコがやっていて、微妙に怖いです。他の出演者は、長谷川朝晴、村上淳、寉岡萌希、菜葉菜など。出演者はだいたいみなちょっと垢抜けない感じなんですが、殺人を犯してしまう青年役の忍成修吾だけが今どきのハンサムな青年でした。
この映画、私にはちょっと重たくて、あまり登場人物に共感ができない映画でした。
体調は良好。